誰しも一度は聞いたことがある「しのぎを削る」という表現ですが、その正しい意味はご存じでしょうか?
この慣用句、実は日本人なら誰しも思わず「へぇ~」と唸ってしまう、面白い語源もあるんです。
ということで今回は、例文・類語なども参考にしつつ、「しのぎを削る」の意味をしっかり理解できるよう、分かりやすく解説致します!
しのぎを削るの意味
それでは早速、「しのぎを削る」の意味を見ていきましょう。
「しのぎを削る」の意味とは、「激しく争うこと」という意味になります。
元々の意味は、「激しく刀で切り合う」というものでしたが、そこから転じて現在では、刀に限らずあらゆる勝負事において「激しく戦うこと」を表す際に用いることができます。
したがって、「しのぎを削る」とは広い意味で「なかなか勝負が決まらないような熱戦」を例えている言葉という事になります。
イメージ的には、ボクサー同士が激しく打ち合いをしている感じでしょうか。
つまり、力が拮抗し合っている者同士が、どちらが優れているか決着をつけようとしている状態ですね。
したがって、「しのぎを削る」という表現を使う際には、基本的に両者の実力が同レベルであることが前提となります。
逆に、双方の力量に差がありすぎると「激闘」にはならないので、「しのぎを削る」という表現は当てはまりません。
要するに、同じような実力を持つ者同士の勝負でのみ使える言葉ということですね。
なお、「しのぎを削る」は、個人同士の争いだけでなく、集団同士の争いにも使用できます。
したがって、企業、チーム、団体、コミュニティなど、あらゆる組織の激闘を表す際に用いても、問題ないということになります。
そういった意味でも、きっと皆さんも今までの人生において、「しのぎを削る」戦いといえる思い出がありますよね?
ちなみに、稀に「しのぎ」を「凌ぎ」と書いてしまう方がいますが、この漢字は間違いになります。
「凌ぐ」は主に「押し分けて乗りこえて前に進む」という意味があり、ニュアンスが近いためこのような誤解が生じるのですが、この字を用いるのは誤りで、正しくは「鎬」という漢字を使います。
なので、表記の際は「しのぎを削る」、もしくは「鎬を削る」のどちらかで表記するのが正解ですね。
なお、「鎬」とは刀のある部分の名称なのですが、これはその語源を知っておくことで、「凌ぐ」という間違いも防ぐことも出来ます。
ということで、続いては「しのぎを削る」の語源も知り、なんとなくの意味の把握ではなく、完璧に意味を理解してしまいましょう!
しのぎを削るの語源
さて、先ほども述べたように、「鎬(しのぎ)を削る」の「鎬」とは、刀のある部分を指しています。
その「ある部分」とはどこかと言うと、刀身の側面で一番厚くなっている部分のことです。
下記のイメージ図をご覧いただくと、どの部分かより明確になりますかね。
そして、実際に想像して頂くと分かりやすいのですが、マンガや映画でもよくある描写として、刀での戦いの最中に、お互いが刀を押し合っているワンシーンってありますよね?
「キン!キン!キン!」と何度か刀で切り合った後で、最後に「ギイン!」と力が拮抗し刀をぶつけ合った状態で止まり、「グググッ」と互いに近寄り両者が刀越しに睨み合っているアレです←擬音語ばかりですいません(笑)
あの状態で刀を押し付け合っている時に触れているのが、側面で一番高さがある「鎬」の部分なのです。
もちろん、前述したような両者が睨み合って固まる状態でなくとも、切り合いの中で刀が交わる時に鎬はよくぶつかり合います。
したがって、戦いが長引くような激闘をする際は、自ずと鎬をぶつけ合うことが多くなるということです。
そうして何度も何度も刀を交えることで、いくら固い鉄とは言え、そのダメージによって鎬の部分は徐々に削られていきます。
つまり、「何度も刀をぶつけ合う」=「鎬がすり減る」というところから、「激闘」=「鎬を削る」という表現が生まれたという事なんですね。
これは、我々「侍魂」を持つ日本人なら、納得の語源ではないでしょうか(笑)
冗談は置いておいても、こうして実際に頭の中で想像しながら語源を把握することで、より正しい意味を忘れづらくもなりますよね!
ということで、「しのぎを削る」の語源を把握し、その意味が完全に理解できたところで、続いてはこの表現がどういった時に使われるのか、例文を見ることで言葉の使い方をマスターさせましょう!
皆さんは、どのような例文が思いつくでしょうか?
しのぎを削るの例文
「しのぎを削る」という表現は、下記の例文のような形で使う事ができます。
- 例文1.両棋士が「しのぎを削る」頭脳戦は、歴史の残る名勝負だった。
- 例文2.ライバル球団同士が「しのぎを削る」三連戦が、ついに幕を開けた。
- 例文3.多くの名店が「しのぎを削る」ラーメン激戦区に、あえて出店してみたい。
- 例文4.互いに「しのぎを削った」受験戦争を経験した事で、精神的に強くなった。
- 例文5.最近のコンビニ同士は、スイーツの商品開発において「しのぎを削っている」。
- 例文6.携帯会社同士のスマホ市場における「しのぎを削り合う」戦いは、まだ終わらない。
慣用句には、ポジティブ又はネガティブのどちらか一方の意味で使うものと、どちらの意味でも使用できるものがあります。
そんな中、例文をご覧いただければ分かるように、「しのぎを削る」はどちらかと言えばポジティブな意味合いで使われます。
もちろん、激しい戦いに対する意味づけにもよりますが、その激闘に対する「賞賛」や「労い」、あるいは激闘に挑む「覚悟」や「強い意志」といった心情が背景にあることが多いです。
つまり、互いに切磋琢磨し合う事でより高みを目指す姿勢、あるいは高みに辿り着いた結果を表現する際に用いることが多いということですね。
また、例文1~4のように、「しのぎを削る〇〇」という形で、「しのぎを削る」の後には「勝負」や「戦い」などの名詞が来るケースが多いのも、ポイントとして覚えておきましょう。
さて、例文を見て具体的な使い方が分かったところで、続いては実際の会話例を通して、自分の日常において「しのぎを削る」という言葉を使うイメージを養ってみましょう!
皆さんも、下記の会話例のパンダさんになりきり、〇〇の部分に入る言葉を考えてみてくださいね。
しのぎを削るの会話例
ヒツジさんが、親友のパンダさんに恋の相談をするワンシーンです。
どうしよう!告白の仕方をネットで調べてたら、情報が多すぎて逆に混乱してきちゃった!
何言ってんの!愛を伝えるのに方法なんて関係ない!大事なのは〇〇だよ!当たって砕けろ!
うう…ありがとう…。パンダさんのお陰で、なんだか勇気が出て来たよ!
水臭いな!学生時代に、好きなコをどっちが口説き落とすか「しのぎを削り合った」仲じゃないか!
あれは結局、お互いフラれて終わったけどね・・・あ、そのこと思い出したら、やっぱり自信なくなってきた…
いかがでしょうか?どんな言葉が入りましたか?
この〇〇に入る言葉は、『気持ち』や『パッション』ですかね(笑)
完全に余談ですが、「パッション」といえば、一昔前「エビバディ、パッション!」という決め台詞で流行った、「パッション屋良」という芸人を思い出しますね(笑)
さて、パンダさん達のやり取りを見て、「しのぎを削る」という表現を実際に使うイメージがついたところで、続いてはその類語を知ることで、この言葉の輪郭をより鮮明にしていきましょう!
皆さんは、どんな類語が思いつくでしょうか?
しのぎを削るの類語
「しのぎを削る」には、下記のような類語が存在します。
- 1.「火花を散らす」
「互いに激しく戦う」という意味を持つ類語ですね。
【例文】両者一歩も引かず激しく「火花を散らす」。 - 2.「接戦」
「勝つか負けるか競り合いの戦い」という意味を持つ類語です
【例文】その「接戦」を制したのは彼女だった。 - 3.「死闘」
「死に物狂いで戦うこと」という意味の類語になります。
【例文】彼らは息をのむ「死闘」を繰り広げた。
なお、「しのぎを削る」の対義語の表現としては、「簡単に相手を倒すこと」を意味する「鎧袖一触(がいしゅういっしょく)」という四字熟語が挙げられますね。
あるいは、もっと身近な言葉で言えば、「楽勝」「圧勝」「快勝」「大勝」のような、圧倒的な実力差で勝った事を意味する言葉も当てはまるでしょう。
このように、似たような言葉や真逆の意味の言葉と比較することで、「しのぎを削る」特有のニュアンスがより際立ちますよね。
さて、ここまできたら「しのぎを削る」の完全制覇までもう一歩です!
極めつけとして「しのぎを削る」の「英語訳」も知る事で、この表現のキャラを完璧に掴んでしまいましょう!
皆さんも、自分が知っている英語で思い付く表現がありませんか?
しのぎを削るの英語訳
英語で「しのぎを削る」を表現するとしたら、下記のような例が適切でしょう。
1.「compete with each other」
「互いに激しく競い合う」という意味の熟語です。2.「tight race」
「接戦」という意味を表す表現ですね。3.battle out
「死闘を繰り広げる」という意味を持つ表現になります。
上記のような英語表現は、普段英語を使う機会がない方にとっては、懐かしかったのではないでしょうか?
それでは最後に「まとめ」でおさらいをし、この慣用句を完全にマスターしましょう!
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まとめ
いかがでしたか?「しのぎを削る」の意味はしっかり理解できたでしょうか?
最後に、ここまでの内容を簡単にまとめましょう。
【しのぎを削る】 | |
意味 | 激しく争うこと |
語源 | 刀をぶつけ合い鎬がすり減る |
感情 | 賞賛、覚悟 |
類語 | 火花を散らす、接戦 |
さて、ここまでご覧いただければ分かる様に、「しのぎを削る」争いというのは大なり小なり、誰しも経験があるかと思います。
むしろ、これからの人生において、いつ何時大きな勝負に直面するかは誰にも分かりません。
そういった意味では、その時の為に今の内からしっかり準備をしておきたいものですね。
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