日本にも数多くのことわざが存在しますが、実はイタリアにも昔から現地の人々に親しまれてきたことわざがたくさんあります。
その中には日本に同様のことわざが存在しないものや、むしろ現代の日本人にこそ知って欲しいものも多くあります
ということで、今回は仕事・恋愛・人間関係など幅広いシーンで使いたくなる素敵なイタリアのことわざをご紹介いたします!
なお、最後の「まとめ」では、皆さんの役に立つちょっとしたオトク情報もプレゼントしてますよ♪
目次
人間関係に関することわざ
・「一人ぼっちで食事をする者は、一人ぼっちのまま死ぬ」
Chi mangia solo crepa solo.
たとえ面倒くさい側面があるとしても、人付き合いをしっかりすることの大切さを説いていることわざですね。
・「面と向かって話しができる者は、決して裏切ることはない」
Chi parla in faccia non è traditore.
信頼できる人、つまり、何もやましいことが無い人であれば直接ひざを突き合わせて話せるはずだという意味です。
・「良い母親は100人の師に勝るとも劣らない」
Una buona mamma vale cento maestre.
子供にとっての両親からの影響の大きさを指摘し、母として賢明であることの大切さを伝えてくれています。
・「親友に巡り会うことができた者は、宝物を見つけ出した者に等しい」
Chi trova un amico trova un tesoro.
友情を大切にすることを説くことわざは世界各国に存在しますが、宝物を比喩表現に使うのがイタリアらしいと言えるでしょう。
・「悪友と付き合うくらいであれば、一人孤独で過ごした方が良い」
Meglio soli che male accompagnati.
友人とは言え付き合うべき相手を間違えれば自分の人生が悪い方向へ進んでしまうので、孤独と比較する事でそのリスクを強調していることわざと言えるでしょう。実はこれと全く同じことわざが隣国フランスにも存在します。
・「年寄りのめんどりからは、良いだしがたくさん出るものである」
Gallina vecchia fa buon brodo.
日本のことわざにも「亀の甲より年の功」という表現があるように、長生きをし人生の酸いも甘いも嚙み分け豊富な経験を積み重ねてきた年長者から学ぶ事は大切であるという意味になります。
勇気や元気をくれることわざ
・「我慢し続けた物が最後には勝つ」
Chi la dura la vince.
「石の上にも三年」「雨垂れ石を穿つ」などのように、日本にも継続や我慢の大切さを教えることわざは多くありますが、そういった姿勢を称えるのは世界共通と言えそうですね。
・「静かで緩やかな川の流れが橋を壊す」
L’acqua cheta rompe i ponti.
小さな努力の積み重ねが大きな成果・成功をもたらすという意味で使われる一方で、そこから転じて、決して油断してはいけないというニュアンスでも使われます。
・「危険を冒すことができない者は、その儲けも少なくなるものである」
Chi non risica non rosica.
日本で言う「虎穴に入らずんば虎児を得ず」と同じ意味で、リスクを伴わない成功などは存在しないという意味を持ち、勇気を出して行動しようとする人の背中を押してくれる表現と言えるでしょう。
・「嵐が過ぎ去った後には、いつも快晴が待っている」
Dopo la tempesta viene il sereno.
苦しみや困難を耐え抜いた先には必ずそれが報われるような未来が待っているという意味で使われ、将来への希望を見出すことで、現在の苦境を何とか切り抜く力を貸してくれることわざですね。
・「探す者は見つける者だ」
Chi cerca trova.
これは逆説的な意味を持つことわざで、「探さなければ見つからない」=「探せば見つかる」という意味で、努力すれば報われることを伝えようとしている表現になります。
・「笑うことは、健康的な血を作ってくれる」
Il riso fa buon sangue.
笑顔が心身への健康に良いことは近年は科学の世界でも解明されていますが、そのことを健康的な血液が全身にめぐる様子でたとえているのは面白いですね。
・「今やらずに、一体いつやるのだ?」
Se non ora quando?
一昔前に流行った某予備校教師の決め台詞である「今でしょ!」と同じニュアンスのことわざと言え、いつまでもグズグズして決断できない人に贈ってあげたくなるフレーズですね。
・「広場へ行き、人々に相談しなさい。そしてその後で家へ帰り、自分の好きなようにやりなさい。」
Vai in piazza e chiedere consiglio – vai a casa e fai come ti pare.
アドバイスは広く多く求めるべきだが、最終的な決定を下すのはいつでも自分しかいないという意味で使われます。いつでも手軽に情報が得られる現代社会に生きる我々は常に胸に刻んでおきたいことわざではないでしょうか。
恋愛や愛情に関することわざ
・「 愛は人を幸せにする」
L’amore rende felice la gente.
「アモーレ!(愛しています!)」という言葉にも象徴されているように、「愛こそすべて」的なイタリア人のらしい恋愛観が垣間見える特徴的なことわざですね。
・「人生最大の喜びは、いつの時も自分の愛する者と分かち合うべきである」
Le gioie più grandi vanno sempre divise con chi si ama.
一つ前のことわざと似ていますが、それよりもより具体的な表現をしていることわざと言え、このような愛の大切さを謳うことわざが複数あるのもイタリアらしいですね。
・「女とは災いである」
Chi dice donna dice danno.
日本にも「恋は人を盲目にする」という表現がありますが、イタリアでは女性の魅力に執りつかれる男性に対して、そこに潜む魔力や落とし穴を注意喚起するこのようなことわざがあります。
・「酒とタバコと女は、男を破滅させる」
Bacco, tabacco e Venere riducono l’uomo in cenere.
これも先ほどと同じく女性に夢中になりすぎることへの警告のことわざですが、女性問題以外のお酒やタバコといった依存性のある嗜好品も同様に注意すべきであるという意味になります。
日本語訳があることわざ
・「鍋がやかんの事を黒いと言う」
Il bue che dice cornuto all’asino.
日本のことわざで言えば、「目くそ鼻くそを笑う」や「どんぐりの背くらべ」、あるいは「五十歩百歩」などが当てはまる、低レベルなもの同士が競う醜さをたとえた表現です。
・「贈り物でもらった馬の口の中は見ない」
A caval donato non si guarda in bocca.
この表現は日本で言う「見ぬもの清し」ということわざに該当し、その物事をまだよく知らない最初の段階では、どんな事でも良く見えてしまうものであるという意味で使われます。
・「 眠りについている者は魚を捕らえることはできない」
Chi dorme non piglia pesci.
これは皆さんご存知「早起きは三文の徳」と同じ意味ですが、「早起きしない者が損をする・成果を上げられない」という逆説的な表現を用いたことわざですね。
・「美しい物それ自体が美しいのではなく、自分の好きな者が美しく見えるのである」
Non e’ bello cio’ che e’ bello,ma e’ bello cio’ che piace.
日本にある「蓼食う虫も好き好き」に該当する表現で、人の好みは様々であり非常に多岐にわたるものであるという意味で使われることわざになります。
・「それが薔薇であるなら、そのうち必ず咲くだろう」
Se son rose, fioriranno.
これのことわざは、決して焦ったりせずにじっとチャンスが来るのを待つ方が良いという意味を持ち、日本で言う「果報は寝て待て」に当てはまるイタリアことわざと言えるでしょう。
・「馬よ、とりあえず何とかして生き延びろ、そうすればそのうち草が伸びてくる」
Campa, cavallo, che l’erba cresce.
これは日本でいう「待てば海路の日和あり」に該当する表現であり、先ほどの薔薇の開花を待つ状況を例えたことわざと同様に、辛抱強く耐える状況で使えることわざですね。
・「言う事と行う事の間には、大きな海が横たわっているものだ」
Tra dire al fare, c’e in mezzo il mare.
口で言うのは簡単だが実際にそれを行動に移す大変さを指し示したことわざであり、日本においては「言うは易し、行うは難し」という表現で広く使われています。
・「狼は毛が抜けたとしても悪癖が直ったりはしないものだ」
Il lupo perde il pelo ma non il vizio.
この表現はそのものが本来持っている性質は何があろうと変わることは無いという意味になり、日本のことわざで言えば「三つ子の魂百まで」や「蛙の子は蛙」が該当するでしょう。
・「急ぐことなくゆっくりと歩みを進める者が、遠くの目的地まで無事に辿り着くことができる」
Chi va piano va sano e va lontano.
これは日本でいう「急がば回れ」と似た意味を持つことわざと言え、焦ってミスしたり急いだことで事を仕損じる愚かさを注意する表現です。
・「空っぽの袋は立たない」
Sacco vuoto non sta in piedi.
必要な中身が伴わない状況では目的が達成することはないという意味になり、いわゆる「腹が減っては戦はできぬ」がこれに該当することわざにピッタリと言えるでしょう。
・「猫がいないと鼠は踊る」
Quando il gatto manca, i topi ballano.
このことわざは、怖い人や厳しい人が留守をしている間に、ゆっくりくつろぎ思い切り羽を伸ばすことを例えており、日本のことわざにも同じニュアンスを持つもので「鬼の居ぬ間の洗濯」という表現がありますよね。
・「四月の眠りは甘い」
Aprile,dolce dormire.
春先の気候の良さにかまけてついつい眠りすぎてしまう様子を表す言葉ですが、日本における「春眠暁を覚えず」がこれと同じ意味に当てはまります。
イタリアらしさを感じることわざ
・「ローマは1日にしてならず」
Roma non fu fatta in un giorno.
日本でも非常に有名なことわざですが、その意味は、長年に渡る絶え間ない努力や小さな積み重ねをし続ける事が大きな成功をもたらすというものになります。
・「全ての道はローマへ通ず」
Tutte le strade portano a Roma.
あらゆる物事が中心に向かい集中している様子をたとえており、そこから転じて、あらゆる物事は一つの真理から生じている、あるいは、辿り着く方法が違っていてもその目的はみな同じであるということをたとえており、決して全ての道は繋がっているというニュアンスではないのでご注意ください。
・「ナポリを見てから死になさい」
Vedi Napoli, e poi muori.
ナポリという街の美しさを伝える為に、かなり極端な言い回しを使ったことわざですね。
・「良いワインが良い血をつくる」
Buon vino fa buon sangue.
ワインに含まれるポリフェノールの抗酸化作用が近年日本でも注目されましたが、そのような科学的な根拠が見つかる以前からイタリア人にとってはワインを飲むことが健康の秘訣だったのでしょう。
・「良い樽が良いワインをつくる」
Botte buona fa buon vino.
基礎や基本となる土台やすべてのベースとなる自分の器を成長させることの大切さを、ワインを使って上手に例えたイタリアらしいことわざですね。
・「酒を飲めばその人の本性が現れるものだ」
In vino veritas.
こちらもお酒を用いたことわざですが、先ほどの二つとは違い、お酒に飲まれないように注意するシーンや人間の心理を捉えたことわざになります。
・「仲間と酒を酌み交わさない者は泥棒かスパイである」
Chi non beve in compagnia o è un ladro o è una spia.
一緒に酒を飲まないような人物は悪だくみをしようとしているという意味でも使えますが、一方で酒を飲むほどの理解し合った仲であることを強調するようなシーンでも使えますね。
・「棘を持たない薔薇など存在しない」
Non c’e` rosa senza spina.
人生というのは良い事ばかりではないという意味で用いられることわざですが、そのたとえに薔薇を使うあたりにイタリアらしさを感じる表現ですね。
・「沈黙する事は同意した印である」
Chi tace acconsente.
日本にも「暗黙の了解」という言葉はありますが、積極的に自己表現をするイタリア人の気質が垣間見えることわざと言えるでしょう。
・「体が満足すれば心も満たされるものだ」
Corpo satollo anima consolata.
豊かな食文化を持ちそれをとても大切に愛しているイタリアらしいことわざですね。
人生・生き方に関することわざ
・「人から貰った馬の口は調べるな」
A caval donato non si guarda in bocca.
他人からの貰い物にはケチや愚痴を言って批判しない方が良いという、賢い処世術と言えることわざです。
・「輝くもの必ずしも金ならず」
Non è tutto oro quel che luccica.
見た目が良いもの・きらびやかさで華やかなものなど、表面的な上っ面の良さに惑わされないよう注意してくれることわざと言えるでしょう。
・「自分の手持ちカードが悪くても、決して顔には出すな」
Bisogna far buon viso a cattivo gioco.
状況の悪さや失敗を敵に知られることの危険性を説いている表現ですね。
・「汚れた衣服は自分の家で洗いなさい」
I panni sporchi si lavano in famiglia.
家族内や内輪の恥や損失は外に漏らしてはいけないという意味で用いられます。実は、先ほど紹介した「悪友と付き合うくらいなら孤独の方が良い」ということわざと同様、このことわざもフランスにも全く同じことわざがあるのも面白い一致点ですね。
・「食欲というのは、食べ始めればそのうち出てくるものだ」
L’appetito vien mangiando.
嫌な事であったとしても、何事も実際にやり始めれば案外好きになったり順調に進んだりするというニュアンスで使われることわざです。
・「悪魔は鍋だけつくって蓋はつくらない」
Il diavolo fa le pentole ma non i coperchi.
悪事をはたらけばそれはいずれ必ず露見することになるという意味になります。
・「歯の丈夫な者にはパンは与えられず、パンを与えられた者には歯がない」
Chi ha denti non ha pane e chi ha pane non ha denti.
あちらが立てばこちらが立たずと同じような意味で、この世はなかな思い通りにいかないという意味になります。
・「周囲に風をまき散らす者は、嵐を掴むことになる」
Chi semina vento raccoglie tempesta.
他人の陰口を言いふらしたり他者迷惑な悪事をはたらけば、それ以上の仕返しを受けるという意味を持ちます。
格言・名言としてのことわざ
・「時は何もかも消し去る」
Il tempo tutto cancella.
何事も時間が洗い流してくれるという意味で使う事が出来ます。
・「心までは命令できない」
Al cuore non si comanda.
精神的な自由というのは本来誰にも束縛されるものではないという意味になります。
・「わたしはわたしで、あなたはあなた」
Vivi e lascia vivere.
自分の思うままに生きなさい、そして他人の生き方には口を出さないようにしなさいという意味合いで使う事ができることわざになります。
・「狭いながらも楽しい我が家」
Casa mia,casa mia,per piccina che tu sia, tu mi sembri una badia.
たとえ金銭的に恵まれていなくても家族で仲良く過ごす時間にこそ幸せが眠っているということですね。
・「心が満たされている者は富裕者にも勝る」
Chi si contenta gode.
経済的な豊かさよりも精神的な豊かさの方が大切であるということを教えてくれることわざですね。
まとめ
さて、ここまで63個にもわたる数多くのイタリアのことわざを紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか?
もし、この記事でご紹介した中で一つでも共感したことわざがあれば、是非今後もその言葉を胸により良い人生を歩んでいただければと思います!
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