日常生会話ではあまり使われにくい「一日千秋」という表現ですが、その正しい意味はご存じでしょうか?
更に、四季の中で何故「秋」が使われているかは、知っていますか?
その理由には、思わず「なるほどね~」と唸ってしまうような背景があるので、例文や類語も一緒に、この四字熟語を楽しみながら理解できるよう、ご紹介致します!
一日千秋の意味
それでは早速、「一日千秋(いちじつせんしゅう)」の意味から見ていきましょう。
「一日千秋」の意味とは、「時間がすぎるのが非常に長く感じられ、待ち遠しく思うこと」という意味になります。
これは言い換えれば、「待ち遠しいことがあり、時間の進みが遅く感じられること」とも言えますね。
つまり、誰かしら会いたい人物や、楽しみにしている出来事が待っているため、一刻も早くその日が来ないものかと、強く望み待ちわびている状況で用いられる四字熟語です。
皆さんも恐らく、子供のころの遠足が待ち遠しかったり、クリスマスや誕生日が早く来ないかと願ったりと、誰しもが似たような経験をしたことはあると思います。
大人になってからも、週末の休みや大型連休を待ちきれなかったり、給料日が早く来ないか待ち望む時などは、まさに「一日千秋」がピッタリのシーンと言えるでしょう。
さて、ということで、ここまでで「一日千秋」の意味がおおむね理解できた後は、続いてはこの言葉を完全にマスターするために、その語源を見てみましょう!
一日千秋の由来
「一日千秋」の由来は古く、中国最古の詩編『詩経』に、その語源があると言われています。
その『詩経』の中で、「一日三秋」という言葉が登場するのですが、この「三」が「千」に変わって、「一日千秋」という四字熟語が生まれました。
さて、ここでふたつの疑問を感じませんか?
まず一つ目の疑問ですが、そもそもなぜ「三秋」なのか?という点です。
この点に関しては、実は中国の旧暦においては、秋の期間が三カ月と定められていたことが関係しているのです。
つまり、「一日会わないだけで、三か月も会っていないかのように感じる」という意味で「一日三秋」が最初は使われていたからなんです。
ちなみに、同様の表現で「たったの一日にも関わらず、秋が三回も訪れたように長く思える」という意味合いでも使われていたという説もあります。
いずれにしろ、『三』という数字を目安に、あまりにも長い時が経過したことを表現しているんですね。
そして、その「三秋」が今のように「千秋」に変化した理由も気になるところです。
この理由は諸説あるようですが、一般的な由来としては「三秋」よりも「千秋」の方がより長い様子が伝わりやすいという事や、口伝いで伝わっていく過程で「さん」が「せん」に変わっていった為と言われています。
さて、続いて二つ目の疑問ですが、時間の経過の表現として、四季の中で何故「秋」を使っているのでしょうか?
実はこの理由は非常にシンプルで、古代の中国では「秋を基準に一年が数えられていた」からです。
実際、中国では秋以外の九か月を、秋が三つ分で「三秋」と表していたり、秋が来ることで年の流れを感じていました。
そもそも秋というのは、農耕民であった中国人からすると一年の集大成とも言える実りの季節であり、収穫の時期が待ち遠しかった時期でもあります。
そのような背景から、秋が一年の基準になり、「一日千秋」の表現にも待ち遠しい「秋」という季節を使ったのですね。
ちなみに、暑がりで汗っかきの方にとっても、秋は一年で最もその到来を待ちわびる季節ですね(笑)
さて、ということで、語源を把握し「一日千秋」の意味が完璧に理解できたところで、続いてはこの表現がどういった時に使われるのか、例文を見ることで言葉の使い方をマスターさせましょう!
ここまでの説明を聞いた皆さんは、どのような例文が思いつきますか?
一日千秋の例文
- 例文1.「一日千秋」の思いで、彼の帰りを待っていた頃が懐かしいよ。
- 例文2.これぞまさに「一日千秋」。早く彼女に会いたくてたまらない。
- 例文3.やっと帰国できる日がきた。この日まで「一日千秋」の思いで過ごしていた。
- 例文4.世界一周旅行の出発の日までは、それこそ「一日千秋」である。
- 例文5. 大切な試験を明日に控え、期待と不安を胸に「一日千秋」の思いで眠れない。
このように、『「一日千秋」の思いで…』という表現をすることが非常に多いですね。
さて、ということで、例文を見て具体的な使い方が分かったところで、続いては実際の会話例を通して、自分自身で「一日千秋」という言葉を使うイメージを養ってみましょう!
皆さんも、下記の会話例のパンダさんになりきり、〇〇の部分に入る言葉を考えてみてくださいね。
一日千秋の会話例
仲良しのパンダさんとヒツジさんが、喫茶店でおしゃべりしています。
『PND48』のライブ当日が早く来ないか、待ち遠しいくてしょうがないよ。
まさに「一日千秋」の思いだね。ってあれ?君ってそんなことに興味あったんだっけ?
ヒツジ氏には言ってなかったなりか。拙者、今では『PND48』のライブには、仕事休んででも必ず足を運ぶでござるよ。
言葉遣いまで変わって、パンダさんが完全な〇〇と化している!
いかがでしょうか?どんな言葉が入りましたか?
この〇〇に入る言葉は、『ヲタク』『ドルオタ』などですかね(笑)
さて、ということで、パンダさん達のやり取りを見て「一日千秋」という表現を実際に使うイメージがついたところで、続いてはその類語を知ることで、この言葉の輪郭をより鮮明にしていきましょう!
皆さんも、パッと思いつく類語がありませんか?
一日千秋の類語
- 1.「一刻千秋」(いっこくせんしゅう)
- 似たような四字熟語ですが、少しの時間が千年に感じる程に待ち遠しい事を意味します。
- 2.「三秋之思」(さんしゅうのおもい)
- 一日会わないだけで、何年も会っていないかのような思いだ、という意味になります。
- 3.「十年一日」(じゅうねんいちじつ)
- 長い間経っているにも関わらず何も変わっていないことを意味しますが、必ずしも待ち遠しいニュアンスは含みません。
このように、長い時間を感じる表現は多く存在しますが、それだけ何かを待ちわびる気持ちは人にとって共通に耐えがたいものなのでしょう。
さて、ここまで来たら「一日千秋」の完全制覇まであと一歩です!
極めつけとして「一日千秋」の「英語訳」も知る事で、この表現のキャラを完璧に掴んでしまいましょう!
皆さんも、自分が知っている英語で思い付く表現がありませんか?
一日千秋の英語訳
「一日千秋」を英語で表現するならば、下記のような例が適切でしょう。
・wait impatiently
「待ち遠しい」や「待ちわびる」を意味する熟語で、「wait」は「待つ」を、「impatiently」は「我慢できずに」「しきりに望んで」を、それぞれ意味しています。
さて、それでは最後に「まとめ」でおさらいをしましょう!
なお、まとめの最後には、ちょっとしたオトクなおまけ情報もありますよ♪
まとめ
いかがでしたか?「一日千秋」の意味はしっかり理解できたでしょうか?
「一日千秋」という表現は「長い間待ちわびる」ことを憂いているような状況で使う言葉でした。
なお、待ちわびるときほど時間が過ぎるのが遅く感じるのは、その楽しみが実現した際の喜びを最大限に味わえるようにするために、神様が仕組んでくれたプレゼントなのかもしれませんね。
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