誰しも一度は聞いたことがある「棚から牡丹餅」という表現ですが、その正しい意味はご存じでしょうか?
実はこのことわざ、互いに似ている二つの意味があるので、誤った使い方をしている方も意外と多い表現なのです。
また、省略して「たなぼた」「棚ぼた」と言われることもあるため、意味を混同をしてしまう人もいます。
ということで今回は、例文・類語なども参考にしつつ、「棚から牡丹餅」の意味をしっかり理解できるよう、分かりやすく解説致します!
棚から牡丹餅の意味
それでは早速、「棚から牡丹餅」の意味を見ていきましょう。
冒頭でも触れたように、このことわざには、大きく分けて二つの意味があります。
その「棚から牡丹餅」の意味とは、「思いがけず幸運がやってくる」「苦労せずに幸運をつかむ」という意味になります。
一見すると、同じような意味ですが、厳密にはそれぞれ微妙にニュアンスが違うので、詳しく説明しますね。
まず、一つ目の「棚から牡丹餅」の意味である、「思いがけず幸運がやってくる」という意味についてです。
こちらは、別の言い方で言えば「願ってもいなかったラッキーな事が起こる」とも言い換えられますね。
つまり、こちらの意味合いでは、予想外の幸運が起きた事を指して「棚から牡丹餅」という表現を使う事が出来ます。
イメージ的には、「ビックリ!」「意外!」という言葉が出てしまう感じですね。
こちらの意味での分かりやすい事例で言えば、思わぬタイミングで誕生日プレゼントを貰ったケースなどが当てはまるでしょう。
忙しくて自分の誕生日を忘れていたり、プレゼントをくれるとは思っていなかった人からプレゼントがもらえたといった経験は、皆さんもあるのではないでしょうか?
そういった想定外の嬉しい出来事に巡り合ったシーンで、この一つ目の意味合いで「棚から牡丹餅」という表現を用いることができます。
それでは続いて、「棚から牡丹餅」の二つ目の意味を、詳しく見てみましょう。
「棚から牡丹餅」の二つ目は「苦労せずに幸運をつかむ」という意味でしたが、こちらは言い換えれば、「努力をせずに良い結果を手にする」とも言えるでしょう。
つまり、本来は何かしらの労力を費やして手に入れられるはずのものを、その過程を経ずに楽々手に入れた際に使う事ができます。
この意味合いでの分かりやすい事例としては、宝くじに高額当選したケースなどが当てはまるでしょう。
本来であれば一生懸命働いてお金を稼ぐ必要があるにも関わらず、そのような努力をせずに大金を手にするというのは、まさに「苦労せずに幸運をつかむ」の代表例と言えますよね。
なお、苦労せずに幸運をつかんだことが良いか悪いかは別問題であり、お手軽に成果を手に入れたとき全般に、二つ目の意味で「棚から牡丹餅」という表現を用いることができます。
そういった意味では、その背景にある心情としては「ラッキー!」「得しちゃった!」といった感じでしょうか。
つまり、こちらの場合は、自力とは関係のない偶然の産物により、嬉しい出来事が起こった時に当てはまる意味合いですね。
ということで、改めて「棚から牡丹餅」の二つの意味の違いを整理してみましょう。
- 意味①「思いがけず幸運がやってくる」=想定外・予想外=ビックリ!意外!
- 意味②「苦労せずに幸運をつかむ」=偶然・他力本願=ラッキー!得した!
こうして改めて比べると、両者のニュアンスの違いが、よりハッキリ分かりますよね。
なお、意味②においても、基本的には意味①と同じ「想定外」というニュアンスも含んでいるので、そういった意味で「思わぬ幸運」という点は両者の共通点はと言えるでしょう。
つまり、二つの意味を踏まえて「棚から牡丹餅」の意味をまとめると、「思わぬ幸運を難なく手に入れる」という形でまとめられますね。
そういった意味では、些細なものから大きなものまで幸運の大きさに関わらず、ポジティブな意味合いで使えるということも、「棚から牡丹餅」という表現の大切なポイントと言えるでしょう。
なお、冒頭でも触れましたが、最近は「棚から牡丹餅」を略して「棚ぼた(たなぼた)」と言ったりもします。
つまり、「棚ぼた(たなぼた)」の意味とは「思わぬ幸運を難なく手に入れる」という、「棚から牡丹餅」と同じ意味になります。
むしろ、世代が若ければ若いほど、「棚から牡丹餅」より「棚ぼた」という表現の方が身近な表現かもしれませんね。
さて、ということで、ここまでで「棚から牡丹餅」の意味は概ね把握できたと思います。
しかし、言葉をよりしっかりと定着させる為にはその語源を理解することがとても大切です。
ということで、続いて「棚から牡丹餅」の語源を把握し、このことわざの意味を完全にマスターしてしまいましょう!
そもそも、なぜ「棚」と「牡丹餅」という組み合わせを選んだのでしょうか?
棚から牡丹餅の語源
さて、「棚から牡丹餅」にはどのような由来があるのでしょうか?
結論から言うと、「棚から牡丹餅」は、読んで字のごとく、その状況がそのまま語源となっている珍しい比喩表現です。
つまり、棚の下で横になっていた人の口の中に、棚から落ちてきた牡丹餅が偶然入る様子を元にしたことわざなんです。
しかし、ここで何故「牡丹餅」なのか?という疑問が湧きますよね。
その答えは、このことわざが生まれた時代背景にあります。
そもそも牡丹餅とは、うるち米ともち米を混ぜて蒸したものを丸めて、それを小豆で作った餡(あん)で包んだ食べ物のことです。
そしてこの餡には砂糖が使われるのですが、今でこそ当たり前のように口にできる砂糖も、このことわざが生まれた当時は非常に貴重なものでした。
したがって、庶民が甘いものを口にできる機会はほとんどなかったため、牡丹餅というのはいわゆる贅沢品だったのです。
そのような事情から、滅多に起こらない「幸運」の象徴として「牡丹餅」が用いられたのですね。
そういった意味では、今の私たちにとって当たり前のものが、当時の人々には非常に特別な存在であったという時代の流れを、「棚から牡丹餅」ということわざから感じられるのではないでしょうか。
ちなみに余談ですが、そんな現代人用に新たにつくられたことわざとして、「棚からゴディバのチョコレート」という表現は存在しませんので、ご注意ください(笑)
ということで、「棚から牡丹餅」の語源を把握し、その意味を完全に理解できたところで、続いてはこの表現がどういった時に使われるのか、例文を見ることで言葉の使い方をマスターさせましょう!
皆さんは、どのような例文が思いつくでしょうか?
棚から牡丹餅の例文
「棚から牡丹餅」という表現は、下記の例文のような形で使う事ができます。
- 例文1.勝てるはずのない試合で、敵チームに思わぬ退場者が出たのは「棚から牡丹餅」と言える。
- 例文2.タダ飯につられて参加した合コンで彼女をゲットできたのは、「棚から牡丹餅」だったよ。
- 例文3.北海道旅行している友達が頼んでもいない蟹を突然送ってきてくれた。まさに「棚から牡丹餅」だ。
- 例文4.他部署の社員が頑張ったお陰で会社の業績が上がったことで、「棚から牡丹餅」の臨時ボーナスが入った。
- 例文5.「棚から牡丹餅」なことに、適当に張ったヤマが大当たりして、たいして勉強してないのに試験に合格できた。
- 例文6.最近あった「棚から牡丹餅」的なエピソードとして、親戚の叔父さんに偶然会ったら小遣いがもらえた事が挙げられる。
ご覧いただければ分かるように、例文1~3は「思いがけず幸運がやってくる」という「想定外」という意味合いで、「棚から牡丹餅」を使った事例です。
一方で、例文4~6は「苦労せずに幸運をつかむ」という「たやすく」という意味合いで、「棚から牡丹餅」を用いた表現ですね。
ただ、実際の日常においてはこれほど厳密に分けずに、「ラッキーな出来事」「予想外の嬉しい出来事」という程度のニュアンスで、気軽に「棚から牡丹餅」という表現を使って問題です。
ただし、「棚から牡丹餅」を自慢しすぎると思わぬ反感を買うかもしれないので、ご注意ください(笑)
さて、例文を見たことで具体的な使い方が分かったところで、続いては実際の会話例を通して、自分自身で「棚から牡丹餅」という言葉を使うイメージを養ってみましょう!
皆さんも、下記の会話例のパンダさんになりきり、〇〇の部分に入る言葉を考えてみてくださいね。
棚から牡丹餅の会話例
ルームシェアしているのパンダさんとヒツジさんの、同居している家でのワンシーンです。
ボクは今月も生活がカツカツ…もう、今月は食費に使えるお金すらないよ~。
パンダさんは、いつもゲーム課金に浪費しすぎ!自業自得だね!
なんか食べるものないかな~…お!棚の奥から〇〇発見!
ちょっと!それは僕のだよ!
まさに「棚から牡丹餅」だ!早速、お湯沸かして食べようっと!
人の話を聞け!…ってボクら、先月も同じやり取りしてるし!
いかがでしょうか?どんな言葉が入りましたか?
この〇〇に入る言葉は、『カップ麺』などですかね(笑)
棚の奥からずっと前に買ったお菓子や缶詰が出てくると、なんか得した気になりますよね(笑)
さて、パンダさん達のやり取りを見て、「棚から牡丹餅」という表現を実際に使うイメージがついたところで、続いてはその類語を知ることで、この言葉の輪郭をより鮮明にしていきましょう!
皆さんは、どんな類語が思いつくでしょうか?
棚から牡丹餅の類語
「棚から牡丹餅」には、下記のような類語が存在します。
- 1.「勿怪の幸い」(もっけのさいわい)
元々は妖怪を指す「勿怪」という言葉を用いた、「思いがけず幸運に恵まれること」という意味の類語ですね。
【例文】外国で迷子になった時に日本人に会えたのは「勿怪の幸い」だ。 - 2.「鰯網で鯨を捕る」(いわしあみでくじらとる)
読んで字の如くの例えを用いた、「思いがけない幸運や収穫を得ること」という意味の表現です。
【例文】塩鮭を1尾買ったら鯛の干物をもらい、まさに「鰯網で鯨を捕る」だ。 - 3.「鴨が葱を背負ってくる」
鴨が葱を背負ってくることで鴨鍋の材料が揃う事を例えた、「うまいことが重なり益々好都合であること」という意味の類語で、「カモネギ」とも略されますね。
【例文】「鴨が葱を背負ってくる」が如く、計画がとんとん拍子に進む。
なお、「棚から牡丹餅」の類語には、「開いた口へ牡丹餅」「開いた口へ餅」などの表現もあります。
あるいは、日常で使う類語としては、「嬉しい誤算」「 願ってもない話」「 思わぬ収穫」などが挙げられるでしょう。
また、「棚から牡丹餅」の対義語に当てはまる言葉としては、「何もしていないのに成果を得ることはない」という意味を持つ、「虎穴に入らずんば虎児を得ず」や「蒔かぬ種は生えぬ」などが当てはまりますね。
ちなみに、その他の対義語として「棚から牡丹餅は落ちてこない」という表現はないので、ご注意ください←言われなくても分かりますね(笑)
さて、ここまできたら「棚から牡丹餅」の完全制覇までもう一歩です!
極めつけとして「棚から牡丹餅」の「英語訳」も知る事で、この表現のキャラを完璧に掴んでしまいましょう!
皆さんも、自分が知っている英語で思い付く表現がありませんか?
棚から牡丹餅の英語訳
英語で「棚から牡丹餅」を表現するとしたら、下記のような例が適切でしょう。
1.pennies from heaven
直訳すると「天から降ってきたペニー硬貨」となりますが、「棚から牡丹餅」と同じ意味を持つ英語特有の比喩表現です。ただ、「天からの恵み」という意味合いが強いです。
2.He thinks that roasted larks will fall into his mouth
「自分の口にヒバリのローストした肉が落ちて来ないかと考える」と直訳できる、「棚から牡丹餅」と同じ意味を表す英語圏のことわざです。
同じようなことわざでも、その比喩表現に文化の差が表れるのが面白いですね。
それでは最後に「まとめ」でおさらいをし、このことわざを完全にマスターしましょう!
なお、まとめの最後には、皆さんの役に立つちょっとしたオトク情報もプレゼントしてますよ♪
まとめ
いかがでしたか?「棚から牡丹餅」の意味はしっかり理解できたでしょうか?
最後に、ここまでの内容を簡単にまとめましょう。
【棚から牡丹餅】 | |
意味 | ①思いがけず幸運がやってくる |
②苦労せずに幸運をつかむ | |
由来 | 牡丹餅=贅沢品=幸運 |
感情 | ラッキー!、びっくり! |
類語 | 勿怪の幸い、開いた口に餅 |
さて、ここまでご覧いただければ分かる様に、「棚から牡丹餅」という状況は、とても嬉しい出来事です。
そういった意味では、運を味方につけて人生をスムーズに歩んでいきたいものですね。
しかし、幸運に恵まれる人とそうでない人は、いったい何が違うのでしょうか?
ということで、この記事の最後に、皆さんが簡単に運が良い人になれる一冊を紹介させていただきます!
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