立て板に水の意味とは?例文・類語・語源・英語訳なども詳しく解説!

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立て板に水の意味

誰でも一度は耳にした事はある「立て板に水」という表現ですが、その正しい意味はご存じでしょうか?

実はこの慣用句、言葉の響きだけを捉えてしまうことで、その意味を間違えている方が意外と多い言葉なのです。

ということで今回は、誤用の理由例文類語なども参考にしつつ、楽しみながら「立て板に水」の意味を理解できるよう解説致します!

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立て板に水の意味

それでは早速、「立て板に水」の意味を見ていきましょう。

 

「立て板に水」の意味とは、「よどみなく、流暢にすらすらと話すこと」という意味を表しています。

 

簡単に言うならば、「スムーズにしゃべれること」「口が達者なこと」、あるいは、「雄弁」「話し上手」ということですね。

これは逆に言えば、どもったり噛んだりしないこと、あるいは、途中で言葉がつっかえたり、話す内容に困ってしどろもどろしていない様子を表しているという事です。

 

つまり、最初から最後まで留まることなく、流れるように話しているさまの事を指して「立て板に水」と表現しているという事になります。

みなさんの周りにも、いつでも理路整然とした態度で、スマートに次から次へと言葉が出てくる人が、一人や二人いますよね?

 

ただし、「立て板に水」は、あくまで「すらすらと話せている」事を指しているだけなので、「話している内容が正しいかどうか」や「論理的かどうか」、あるいは、「聞き手にとって分かりやすいか」などは、あまり関係はありません。

したがって、仮に話があちこちに飛んでいたり、内容が間違っていたりしても、途中で止まることなくスラスラと話せていれば「立て板に水」に当てはまるという事ですね。

 

また、もう一つのポイントとしては、「立て板に水」は、基本的に誉め言葉として使われるという事です。

したがって、「おしゃべりでうるさい人」のような悪い意味では使わないので注意しましょう。

つまり、「立て板に水」と表現する背景には、流暢に話ができることへの称賛の気持ちがあるという事ですね。

なので、世の奥様方は口うるさい小姑の悪口を言う時に、くれぐれも『「立て板に水」でやかましい』などとは言わないようにしましょうね(笑)

 

さて、ここまでで「立て板に水」の意味は概ね把握できたかと思いますが、冒頭にも話したように、この慣用句はその意味を誤用されるケースが非常に多い表現になります。

それはいったい、どうしてなのでしょうか?

ということで続いては、よくある誤用例と、なぜ誤用されることが多いのかを理解することで、この言葉の意味を完全に定着させましょう!

立て板に水の誤用

立て板に水の誤用

 

さて、先ほど「立て板に水」の正しい意味は、「よどみなく、流暢にすらすらと話すこと」と説明しましたが、どのような誤用が多いのでしょうか?

 

最も多い誤用は、「無意味である」という意味と勘違いしているケースです。

 

また、そこから転じて「手ごたえがない」「張り合いがない」という意味合いを持つと間違って覚えている方もいますね。

しかし、これでは明らかに本来の「すらすらと話す」とは全く違う意味になってしまいます。

 

もし上記のように誤解をしていると、たとえば同僚が『彼のスピーチは「立て板に水」で素晴らしかった』と言ったとしても、『無意味なスピーチが素晴らしいってどういうこと?皮肉?』と勘違いしてしまうことになります(笑)

 

ではそもそも、何故このような誤用が増えてしまったのでしょうか?

その背景を知ることで、今後はこの表現の意味を間違えることがなくなるので、ここでしっかり把握しておきましょうね。

 

結論から言えば、「立て板に水」が誤用される理由は、言葉から連想される「板を立てかけて水をかける」行為が、本来の意味とは別の意味で解釈できるからです。

どういう事かと言うと、「立て板に水」と耳で聞いたそのままのイメージから、「板の上を水が抵抗なく流れていく様子」を思い浮かべ、その様子を「無意味」「手ごたえがない」と誤って捉えてしまうという事ですね。

つまり、板の上をスムーズに流れる様子を、ネガティブな意味合いで解釈してしまったことが、このような誤用に繋がったという事です。

こういった間違いは、「立て板に水」の語源を理解することで防げるので、後ほど紹介させて頂きますね。

 

ちなみに、「立て板に水」は「焼け石に水」とも混同されるケースも少なくありません。

「焼け石に水」は、焼けた石に水をかけても高熱ですぐに蒸発してしまうことから、「努力や援助が足りず役に立たない」という意味を持ちます。

こちらは、明らかに「立て板に水」とは意味が違うので、これを機に整理しておけば問題ありませんね。

 

さて、ここまでで誤用の代表例とその原因は明確になったかと思いますが、先ほども述べた通りこのような誤用を防ぐには、その言葉の語源を知ることが最も効果的です。

ということで、続いてはこの言葉の語源を把握し、「立て板に水」への理解を更に深めてみましょう!

立て板に水の語源

立て板に水の語源

 

さて、「立て板に水」とは、どのような語源がもとになっているのでしょうか?

 

結論から言うと、「立て板に水」の語源はその文字通り、「板に水が流れる様子」という比喩表現が由来になっています

 

先ほどの誤用の話の中でも出てきましたが、立てかけてある板に水を流すと、重力によってスムーズに流れますよね。

このような、何にも邪魔されずに流れていく様子を指して、すらすらと話す様子に例えている表現なんです。

板に水を流した経験がなくイメージしずらければ、食器洗いでまな板を洗う時をイメージをしてただければと思います。

その経験もない方は、いっそのこと「流しそうめん」でも構いませんよ(笑)

 

つまり、滞ることなく水がスーッと流れていく様子は、見ていて気持ちが良いものですよね。

特に夏場などは、その様子を見ているだけでも涼しげな気持ちになれます。

 

そういった感覚で「立て板に水」をイメージして頂ければ、先ほどのような「無意味」というネガティブな意味合いでなく、「水が流れるようスマートに話せるさま」という好印象で、この慣用句が定着できるのではないでしょうか?

 

ということで、「立て板に水」の語源を把握し、意味は完全に理解できたところで、続いてはこの表現がどういった時に使われるのか、例文を見ることで言葉の使い方をマスターさせましょう

立て板に水の例文

立て板に水の例文

「立て板に水」という表現は、下記の例文のような形で使う事ができます。

  1. 例文1.彼は趣味の話となると、まるで「立て板に水」のように話し出す。
  2.  
  3. 例文2.彼女は「立て板に水」の口調で、相手の話の矛盾点を次々に指摘し始めた。
  4.  
  5. 例文3.さすが何度も講演会に出てるだけあるね。「立て板に水」とはこのことだ。
  6.  
  7. 例文4.まさに「立て板に水」の勢いで話し始めた社長を見て、その思いの強さを感じた。
  8.  
  9. 例文5.普段は寡黙な上司だが、お酒の席となると「立て板に水」の如くおしゃべりになる。
  10.  
  11. 例文6.私は、相手側の論述の「立て板に水」のスピードに困惑しペースを崩してしまった。

慣用句には、ポジティブ又はネガティブのどちらか一方の意味で使うものと、どちらの意味でも使用できるものがあります。

 

そんな中、例文をご覧いただいて分かる様に「立て板に水」は、基本的にポジティブな意味合いで使われる表現になります。

「立て板に水」のようにスラスラと話ができる能力は、長所と呼べるスキルなので当然と言えば当然ですね。

 

さて冗談はこの辺にしておいて、続いては実際の会話例を通して、日常で「立て板に水」という言葉を使うイメージを養ってみましょう!

立て板に水の会話例

下記の会話例のパンダさんとヒツジさんになりきり、〇〇の部分に入る言葉を考えてみましょう

 

 

はあ~、新郎の友人代表スピーチまであと10分…ヤバい緊張してきちゃった…。

 

 

らしくないね~。普段は「立て板に水」の如く口達者なんだから、大丈夫だよ!

 

 

他人事だと思って!もう、緊張のせいで普段よりお腹空いちゃうから、その〇〇代わりに食べてあげるよ。

 

 

なに、ドサクサに紛れて言ってんの!パンダさんの〇〇、ボクのより大きかったんだから我慢しなよ!

 

 

いかがでしょうか?どんな言葉が入りましたか?

この〇〇に入る言葉は、『お肉』ですかね(笑)

このパンダさんたちのように、結婚披露宴で隣の列席者のお肉の方が大きいと損した気分になるのは、皆さん一緒ですよね?(笑)

 

さて、ということで、「立て板に水」という表現を実際に自分で使うイメージがついた後は、続いてその類語を知ることで、この言葉の輪郭をより鮮明にしていきましょう

立て板に水の類語

立て板に水の類語

「立て板に水」には、下記のような類語が存在します。

  1. 1.「戸板に豆」(といたにまめ)
    「早口ですらすらと話す様子」を意味する類語ですが、戸板上に豆を転がすとよく転がる様子に由来する点も「立て板に水」にそっくりですね。
    【例文】そのスムーズな話し方は「戸板に豆」のようだ。
  2.  
  3. 2.「竹に油を塗る」
    文字通り、竹に油を塗るとよく滑ることから、口が達者なことを意味するたとえです。
    【例文】私は「竹に油を塗る」ように話し出した。
  4.  
  5. 3.「懸河の弁」(けんがのべん)
    「水を上から流すように、滞りなくしゃべること」という意味を持つ類語になります。
    【例文】迷うことなく話す様子は、まさに「懸河の弁」だ。
  6.  
  7. 4.「一瀉千里」(いっしゃせんり)
    文章や弁舌のよどみないことのたとえ。
    【例文】夫は趣味の話となると「一瀉千里」に語る。

なお、「立て板に水」の対義語としては、「詰まりながら話す」という意味を持つ「横板に雨垂れ(よこいたにあまだれ)」が当てはまります。

これは文字通り、立て板とは逆に、横に置いた(地面に置いた)板に水を流しても勢いよく流れないことを例えているので、分かりやすいですね。

 

さて、ここまできたら「立て板に水」の完全制覇までもう一歩です!

極めつけとして「立て板に水」の「英語訳」も知る事で、この表現のキャラを完璧に掴んでしまいましょう!

 

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立て板に水の英語訳

英語で「立て板に水」を表現するとしたら、下記のような例が適切でしょう。

1.「To speak nine words at once」
「一度に九語も話す」という例えで「流暢に話す」という意味を表すことわざですね。

2.「flowing eloquence」
「flowing」が「流れ」を、「eloquence」が「雄弁さ」を、それぞれ意味します。

 

それでは最後に「まとめ」でおさらいをし、この慣用句を完全にマスターしましょう!

なお、まとめの最後には、皆さんの役に立つちょっとしたオトク情報もプレゼントしてますよ♪

まとめ

立て板に水のまとめ

いかがでしたか?「立て板に水」の意味はしっかり理解できたでしょうか?

最後に、ここまでの内容を簡単にまとめましょう。

 

  1. 意味:流暢にすらすらと話すこと
    誤用:無意味であること
    語源:板に水が流れる様子
    類語:戸板に豆

さて、ここまでご覧頂ければ分かるように、「立て板に水」というスキルは持っていて困ることはない能力です。

ましてや、欧米のように自己表現を重視する昨今の日本社会では、自分の意見を的確に相手に伝えるスキルは更に大切になっていくでしょう。

しかし、そうは言えど、口ベタな人にとっては流暢に話す事はなかなか大変ですよね(笑)

 

ということで、この記事の最後に、話しベタでも話上手になれる一冊をご紹介させて頂きます!

この本を読むことで、あなたも上手に話す力が無理なく身につきますよ!

 

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