自己PRの場面などでもよく用いられる「縁の下の力持ち」という表現ですが、その正しい意味はご存じでしょうか?
実はこのことわざ、正確な意味は知っていても、使う状況を間違えている方も意外と多い、要注意の言葉なんです。
また、「縁の下の力持ち」と言われる人の特徴や、それに当てはまる職種を知る事で、更にこの言葉の意味を深堀りする事に繋がります。
ということで今回は、例文・類語なども参考にしつつ、「縁の下の力持ち」の意味を詳しく&分かりやすく解説致します!
目次
縁の下の力持ちの意味
それでは早速、「縁の下の力持ち」の意味を見ていきましょう。
「縁の下の力持ち」の意味とは、「他人のために陰で苦労や努力をすること・人」という意味になります。
これは言い換えれば、表だって活躍するのではなく、見えないところで支えてくれること・人とも言えます。
イメージ的には、舞台上で華々しく注目を浴びるような立場ではなく、裏方として表舞台に立つ人のことをサポートしている感じでしょうか。
そういった意味では、「縁の下の力持ち」とは、読んで字のごとく「縁側」という舞台を下から支えている柱のような存在とも言えるでしょう。
要するに、目立つことも意識されることもほとんどなければ、ましてや誰かから感謝されることすらないような役割という意味では、非常に健気なタイプという事ですね(笑)
もっとも、「縁の下の力持ち」はそのような陰の存在でありながら、その存在なしには全体の成功や目標達成はできません。
そういった意味では決して自己卑下するようなものではなく、むしろ一つの長所として自信を持って誇ることの出来る能力でしょう。
したがって、「縁の下の力持ち」という表現は、その様な陰の立役者に対する賞賛の言葉として使われます。
分かりやすく評価されたり、先頭に立って目立つことで満足感を得るのは簡単ですが、陰ながら地道に努力し続けることは非常に根気がいることなので、そのような姿勢を褒めたたえる言葉なのです。
なので、間違っても、相手を見下したりへりくだる目的では使わないようにしましょうね。
さて、ということで、ここまでで「縁の下の力持ち」の意味がおおむね理解できた後は、「縁の下の力持ち」に該当する具体的な職種や役割を知る事で、この言葉を更に深掘りしてみましょう!
皆さんも、身の回りで思いつく仕事や役割がありますよね?
縁の下の力持ちの具体例
ここまで説明した通り、「縁の下の力持ち」は「表に立ち活躍している人」や「活躍が明らかに目立つ存在である人」には使いません。
では、具体的にはどのような役割や職種が、「縁の下の力持ち」に該当するのでしょうか?
最も典型的な例で言えば、歌舞伎や演劇の世界で、俳優の演技や舞台進行の介添えをする黒い衣装を纏った「黒子」と呼ばれる人々が挙げられます。
皆さんもテレビなどで一度は見たことがあると思いますが、黒子役は役名すらない隠れた存在ですが、彼らがいて初めて舞台がスムーズに進行するので、影の立役者である「縁の下の力持ち」の代表格と言えるでしょう。
また、学生時代のケースで考えれば部活動のマネージャーなども「縁の下の力持ち」と呼ばれることが多いですね。
グラウンドやコートやステージ上でプレーする選手を陰で支えるサポート役は、まさに「縁の下の力持ち」ですね。
あるいは、バンドやアーティストのライブで例を挙げれば、照明や音響や舞台美術など、スポットライトは当たらないもののステージ作りを支えているスタッフも「縁の下の力持ち」と言えます。
また、一般的な会社において「縁の下の力持ち」に当てはまる職種としては、接客や営業職などではなく、経理・総務・人事・広報といった事務系の仕事や、秘書・コールセンターなどが該当するでしょう。
ここまでご覧いただければ分かるように、「縁の下の力持ち」に共通する立場は、リーダーシップを発揮してグイグイ仕切るのではなく、「陰の功労者」「名脇役」となりサポート役として組織やチームを支える存在と言えるでしょう。
そういった意味では、「縁の下の力持ち」と言われるのは、日に焼けたマッチョな人ではなく、細身で色白の人が多いのかもしれませんね(笑)
さて、ということで、ここまでで「縁の下の力持ち」と呼ばれる人のイメージができた後は、この言葉を完全にマスターするために、続いてその語源を見てみましょう!
むしろこの表現は、その語源を把握することで意味の理解がより一層進み、結果として記憶の定着にも非常に役に立つという側面もある言葉です。
縁の下の力持ちの語源
さて、「縁の下の力持ち」ということわざには、どのような由来があるのでしょうか?
結論から言うと、「縁の下の力持ち」という表現は、日本古来のとある「舞」に由来があると言われています。
その舞とは、大阪の四天王寺において経供養の際に披露された「椽(えん)の下の舞」のことになります。
実はこの「椽の下の舞」は、昭和40年代になるまではずっと非公開で行われてきた秘事でした。
したがって、演者は観客が一切見ていないにも関わらず、無観客の中でこの舞を踊り、練習し続けたのです。
そして、この演者の姿を比喩表現として、誰も見ていないところで影ながら努力をする姿が「縁の下の力持ち」の由来になりました。
また「椽の下」の「椽」は、訓読みで「たるき」と読みます。
この「たるき」とは、屋根や重い瓦を支える重要な部材である「垂木」のことであり、そのような背景も「陰ながら支える」というニュアンスの元になっています。
したがって、時代の変化と共に「椽」が「縁」という漢字に変化し現代ではそれが一般化していますが、決して元々の由来は「縁側」ではなかったことは覚えておきましょうね。
さて、ということで、語源を把握しことわざの意味が完全にマスターできた後は、それに当てはまる人物の具体的なイメージを養うため、「縁の下の力持ち」と言われる人の特徴も見てみましょう!
あなた自身と、あるいは周りにいる人を想像しながら照らし合わせてみてくださいね。
縁の下の力持ちの特徴
1.献身的である
人が面倒くさがったりわざわざ苦労してまでやらないことを、「縁の下の力持ち」な人は率先してやることができます。
しかも、それにより、誰かが救われたりその人の助けになれば、自分がやった事実を知られなくてもいいとすら考えることもありますね。
2.肩書に無頓着
根っからの「縁の下の力持ち」な人は、自分の立場や肩書などを気にしません。
昇進欲や承認欲求もほとんどないため、基本的に目立つことを嫌い、組織内で大きな影響力を持つことに興味がわかない傾向があります。
3.人知れず達成感を感じ満足できる
「縁の下の力持ち」に当てはまる人は、自分のやりたい事ができればそれで良いと考えています。
したがって、他者から褒められたりしなくても行動すること自体が満足に繋がるので、必要以上に数字や名声を求めることはありません。
4.嫉妬心がない
他者との競争や勝負ではなく、自分の世界を突き詰めることに意義を感じるので、嫉妬心とは縁がない傾向があります。
「自分は自分、他者は他者」という感覚が強いので、基本的にひとり飄々と涼しい顔をしていることも多いですね。
5.視野が広い
フォーロー役やサポート役が得意なので、必然的に広い視野で物事を見ることができます。
俯瞰的な視点で状況を把握できるので、細かいミスや小さな変化、あるいは思わぬ盲点などに対して人よりも敏感に察知できる特徴があります。
6.独自の強い信念がある
「縁の下の力持ち」だからといって、大人しくて控え目で意思が弱いとは限りません。
むしろ、周りには示さない独自の強い信念を持っていることも多く、表には出しませんが心の中では「内なる情熱」とも言える炎が静かに燃え上っています。
いかがでしょうか?「縁の下の力持ち」の特徴はなんとなく分かりましたか?
もっとも、この項目すべてに該当しない「縁の下の力持ち」もいるので、あくまでも一つの指標として参考にしていただければと思います。
さて、ということで、「縁の下の力持ち」の特徴を把握し、具体的に人物像がイメージができたところで、続いてはこの表現がどういった時に使われるのか、例文を見ることで言葉の使い方をマスターさせましょう!
皆さんは、どのような例文が思いつくでしょうか?
縁の下の力持ちの例文
「縁の下の力持ち」という表現は、下記の例文のような形で使う事ができます。
- 例文1.彼が仕事を頑張れるのは「縁の下の力持ち」の奥さんがいるからだそうだ。
- 例文2.先輩社員が「縁の下の力持ち」なので、新入社員はのびのびと働くことができる。
- 例文3.私の長所は「縁の下の力持ち」として、陰ながら組織の調和を生み出せる所です。
- 例文4.私は人目につかない所でも他人の為に働ける「縁の下の力持ち」タイプの人間です。
- 例文5.目立つことが大の苦手なので「縁の下の力持ち」をやっている方が性に合っている。
- 例文6.僕がライブができるのは、それを支える「縁の下の力持ち」のスタッフがいてこそだ。
ことわざには、ポジティブ・ネガティブどちらかのみの意味合いで使えるものと、両方の意味で使えるものがあります。
そんな中、例文をご覧いただければ分かるように、「縁の下の力持ち」という表現は、基本的にポジティブなニュアンスで使われることわざです。
人が進んでやらなかったり見えない苦労を伴うことができることを指すので、当然と言えば当然ですね。
したがって、場合によっては、人から注目される中心人物より、縁の下の力持ちの方がモテることもあります(笑)
ということで、例文を見て具体的な使い方が分かったところで、続いては実際の会話例を通して、自分自身で「縁の下の力持ち」という言葉を使うイメージを養ってみましょう!
皆さんも、下記の会話例のパンダさんになりきり、〇〇の部分に入る言葉を考えてみてくださいね。
縁の下の力持ちの会話例
大学四年生のパンダさんとヒツジさんが、飲み屋で話をしています。
パンダさん、結局どこに就職する事にしたの?
実は、〇〇の飼育係の仕事に就くことにしたんだ。
ってことは、主役である動物をお世話する「縁の下の力持ち」的な仕事じゃない。キミがやりたい事と違くない?
そうなんだよ!本当は飼育される側として、みんなからチヤホヤされたかったのに~!
いかがでしょうか?どんな言葉が入りましたか?
この〇〇に入る言葉は、『旭山動物園』『東武動物公園』『天王寺動物園』などですかね(笑)
新卒でも転職でも、就活ってなかなか希望通りにはいかないものですよね(笑)
さて、パンダさん達のやり取りを見て、「縁の下の力持ち」という表現を実際に使うイメージがついたところで、続いてはその類語を知ることで、この言葉の輪郭をより鮮明にしていきましょう!
皆さんも、パッと思いつく類語がありますよね?
縁の下の力持ちの類語
「縁の下の力持ち」には、下記のような類語が存在します。
- 1.「簀の子の下の舞」(すのこのしたのまい)
「他人のために陰で努力する」という意味の「縁の下の力持ち」と同義語の表現ですね。 - 2.「闇の独り舞い」(やみのひとりまい)
「目立たない所で独りで力を尽くす」という意味を持つ類語ですね。 - 3.「内助の功」(ないじょのこう)
「陰で献身的に支え夫を出世させる妻」という意味の類語になります。
なお、上記以外の「縁の下の力持ち」の類語としては、「陰の松の奉公」や「縁の下の舞」などもあります。
また、「水鳥の足掻き(みずどりのあがき)」という表現も類語に当てはまりますが、「自身の努力を外に漏らさず平然としている」という意味なので、どちらかと言うと自己アピールではなく他者を褒める際に使える言葉と言えるでしょう。
ちなみに、一番うらやましいのは、状況に応じて「花形」にも「黒子」にもなれる人ですよね(笑)
さて、ここまできたら「縁の下の力持ち」の完全制覇まであと一歩です!
極めつけとして「縁の下の力持ち」の「英語訳」も知る事で、この表現のキャラを完璧に掴んでしまいましょう!
皆さんも、自分が知っている英語で思い付く表現がありませんか?
縁の下の力持ちの英語訳
英語で「縁の下の力持ち」を表現するとしたら、下記のような例が適切でしょう。
1.unsung hero
「称賛とは無縁のヒーロー」と訳せる、英語版の「縁の下の力持ち」の表現です。2.back seat player
「後部席でプレイする選手」と直訳できる、「縁の下の力持ち」の英語表現ですね。3.thankless job
直訳すると「感謝されない仕事」となりますが、いわゆる「黒子」を意味しています。
同じような言葉でも、その比喩表現に文化の違いが表れるのは面白いですね。
それでは最後に「まとめ」でおさらいをし、このことわざを完全にマスターしましょう!
なお、まとめの最後には、皆さんの役に立つちょっとしたオトク情報もプレゼントしてますよ♪
まとめ
いかがでしたか?「縁の下の力持ち」の意味はしっかり理解できたでしょうか?
最後に、ここまでの内容を簡単にまとめましょう。
【縁の下の力持ち】 | |
意味 | 他者のことを陰から支える |
語源 | 四天王寺の「椽の下の舞」 |
感情 | 賞賛、感心 |
類語 | 簀の子の下の舞、影の功労者 |
さて、ここまでご覧いただければ分かるように、「縁の下の力持ち」は、長所として活かしていきたい特徴です。
ましてや、「21世紀型の新しいリーダーシップ」とは、トップダウンで指示するのではなく、調和性を発揮して全体をまとめる能力だとも言われています。
ということで、この記事の最後に、皆さんがこれからの時代に適したリーダー像が分かる一冊をご紹介致します!
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