異口同音の意味とは?例文と類語、語源や英語訳なども詳しく解説!

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異口同音の意味

比較的よく耳にする「異口同音」という表現ですが、その正しい意味はご存じでしょうか?

実はこの四字熟語、意味が二通りあるのですが、その事実を知らないために普段の生活で誤用してしまっている人が多い、要注意の表現なのです。

ということで今回は、例文や類語なども参考に、詳しく&分かりやすく「異口同音」の意味を解説致します!

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異口同音の意味

それでは早速、「異口同音(いくどうおん)」の意味を見ていきましょう。

 

「異口同音」の意味とは、「多くの人々が全員口を揃えて同じことを言うこと」という意味になります。

これは別の言葉で言えば、「大勢の人間が同じ言葉を発していること」とも言い換えられますね。

 

そして、冒頭でも触れたように、「異口同音」はこの元々の意味から派生して、実際の日常会話においては、二つの意味合いで使われるので、それぞれの意味を整理してみましょう。

 

まず、「異口同音」の一つ目の意味合いは、文字通り「その場にいる全員が同じ言葉を発している」という意味です。

 

これは具体例で言えば、たとえば英語の授業で生徒全員で同じフレーズの発声練習をしているときや、法事などで参列者全員で経文を声に出して読みあげているような状況が当てはまります。

要するに、ある一定数以上の人数が集まる会合やイベントなどで、その参加者が一斉に同じ言葉を述べている状況を指して「異口同音」と表現するということですね。

 

さて、続いて、「異口同音」の持つ二つ目の意味合いも見てみましょう。

 

「異口同音」の持つ二つ目の意味合いとは、「全員の意見が一致すること」というものです。

 

これを言い換えると、「一つの見解を全員が支持している」とも言えますね。

 

つまり、人々の意見が分かれることなく、すべての人の同意が得られているような状況を指し「異口同音」と表現できるということです。

 

さて、こうして二つの意味を整理すると、両者の違いは「実際に声に出しているか否か」というところにありそうですね。

 

一つ目の「その場の全員が同じ言葉を発する」という意味は実際に物理的に声に出していますが、二つ目の「全員の意見が一致すること」という意味はあくまで全員が同じ意見なだけで、必ずしも実際に声を出しているとは限りません

 

むしろ、実際の日常会話において「異口同音」を二つ目の意味合いで使う状況としては、大勢が同じ意見を一斉に声に出し合唱しているようなシーンを指して使うことはあまりありません。

 

具体的なイメージで言えば、たとえば世間一般の声が一致しているような状況や、自分の周りの人間がみな同じ意見を主張してくるような状況を思い描いていただければと思います。

 

つまり、その意見を支持する人々が必ずしも物理的に同じ場にいるわけではないという事ですね。

 

なお、このような違いがある二つの意味を持っている「異口同音」という四字熟語ですが、実際の会話で使う際にはもう一つの大切なポイントがあります。

 

そのポイントとは、実際の日常会話においては、一つ目の「その場にいる全員が同じ言葉を発している」という意味よりも、二つ目の「全員の意見が一致している」という意味で使われることが圧倒的に多いということです。

 

つまり、普段のコミュニケーションにおいて「異口同音」を使う目的としては、「多くの人に支持されている」ということをアピールしたい時や、「大勢の同意が得られている」ということを強調する目的で使われることが多くなります。

 

したがって、具体的な状況としては、自分の意見の正しさを主張する状況だったり、相手を説得するような時に「異口同音」という表現を用いることができると言えるでしょう。

 

なお、「異口同音」という言葉が実際にどのようなシーンにおいてどういった言い回しで使えるのかは、具体的なの例文を見ることで理解できるので、後程ご紹介させていただきますね。

 

ちなみに、「異口同音」の「異口」とは「様々な人の口」を意味し、「同音」は「同じ声」または「同じ台詞」という意味を持つので、このようにそれぞれの漢字の組み合わせの意味を理解することでも、この表現の持つ意味への理解が深まりますよ。

 

また、「異口同音」は「いこうどうおん」と読むこともあるので、この事も頭の片隅に入れておくと良いと思います。

 

さて、ということで、ここまでで「異口同音」の意味がおおむね理解できた後は、この言葉の意味を完全にマスターするために、続いてその語源を見てみましょう!

むしろ、「異口同音」という四字熟語は、語源を把握することで意味の理解が進むタイプの表現でもあるんです。

異口同音の語源

異口同音の語源

さて、「異口同音」という四字熟語にはどのような由来があるのでしょうか?

 

結論から言うと、「異口同音」の語源には二つの有力な説が存在しています

 

まず、一つ目の語源説ですが、それは「異口同音」の由来が仏教の経典の一つである『弥勒大成仏経(みろくだいじょうぶつきょう)』という書物の中にあるという説です。

 

この経典の中では、釈迦が唱えた説法に感動した多くの人々が、口を揃えてに誉め称える様子や、あるいは、お堂に集まった仏教徒の人々がみな一斉に念仏を唱える様子を指して「異口同音」と表現しています。

また、そのような記述がある一方で、人間に限らず全ての生物が釈迦の説法をありがたがることを「異口同音」という言葉で表現しているという解説もありますね。

 

ただ、いずれにしろ、仏教が広く普及している日本に生きる私たちにとっては、比較的すんなりと納得がいく由来と言えるのではないでしょうか。

 

さて、続いて「異口同音」の語源として有力と言われる二つ目の説を見てみましょう。

 

「異口同音」の語源説の二つ目は、中国の古代書物である『抱朴子(ほうぼくし)』に由来しているという説です。

 

この『抱朴子』は神仙術に関する書物であり、後世の道教にも強い影響を及ぼしたとされる歴史書なのですが、この中に「異口同音」とほぼ同じ意味の「異口同声(いくどうせい)」という語句の記述が存在します。

 

そして、そこから少し時が経ってから生まれた中国の宋時代の歴史書である『宋書』には、はっきりと「異口同音」という四字熟語が使われているのが確認できるのです。

 

したがって、こちらの説を辿るとそのスタート地点は四世紀頃ということになり、非常に古い時代から「異口同音」の由来となる表現が受け継がれてきたということが言えるでしょう。

 

つまり、このように「異口同音」の語源は、仏教の「弥勒大成仏経」説と、中国の古代書物「抱朴子」説のどちらかということになります。

 

とはいえ、そもそもの話ですが、言葉の由来を知る上で一番大切なことは、その語源を把握し「異口同音」の意味をよりしっかりと理解する事にあるので、両者のどちらの語源説が正しいのかはここでは結論付けることはしません。

 

ただ、日本人である私たちにとっては、実際に釈迦の弟子たちが彼の説法を褒める様子や、大勢のお坊さんたちが経文を唱えている様子がイメージしやすいという意味では、こちらの説の方が「異口同音」の意味の理解には役立ってくれそうですね

 

さて、ということで、語源を把握し「異口同音」の意味が完璧に理解できたところで、続いてはこの表現がどういった時に使われるのか、例文を見ることで言葉の使い方をマスターさせましょう

皆さんは、どのような例文が思いつきますか?

異口同音の例文

異口同音の例文

「異口同音」という表現は、下記例文のような形で使う事ができます。

  1. 例文1.彼がクラスの学級委員になるという意見に皆が「異口同音」に賛成した。
  2.  
  3. 例文2.自分以外の家族が「異口同音」に反対している引越しについて頭を悩ませている。
  4.  
  5. 例文3.最近話題の作家が書いた本を友達が「異口同音」に勧めてくるので読んでみよう。
  6.  
  7. 例文4.会議では同じ意見しか出てこないという状態で、これこそまさに「異口同音」だ。
  8.  
  9. 例文5.試合に勝つ為に全員が同じ気持ちを口にした部員たちの姿は「異口同音」と言える。
  10.  
  11. 例文6.教壇の先生の指示に従い他の受講生と一緒に「異口同音」にその英文を読み上げた。

このように、「異口同音」という表現は、実際の会話では主に『「異口同音」に~』という形で用いられることが多くなっています。

 

また、ご覧いただいて分かるように例文1~5は「意見が一致する」という意味で使われ、例文6のみ「同じ言葉を発する」という意味で使われていますね。

 

なお、「全員が同じ意見を言う」ということ自体を、ポジティブに捉えることもできればネガティブに捉えることができるという点も、大切なポイントと言えるでしょう。

 

さて、ということで、例文を見て具体的な使い方が分かったところで、続いては実際の会話例を通して、自分自身で「異口同音」という言葉を使うイメージを養ってみましょう!

皆さんも、下記の会話例のパンダさんになりきり、〇〇の部分に入る言葉を考えてみてくださいね。

 

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異口同音の会話例

幼馴染みのパンダさんとヒツジさんが、喫茶店でお茶しているシーンです。

 

 

実は明日、全財産をはたいて買えるだけの〇〇を買おうと思うんだ。

 

 

ええ!それは流石にリスクが高すぎる賭けでしょ!

 

 

仕事をクビになったボクが、借金を返すにはこれしか方法がないんだ!でも、家族も友達も皆が「異口同音」に反対するんだよ!

 

 

そりゃそうでしょ!一回冷静になって考え直しなよ!

 

 

いかがでしょうか?〇〇にはどんな言葉が入りましたか?

この〇〇に入る言葉は、『宝くじ』や『馬券』などですかね(笑)

このパンダさんのように、人は追い詰められると冷静な判断ができなくなるものですよね(笑)

 

さて、ということで、パンダさん達のやり取りを見て「異口同音」という表現を実際に使うイメージがついた(?)ところで、続いてはその類語を知ることで、この言葉の輪郭をより鮮明にしていきましょう

皆さんも、パッと思いつく類語がありませんか?

異口同音の類語

異口同音の類語

「異口同音」には、下記のような類語が存在します。

  1. 1.「満場一致」
    集団において反論者を出さず意見をまとめること
  2.  
  3. 2.「異口同声」(いくどうせい)
    全員が同じことを言うこと、 皆の意見が一致すること
  4.  
  5. 3.「異口同辞」(いくどうじ)
    大勢の意見が一致すること
  6.  
  7. 4.「衆議一決」(しゅうぎいっけつ)
    相談・議論により多くの人々の意見が一致すること
  8.  
  9. 5.「衆口一致」(しゅうこういっち)
    大勢の人々の評判・意見などがピッタリ合致すること

なお、「異口同音」の対義語に当てはまる表現としては、「賛成と反対の両方の意見があること」という意味の「賛否両論」や、「様々な意見が入り乱れまとまらないこと」という意味を持つ「諸説紛々(しょせつふんぷん)」などが挙げられるでしょう。

 

ちなみに、「異口同音」の対義語の四字熟語として、「異口異音」という表現はないので、ご注意くださいね(笑)

 

さて、ここまで来たら「異口同音」の完全制覇まであと一歩です!

極めつけとして「異口同音」の「英語訳」も知る事で、この表現のキャラを完璧に掴んでしまいましょう!

皆さんも、自分が知っている英語で思い付く表現がありませんか?

異口同音の英語訳

英語で「異口同音」を表現するとしたら、下記のような例が適切でしょう。

1.with one voice
「異口同音に」「満場一致で」という意味を持つ英語イディオムですね。

2. in chorus
「声をそろえて」という意味の英語表現になります。

いずれの表現も難しい単語は使われていませんが、普段あまり英語に触れる機会がない方には少し馴染みのない表現だったかもしれませんね。

 

それでは最後に「まとめ」でおさらいをし、この四字熟語を完全にマスターしましょう!

 

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まとめ

異口同音のまとめ

いかがでしたか?「異口同音」の意味はしっかり理解できたでしょうか?

最後に、ここまでの内容を簡単にまとめましょう。

異口同音】
意味 全員が同じことを言うこと
由来 弥勒大成仏経 or 抱朴子
類語 満場一致、異口同声
対義語 賛否両論、諸説紛々
英語訳 with one voice

さて、ここまでご覧いただいた通り、「異口同音」とは全員の意見が一致しているときなどで使える言葉でしたね。

確かに、会議や相談などで意見をまとめることの大変さは、皆さんもどこかで経験したことがあるのではないでしょうか?

ましてや、働き方や労働への価値観が多様化する現代においては、仕事でもプライベートでも会議を効率的に行うスキルは今まで以上に大切になると言えそうですね。

 

ということで、この記事の最後に、皆さんが様々な会議や話し合いの生産性が上げられるようになる一冊をご紹介させて頂きます!

この本を読むことで、あなたもきっと、どんな会合でも心から満足がいく話し合いができるようになりますよ!

 

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