虻蜂取らずの意味は?あぶはちとらずの例文や英語訳なども解説!

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虻蜂取らずの意味

比較的耳馴染みのない「虻蜂取らず」という表現ですが、その正しい意味はご存じでしょうか?

実はこのことわざ、その由来が三つもある事で意味を誤解しがちな、要注意の表現なのです。

ということで今回は、例文類語なども参考にしつつ、「虻蜂取らず」の意味を詳しく&分かりやすく解説致します!

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虻蜂取らずの意味

それでは早速、「虻蜂取らず」の意味を見ていきましょう。

 

「虻蜂取らず」の意味とは、二つのものを同時に取ろうとして両方とも得られないこと」という意味になります。

また、そこから転じて「欲を出しすぎると失敗することのたとえ」という意味でも使われますね。

これらの意味は言い換えれば、本来ひとつのものだけで満足しておけば良かったものの、必要以上に欲を出したことで、結果的に最初のものすら手にすることができない、という状況を指しているとも言えるでしょう。

 

つまり、基本的には、欲深い事への戒めを表す際に「虻蜂取らず」という表現が使えるということです。

イメージ的には、「虻蜂取らず」の字のごとく「虻と蜂の二種類の虫を同時に確保しようとしても、一方どころか両方とも捕まえることができない」という感じですね。

言い換えれば、どちらか一方に的を絞っていればまだ目的が果たせであろうに、欲にまみれたことで最低限の成果すらあげられずに終わったということです。

 

そういった意味では、「足るを知る」という言葉とは真逆な感じですね。

つまり、身分相応に満足することを知らずに、強欲になったばかりにバチが当たったようなシーンに対し「虻蜂取らず」という表現を用いることできる、ということです。

したがって、「虻蜂取らず」を使う心境としては、「やっちゃった~」「やめとけば良かった~」という落胆後悔反省という気持ちや、欲深さに対する非難軽蔑といった感情から使う事が多くなります。

 

なお、「取らず」の部分の漢字表記としては、辞書によっては「取らず」と「捕らず」のどちらも採用されているようですが、基本的には「取らず」という表記が一般的でしょう。

ちなみに、このことわざは元々は「虻も取らず蜂も取らず」という表現でしたが、時代と共に次第に省略されるようになり、今では「虻蜂取らず」という短い表現が一般的になったとう一面もあります。

 

そして、最後に簡単な豆知識ですが、「虻蜂取らず」には、「虻も取らず蜂に刺される」という派生表現もあり、こちらは「虻さえ取れずに、そのうえ蜂に刺される」という、「虻蜂取らず」より更に悲惨な状況を表す表現です。

また、上記以外にも「虻蜂取らず鷹の餌食」という表現もあり、この意味は「虻も蜂も取れず、それだけでなく鷹の餌となってしまう」というもので、「虻も取らず蜂に刺される」の更に上をいく悲劇を表していると言えるでしょう。

いずれにしろ、欲深さにより失敗するなら、せめて「虻蜂取らず」レベルで留めておきたいものですね(笑)

 

さて、ということで、ここまでで「虻蜂取らず」の意味がおおむね理解できた後は、続いてこの言葉を完全にマスターするために、その語源を見てみましょう!

冒頭でも触れた、三つも由来が生まれた原因とは、いったい何なのでしょうか?

 

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虻蜂取らずの語源

虻蜂取らずの語源

さて、「虻蜂取らず」にはどのような由来があるのでしょうか?

 

前述したように、「虻蜂取らず」の由来としては、有力な説が三つあります。

 

まず、一つ目の説として、「クモ」がこのことわざに由来しているという話が有力視されています。

これは、クモの巣に虻と蜂がひっかかり一度に両方を取ろうとしたものの、結局は両方とも逃がしてしまった姿が語源となっているとする説です。

人間は虻も蜂も食用として取ることはないため、虻と蜂をとろうとしたのはクモなのではないかと考えられたようですね。

 

続いて、二つ目の説として有力なのが、「小鳥」や「カエル」が虻と蜂を取ろうとしたという説です。

皆さんもご存じのように、小鳥やカエルは虻や蜂といった小虫をエサにするので、その点は合点がいきますね。

また、先ほど紹介した「虻蜂取らず鷹の餌食」という表現もあることから、虻と蜂を取ろうとしたのは鷹に狙われる小鳥やカエルではないかという推測がたてられます。

そういった意味で、こちらの説は鷹のくだりも納得がいくものなので、最初のクモの説よりも根拠がしっかりしている気もしますね。

 

そして、「虻蜂取らず」の由来として有力視されている最後の三つ目の説は、虻や蜂を取るのは「人間」だとする説です。

ただし、この場合は「取る」という動詞の捉え方が最初の二つとは少し違います。

クモ説や小鳥・カエル説では、「確保する」「捕食する」という意味で「取る」を使っていますが、人間説では「取る」を「打ち取る」「退治する」という意味で使っています。

つまり、人間説では、うっとおしい存在である虻や蜂を撃退する状況を指しているということです。

実際に、虻や蜂はもちろんハエや蚊などをはじめ、私達の周りには迷惑を被る虫は意外と多くいるので、そういった意味ではこの説も有力な気がしてきますね。

 

さて、ここまで三種類の有力視されている由来をご紹介しましたが、結局はどれが正しいのでしょうか?

ちなみに、江戸時代の画集や明治時代の風刺雑誌を見ると「虻蜂取らず」の挿絵には人間が描かれているので、当時は人間説が有力だったのかもしれません。

しかし、結論としては、今まで紹介した「クモ説」「小鳥・カエル説」「人間説」のうちどれが正しいかというのは、現時点では明確には分かっていないということです。

 

したがって、虻や蜂を取ろうとしたのが「誰で」「どんな目的か」は焦点ではなく、大切なのは、いかに「両者を捕獲しようとしたが双方とも逃がした」という状況がイメージしやすいかどうか、という点だと思います。

つまり、結局は「虻蜂取らず」の意味を今後も忘れないことが一番大切なのですから、各々がその意味を理解する際に最も想像しやすい由来を覚えておけばいいと思います。

要するに、虻も蜂も逃がしてがっかりしている様子が思い浮かびやすいものとして、クモ・小鳥・カエル・人間のいずれかから選んで把握しておけば大丈夫です。

そういった意味では、四種の動物の中から、あなたが一番欲深くておバカっぽいと思うもので、語源を覚えておけば問題ないということですね!(笑)

 

さて、ということで、「虻蜂取らず」の語源を把握し、その意味を完全に理解できたところで、続いてはこの表現がどういった時に使われるのか、例文を見ることで言葉の使い方をマスターさせましょう

皆さんは、どのような例文が思いつくでしょうか?

虻蜂取らずの例文

虻蜂取らずの例文

「虻蜂取らず」という表現は、下記の例文のような形で使う事ができます。

  1. 例文1.二つの資格を取ろうと思ったが、「虻蜂取らず」で結局両方とも不合格だった。
  2.  
  3. 例文2.ヨガ教室と料理教室に通い始めたが、共に中途半端でやめて「虻蜂取らず」だ。
  4.  
  5. 例文3.寿司屋にも関わらずを蕎麦も始めたが、既存客も離れ「虻蜂取らず」な状況だ。
  6.  
  7. 例文4.野球部とサッカー部の両方をかけもちなんて、「虻蜂取らず」にもほどがある。
  8.  
  9. 例文5.流行に乗るか自分の好みを貫くか、「虻蜂取らず」になる前に早く決定すべきだ。
  10.  
  11. 例文6.「虻蜂取らず」と言われるように、専門外の市場に手を出し失敗をする企業は多い。

ことわざには、ポジティブ又はネガティブのどちらか一方の意味で使うものと、どちらの意味でも使用できるものがあります。

そんな中、例文をご覧いただければ分かるように、「虻蜂取らず」という表現は基本的にネガティブな意味合いで用いられることわざです。

本来手に入るはずだった成果すら、欲を出すことで逃がしてしまうのですから、当然と言えば当然ですね。

 

なお、例文1~3のように、「虻蜂取らず」により失敗したあとで、「やっちゃった~」「やめとけば良かった~」という感じで、落胆したり後悔や反省をするシーンでこのことわざを使うケースが多いです。

またその一方で、例文4~6のように、欲深さに対する非難や軽蔑、あるいはそれに対する注意を促すシーンでも「虻蜂取らず」という表現を使うケースは多くなります。

いずれにしろ、実際の日常においては、できたら後者の注意喚起するパターンで「虻蜂取らず」を使いたいものですね(笑)

 

さて、例文を見たことで具体的な使い方が分かったところで、続いては実際の会話例を通して、自分自身で「虻蜂取らず」という言葉を使うイメージを養ってみましょう!

皆さんも、下記の会話例のパンダさんになりきり、〇〇の部分に入る言葉を考えてみてくださいね。

虻蜂取らずの会話例

仲良しのパンダさんとヒツジさんの、飲みの席でのワンシーンです。

 

聞いてよ!〇〇がばれて、パン子ちゃんにもパン美ちゃんにもフラれちゃった!

 

 

え~!予想してた最悪のケースじゃない!

 

 

ホントだよ…。まさに「虻蜂取らず」を痛感した、忘れられない出来事だよ。

 

 

まあ、今回の場合は「パン子パン美取らず」だけどね。

 

 

ヒツジさん上手い事言うね~!…って、そんなこと言ってる場合じゃない!

 

 

いかがでしょうか?どんな言葉が入りましたか?

この〇〇に入る言葉は、『二股』『浮気』ですかね(笑)

この会話例のように、不倫や浮気は「虻蜂取らず」に陥る身近な代表例と言えるでしょう(笑)

 

さて、パンダさん達のやり取りを見て、「虻蜂取らず」という表現を実際に使うイメージがついたところで、続いてはその類語を知ることで、この言葉の輪郭をより鮮明にしていきましょう

皆さんも、パッと思いつく有名な類語がありませんか?

 

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虻蜂取らずの類語

虻蜂取らずの類語

虻蜂取らず」には、下記のような類語が存在します。

  1. 1.「二兎を追うものは一兎も得ず」
    「二匹の兎を追っても一匹も捕まえられない」という比喩表現ですが、「虻蜂取らず」と同じ意味を持つ非常にポピュラーなことわざですね。
  2.  
  3. 2.「花も折らず実も取らず」
    「虻蜂取らず」と同じ意味の表現ですが、同じ植物の花と実の両方を得られない状況を例えたことわざになります。
  4.  
  5. 3.「欲の熊鷹股裂くる」(よくのくまたかまたさくる)
    意味は「虻蜂取らず」と同じですが、二頭の猪を両足でつかんだ熊鷹の股が裂ける様子のたとえから来ています。

なお、「虻蜂取らず」と同じ意味を持つ表現には、「大欲は無欲に似たり」「欲は身を失う」なども挙げられるでしょう。

むしろ、これだけ類語が多ということは、それだけ人間の欲深さが凄まじいものであると言えるかもしれません(笑)

 

また、その一方で「虻蜂取らず」の対義語に当てはまる表現には、「一つの行為から二つの利益を得ること」を意味する「一石二鳥」や「一挙両得」などが該当しますね。

ちなみに、「虻蜂取らず」と反対の意味を持つことわざに、「虻蜂取れる」という表現はないので注意しましょう(笑)

 

さて、ここまできたら「虻蜂取らず」の完全制覇まであと一歩です!

極めつけとして「虻蜂取らず」の「英語訳」も知る事で、この表現のキャラを完璧に掴んでしまいましょう!

皆さんも、自分が知っている英語で思い付く表現がありませんか?

虻蜂取らずの英語訳

英語で「虻蜂取らず」を表現するとしたら、下記のような例が適切でしょう。

1.fall between two stools
「二つの椅子の間に座ろうとして落ちる」と直訳できる、「虻蜂取らず」と同じ意味の英語表現になります。

2.If you run after two rabbits, you will catch neither.
「二兎を追うものは一兎をも得ず」を英語訳した表現になります。

ちなみに、「虻蜂取らず」と同様の意味のことわざは世界各国に存在し、アフガニスタンには「二つの水瓜は一つの手では持てぬ」、フランスには「誰にでも抱きつく者は抱きしめる力も弱い」という表現があります。

こうして比較すると、同じ表現でもそれぞれの文化が垣間見えるのが面白いですが、特にフランスの表現なんてオシャレ過ぎませんか?(笑)

 

それでは最後に「まとめ」でおさらいをし、このことわざを完全にマスターしましょう!

なお、まとめの最後には、皆さんの役に立つちょっとしたオトク情報もプレゼントしてますよ♪

まとめ

虻蜂取らずのまとめ

いかがでしたか?「虻蜂取らず」の意味はしっかり理解できたでしょうか?

最後に、ここまでの内容を簡単にまとめましょう。

【虻蜂取らず】
意味 二つ同時に取ろうとし両方を逃す
由来 クモ・小鳥・カエル・人間
感情 落胆・後悔・反省、注意・軽蔑
類語 二兎を追う者は一兎をも得ず

さて、ここまでご覧いただければ分かるように、「虻蜂取らず」な欲深い姿勢は、決して褒められるものではありません

むしろ、必要以上に欲しがらず、既に手にしているものに目を向けることが、幸せに生きるコツとも言えるでしょう。

 

ということで、この記事の最後に、皆さんが「ないものねだり」にならずに済む一冊をご紹介させていただきます!

この本を読むことで、あなたも余計な欲望から解放され、より自分らしい人生が歩めますよ!

 

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