日常でも耳にする事の多い「雀の涙」という表現ですが、その正しい意味はご存じでしょうか?
また、どうして他の動物ではなく雀を用いているかは知っていますか?
実はそこには、「雀」という名前がネーミングされた理由が深く関わっているのです。
ということで今回は、例文・類語なども参考にしつつ、楽しみながら「雀の涙」の意味を理解できるよう解説致します!
雀の涙の意味
それでは早速、「雀の涙」の意味を見ていきましょう。
「雀の涙」の意味とは、「ごくわずかなもののたとえ」という意味になります。
これは別の言い方で言えば、「非常に少量であること」と、言い換えても良いでしょう。
要するに、その対象に当たるものが、量的に少なく微々たるものである様子を表している、ということですね。
イメージ的には、コップの中に水が一滴しか入っていない様子を想像していただくと、分かりやすいと思います。
あるいは、「こんなちょっとしかないよ~」と、手の人差し指と親指を限りなく近づけている描写を思い描いていいただいても良いかもしれませんね(笑)
また、「雀の涙」はそのような本来の意味から転じて、実際の会話で使われる際には「必要な量に全く達していない」という意味合いで使われる事が多いのもポイントです。
つまり、「全く充分ではない」「全然足りていない」という、否定的な表現で使われるのが一般的という事になります。
なので、基本的に「雀の涙」と表現する時の心情としては、「もっと欲しい」「どうしてこんなに少ないんだ」という、不満や不平を含んでいる事が特徴ですね。
したがって、皆さんも普段の日常でお金や資産など、自分の所有量が少ない事への不満を抱くことがあると思いますが、そんな時に「雀の涙」という表現は使うことができます。
ただ、実はその一方で、この表現は必ずしもネガティブな意味合いで使用される訳ではないことも覚えておきましょう。
どういうことかと言うと、例えば「たとえわずかな量であっても、本人たちにとっては貴重なものである」という、肯定的な意味合いで使うこともあるからなんです。
これは、「困難な状況下であれば、ほんのわずかな数や量であっても非常に重要になる」ということを意味する、本来の「雀の涙」の意味から少し派生した使われ方になります。
もっとも、このような形で「少量であること」をポジティブな意味合いで使うことはあまりないので、自分から積極的に使う事はせずに、「雀の涙は肯定的な意味で使っても間違いではない」と頭の片隅に置いておけば大丈夫でしょう。
なので、基本的に自分で「雀の涙」という言葉を用いる際には、「足りない」「もっと欲しい」という意味合いで使えば間違いないです。
なお、補足になりますが、「涙」がつく比喩表現は意外にも多く、代表的なものには、「厳しい人が感情を動かされ涙を流すこと」を意味する「鬼も目にも涙」などが挙げられます。
しかし、このような表現とは違い、「雀の涙」には感情のニュアンスが含まれていないのも、覚えておきたい特徴のひとつですね。
一般的な「涙」を使う表現は、「悲しみ」「苦しみ」といった辛くて涙する感情や、反対に「喜び」「嬉しさ」など感動のあまり涙する感情を表すものですが、「雀の涙」自体はそのような「涙」と紐づけられる具体的な感情を表す意味では使われません。
つまり、「雀の涙」を用いる際は、量が少ない事への「不満」「不平」といった気持ちとは結びついても、「悲しい」「嬉しい」という感情自体は表さないということになりますので、ご注意くださいね。
なので、「涙」という言葉につられて「泣くほど悲しい時に使うのだ」と誤解しないようにしましょう(笑)
さて、ここまでで概ね「雀の涙」の意味は把握できたと思いますが、言葉をよりしっかりと定着させる為にはその語源を理解することがとても大切です。
また、冒頭でも述べたように、「少量であること」を伝える為に「雀」という動物を用いた理由には、「なるほど!」と納得できる事実が隠されています。
ということで、続いて「雀の涙」の語源を把握し、正しい意味を完全にマスターしてしまいましょう!
雀の涙の語源
さて、「雀の涙」とは、どのような語源が元になっているのでしょうか?
結論から言うと、「雀の涙」は、文字通り「小さな雀から流れる涙くらい、本当に少量であること」という比喩表現が由来になっています。
しかし、ここでひとつ疑問が湧きます。
どうして同じ鳥でも、「ヒヨコ」や「ハト」ではなく、「スズメ」なのでしょうか?
あるいは、もっと小さい動物で言えば、どうして「ネズミ」や「リス」を選ばなかったのでしょうか?
もっと言えば、涙を流すかは別にして、例えば「アリ」や「ミミズ」など、もっと小さい生物はたくさんいますよね?(笑)
なぜ、そのような動物ではなく、「スズメ」を選んだのか?
その答えは、実は「スズメ」というネーミングに由来していたんです。
どういうことかと言うと、意外と知られていないのですが、皆さんは「スズメ」という言葉の意味をご存じでしょうか?
実は、雀という名前は「スズ」と「メ」に分解でき、それぞれに意味を持ちます。
まず、一つ目の「スズ」の部分は、小さいことを表す「ササ(最小)」が転じたものだと言われています。
そして一方、二つ目の「メ」の部分は、「群れる」という意味を持ちます。
つまり、「スズメ」は「小さい」という意味の「スズ」と、「群れる」という意味の「メ」が合体してできた名前であるという事なんです。
したがって、名前の由来から考えても、「スズメ」は「小さい事」を表すのにピッタリの動物だったのですね。
また、すでにお気づきの方もいると思いますが、実際「雀」という漢字にも、「少」という漢字が使われていますしね。
もっとも、そうは言っても、実はこの説以外にも「スズメ」の命名の由来は諸説あるのですが、「雀の涙」という表現を覚えるという意味では、非常に納得がいく由来なのではないでしょうか。
逆に言えば、この由来を聞けば「雀の涙」の意味も、二度と忘れないで済みますよね(笑)
ということで、「雀の涙」の語源を把握し、その意味が完全に理解できたところで、続いてはこの表現がどういった時に使われるのか、例文を見ることで言葉の使い方をマスターさせましょう!
皆さんは、どのような例文が思いつくでしょうか?
雀の涙の例文
「雀の涙」という表現は、下記の例文のような形で使う事ができます。
- 例文1.今月は体調を崩しアルバイトを休んだので、給料は「雀の涙」だった。
- 例文2.私にとって百万円は大金だが、彼にとっては「雀の涙」程度の価値らしい。
- 例文3.あの店のフカヒレスープには、「雀の涙」くらいのフカヒレしか入っていない。
- 例文4.ついに食べ物を見つけたと思ったら、「雀の涙」程の米しか残っていなかった。
- 例文5.今は「雀の涙」程度の幸せでも、大切にすることでいつか大きな幸せが手に入る。
- 例文6.一人分の寄付金は「雀の涙」だとしても、多くの人が協力すれば立派な支援になる。
慣用句には、ポジティブ又はネガティブのどちらか一方の意味で使うものと、どちらの意味でも使用できるものがあります。
そんな中、先ほども述べたように、「雀の涙」は多くの場合ネガティブな意味合いで使われる表現になります。
つまり、「雀の涙」を使う背景には、「もっと欲しい」「これでは足りない」という不満の気持ちがあり、量の少なさにガッカリした時や、失望した際に使うのが一般的ですね。
特に、例文1や2のように「金額的な少なさ」を表す時に用いることが多いこともポイントでしょう。
ただ、例文5や6のように、「わずかであっても、そこに希望を見出す」シーンや、「少量だとしても、ゼロではない事へのありがたみを表す」状況などでも用いる事ができるので、その点も把握しておきましょう。
むしろ、私たちの心情的には、後者のような前向きな気持ちで「雀の涙」という表現を使いたいものですね(笑)
さて、例文を見たことで具体的な使い方が分かったところで、続いては実際の会話例を通して、自分自身で「雀の涙」という言葉を使うイメージを養ってみましょう!
皆さんも、下記の会話例のパンダさんになりきり、〇〇の部分に入る言葉を考えてみてくださいね。
雀の涙の会話例
仲良しのパンダさんとヒツジさんの、海外旅行中のワンシーンです。
一週間のヨーロッパ旅行も、ついに今日で終わりだね!
そうだね~。天気にも恵まれて、トラブルにも合わずに済んだから、ボク大満足だよ!
本当だね!またいつか来たいな~。ところでパンダさん、お金はいくら位残ってる?
え~っとね、…2ユーロかな!
え~!そんな「雀の涙」くらいしか残してないの?空港までのバス代すら足りないじゃん!
うん!あと、ボク〇〇でたくさん買い物もしたいから、ヒツジさんお金貸してね♡
いかがでしょうか?どんな言葉が入りましたか?
この〇〇に入る言葉は、『免税店』『お土産屋さん』などですかね。
海外旅行するときって、どのくらいの金額を両替するか、結構迷いますよね(笑)
さて、パンダさん達のやり取りを見て、「雀の涙」という表現を実際に使うイメージがついたところで、続いてはその類語を知ることで、この言葉の輪郭をより鮮明にしていきましょう!
皆さんは、どんな類語が思いつくでしょうか?
雀の涙の類語
「雀の涙」には、下記のような類語が存在します。
- 1.「蚊の涙」
同じ「涙」という言葉を使う類語で、意味は「とても微量であること」です。
【例文】これでは「蚊の涙」程度の気休めにしかならない。 - 2.「姑の涙汁」(しゅうとめのなみだじる)
こちらも「涙」という単語を使った、「とても少ないこと」を意味する類語ですね。
【例文】彼女の思いやりの心はまさに「姑の涙汁」だ。 - 3.「猫の額」
こちらも「非常に狭いことの例え」という意味を持つ類語ですが、主に面積的が小さいことに対して使います。
【例文】地主と言っても「猫の額」ほどの土地しか所有してない。 - 4.「蚤の小便」(のみのしょうべん)
「極めてわずかなことのたとえ」という意味の類語になります。
【例文】私の給料は「蚤の小便」のように少ない。
なお、「雀の涙」の対義語に当てはまる表現としては、「量が多すぎて数えきれないこと」を意味する「枚挙に遑がない(まいきょにいとまがない)」や、「広く果てしないこと」を意味する「広大無辺(こうだいむへん)」、あるいは「非常に多く有り余っていること」という意味を持つ「掃いて捨てるほど」といったフレーズが挙げられます。
さて、ここまできたら「雀の涙」の完全制覇までもう一歩です!
極めつけとして「雀の涙」の「英語訳」も知る事で、この表現のキャラを完璧に掴んでしまいましょう!
皆さんも、自分が知っている英語で思い付く表現がありませんか?
雀の涙の英語訳
英語で「雀の涙」を表現するとしたら、下記のような例が適切でしょう。
1. drop in the bucket
「バケツの中のしずく」という比喩表現で、「少量」という意味を持ちます。2.chicken feed
比喩的に「ひよこのエサ」を用いた、「わずかな」という意味の表現になります。
上記のような英語表現は、普段英語を使う機会がない方にとっては、懐かしかったのではないでしょうか?
それでは最後に「まとめ」でおさらいをし、この慣用句を完全にマスターしましょう!
なお、まとめの最後には、皆さんの役に立つちょっとしたオトク情報もプレゼントしてますよ♪
まとめ
いかがでしたか?「雀の涙」の意味はしっかり理解できたでしょうか?
最後に、ここまでの内容を簡単にまとめましょう。
【雀の涙】 | |
意味 | 非常に少量であること |
心情 | 不満、不平、(大切にしたい) |
語源 | スズメ=小さいものが群れる |
類語 | 蚊の涙、猫の額 |
さて、例文紹介の際も触れたように、同じ「雀の涙」という状況でも、それをどう捉えるかでポジティブにもネガティブにもなります。
むしろ、「量が少ない」ことに限らず、人生のあらゆる面において、「捉え方」を変えるだけで、悪いと思っていた状況が好転することがありますよね。
ということで、この記事の最後に、最悪な状況を一瞬で最高に変えられる一冊をご紹介させて頂きます!
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