多くの方が一度は耳にした事がある「いたちごっこ」という表現ですが、その正しい意味はご存じでしょうか?
実はこの慣用句は、その意味を誤解していたり、使う場面を間違えている方も意外と多いんです。
ということで今回は、例文や類語も参考にしつつ、楽しみながら「いたちごっこ」の意味を理解できるようにご紹介致します!
いたちごっこの意味
それでは早速、「いたちごっこ」の意味から見ていきましょう。
「いたちごっこ」の意味とは、「いつまでも延々と堂々巡りをすること」という意味になります。
これをもう少し別の言葉で言えば、「同じ事をいつまでもくりかえすこと」とも言い換えられますね。
つまり、「決着がつかない」「きりがない」「埒(らち)があかない」といった状況を指し、「いたちごっこ」という表現を使えるということです。
身近な例でいえば、たとえば警察と犯罪者はいつも「いたちごっこ」を繰り返していますよね。
数年前から話題になっている「オレオレ詐欺」という詐欺手段がありますよね?
主に高齢者のお宅に電話し、その人の息子になりすまして「俺!俺!」と名乗り、お金を振り込ませるという犯罪です。
あの詐欺も、最初単純な手法でしたが、警察の取り締まりが強化されるにつれ、そのテクニックはどんどん巧妙なものになっていきました。
そしてそれを受けて、警察もまた新たな対処法を考えるというように、この攻防には今でも終わりが見えません。
このように、同じ事を繰り返し続ける状況を表す際に「いたちごっこ」という表現を使います。
なお、同じ「いたちごっこ」でも、単純に同じ円周上をぐるぐると回り続けるケースもあれば、前述したオレオレ詐欺のように、お互いがどんどん成長・発展することで、らせん状に進歩しながらやり取りを繰り返すようなケースもあります。
いずれにしろ、「問題」→「解決」という単純な流れで終わるのではなく、「問題」→「解決」→「問題」→「解決」…といったように、AとBが交互に繰り返され、終わりが見えない状況で使える表現ですね。
したがって、この表現を使う心情としては、「もう勘弁してくれ」「いつまで続くんだ」「早く終わって欲しい」といったような、ゴールが見えない事への悲痛な叫びや哀れみの表現として使うシーンが多くなります。
あるいは、それとは逆で、「ここまで来たら徹底的にやってやる」「相手がやめるまで絶対やめられない」という、覚悟や意地の張り合いのような心情でも用いられる表現ですね。
さて、ということで、ここまでで「いたちごっこ」の意味がおおむね理解できた後は、続いてはこの言葉を完全にマスターするために、その語源を見てみましょう!
むしろこの言葉は、その語源を把握することでより一層意味の理解が進み記憶の定着に役立つ、という側面もある表現です。
いたちごっこの語源
さて、「いたちごっこ」という慣用句には、どのような由来があるのでしょうか?
結論から言うと、「いたちごっこ」という言葉は、もともとは前江戸時代に流行った子供の遊びの名前でした。
それはどのような遊びかと言うと、まずは二人一組で「いたちごっこ、ねずみごっこ」と言いながら、一人が相手の手の甲をつねります。
次に、その上にもう一方の自分の手を重ね、両手が塞がったら、次は相手が一番下にある手をその上に持っていき、相手側の手の甲をまたつねる…というのを、延々と交互に繰り返します。
この手の甲をつねる仕草が、いたちが噛みついているという設定なのですが、こういったやりとりのスピードを競い合うのが「いたちごっこ」という遊びですね。
そして、イメージして頂ければ分かる様に、この遊びは終わりがないんですね。
そこから、「いつまでも延々と繰り返されること」を意味する表現として「いたちごっこ」が使われるようになったんです。
まさか、江戸時代の子供の遊びに語源があるとは意外でしたよね。
ちなみに話は少しそれますが、子供というのは、このように同じことが延々と繰り返されることに面白みを感じるそうです。
その証拠に、子供に人気のお笑い芸人のギャグのほとんどは、同じフレーズの繰り返しですよね。
テツandトモの「なんでだろ~」や、小島よしおの「そんなの関係ねぇ~」や、チョコプラの「TT兄弟」などはその典型例ですね。
さて、話を「いたちごっこ」に戻りしましょう(笑)
これはぜひ豆知識として覚えておいていただきたいのですが、「いたちごっこ」の「ごっこ」は、「お医者さんごっこ」などの「ごっこ」とは意味合いが違うのも、実は大事なポイントです。
どういうことかと言うと、「いたちごっこ」の「ごっこ」は、「交互」や「事」から派生したもので、「鬼ごっこ」の「ごっこ」と同じなんです。
つまり、「いたちごっこ」というのは、「いたちの真似をしている」という意味ではなく、「交互に噛み合ういたち」を意味しているという事ですね。
この「ごっこ」の意味を把握しておくことで、「いたちごっこ」の意味も覚えやすくなるかと思います。
ちなみにですが、そもそも「鬼ごっこ」の「ごっこ」が、実は「交互」を意味していたと知っている人は意外と少なかったのではないでしょうか?(笑)
さて、ということで、語源を把握し「いたちごっこ」の意味が完璧に理解できたところで、続いてはこの表現がどういった時に使われるのか、例文を見ることで言葉の使い方をマスターさせましょう!
ここまでの説明を聞いた皆さんは、どのような例文が思いつきますか?
いたちごっこの例文
「いたちごっこ」という表現は、下記の例文のような形で使う事ができます。
- 例文1.生活指導の先生と不良のやり取りは、まるで「いたちごっこ」だ。
- 例文2.農業界における農薬と害虫の攻防は、典型的な「いたちごっこ」だ。
- 例文3.敵対国との軍事力の競い合いは、結局「いたちごっこ」にしかならない。
- 例文4.PCのセキュリティー対策とウィルスの関係は「いたちごっこ」と言える。
- 例文5.なんでも触りたがる子供とそれを防ぐ母親は、まさに「いたちごっこ」である。
- 例文6.地域の治安が悪い区域では、毎晩警察と暴走族が「いたちごっこ」を繰り返している。
慣用句には、ポジティブ又はネガティブのどちらか一方の意味で使うものと、どちらの意味でも使用できるものがあります。
そんな中、例文をご覧いただいて分かる様に、「いたちごっこ」は基本的にネガティブな意味として使われる表現になります。
同じ事を繰り返し続けて問題が根本的に解決されない事は、決して良い事とは言えませんからね。
なお、余談になりますが、自分の中の天使と悪魔が異なる意見を言い合い、悩み続けることでいつまでも結論が出せない描写が、マンガなどでもよくありますが、あれもある意味では「いたちごっこ」と言えますね。
そういった意味では、私たちは自分の頭の中で「いたちごっこ」を繰り返している事は、意外と多いのかもしれません(笑)
さて、ということで、例文を見て具体的な使い方が分かったところで、続いては実際の会話例を通して、自分自身で「いたちごっこ」という言葉を使うイメージを養ってみましょう!
皆さんも、下記の会話例のパンダさんになりきり、〇〇の部分に入る言葉を考えてみてくださいね。
いたちごっこの会話例
同じ中学校に通うパンダさんとヒツジさんの会話です。
ウチのママはどれだけ頼んでも〇〇を買ってくれないから、ついに家出してきたよ!
まあまあ落ち着いて。ママにはママの言い分があるんだろうし。
ヒツジさんは〇〇持ってるから良いよね!ボクも〇〇でSNSやLINEしたいのに!
ずっと同じ方法で説得しても「いたちごっこ」にしかならないと思うよ。
だから家出してきたのさ!しばらくはヒツジさん家から学校にも通うから!
いかがでしょうか?どんな言葉が入りましたか?
この〇〇に入る言葉は、恐らく『スマホ』ですね(笑)
さて、ということで、パンダさん達のやり取りを見て「いたちごっこ」という表現を実際に使うイメージがついた(?)ところで、続いてはその類語を知ることで、この言葉の輪郭をより鮮明にしていきましょう!
皆さんも、パッと思いつく類語がありませんか?
いたちごっこの類語
「いたちごっこ」には、下記のような類語が存在します。
- 1.「押し問答」
お互いが自分の主張を譲らない様子や、主張し合って埒が明かないさまを表す類語ですね。 - 2.「水掛け論」
両者が相手に対して譲歩したり理解を示さない事で、いつまでも結論が出ない議論のことを意味する類語になります。 - 3.「堂々巡り」
「同じ行動や議論を際限なく繰り返し終わりが見えない」という意味を持っています。 - 4.「千日手」(せんにちて)
こちらは将棋用語で、お互い別の手を 打つと負けてしまうため、ひたすら同じ手を繰り返すことを指す言葉ですね。
これだけの数の類語があるという事は、「いたちごっこ」と同じようなシーンが日常に溢れているということが言えるかもしれません。
さて、ここまできたら「いたちごっこ」の完全制覇までもう一歩です!
極めつけとして「いたちごっこ」の「英語訳」も知る事で、この表現のキャラを完璧に掴んでしまいましょう!
皆さんも、自分が知っている英語で思い付く表現がありませんか?
いたちごっこの英語訳
英語で「いたちごっこ」を表現するとしたら、下記のような例が適切でしょう。
cat-and-mouse game
猫とねずみのやり取りから来ている「いたちごっこ」と同じ意味の英語特有の比喩表現ですね。
同じ意味の言葉でも、その比喩表現に文化の差が表れるのは面白いですよね。
それでは最後に「まとめ」でおさらいをし、この慣用句を完全にマスターしましょう!
なお、まとめの最後には、皆さんの役に立つちょっとしたオトク情報もプレゼントしてますよ♪
まとめ
いかがでしたか?「いたちごっこ」の意味はしっかり理解できたでしょうか?
ここまで例文などを見て頂いて分かる様に、「いたちごっこ」は主に、口論が繰り返されることを指して使われまる事が多い表現です。
確かに、日常における意見の食い違いは、誰しも経験がありますよね。
しかし、実はそれは「伝え方次第で口論にならないケースが多い」というのはご存じでしょうか?
要するに、伝え方を工夫することで口論にならず、むしろ相手と理解し合える関係になることが圧倒的に多いのです。
ということで、この記事の最後に、コミュニケーションで「いたちごっこ」に陥らず、他者と気持ちよく会話ができる一冊をご紹介させて頂きます!
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