誰しも一度は聞いたことがある「暖簾に腕押し」ということわざですが、その正しい意味はご存じでしょうか?
実はこのことわざは類語が非常に多く存在するので、それらと比較することでより一層「暖簾に腕押し」のキャラクターがはっきりと理解でき、また英語訳も知っておくと豆知識として役立つ表現なのです。
ということで、今回は、類語や会話例なども参考にしつつ、詳しく&分かりやすく「暖簾に腕押し」の意味を解説致します!
暖簾に腕押しの意味
それでは早速、「暖簾に腕押し(のれんにうでおし)」の意味を見ていきましょう。
「暖簾に腕押し」の意味とは、「手応えがないこと」あるいは「抵抗・反応がないこと」という意味になります。
これは別の言葉で言えば、「せっかく何かしらの働きかけをしたのに、その甲斐が全くないこと」とも言い換えられますね。
つまり、こちらがアクションを起こしたのにも関わらずそれに対して成果が感じられないので、やりがいを感じることができずに、肩透かしをくらったようなときに「暖簾に腕押し」という表現を使うことができるということです。
したがって、「暖簾に腕押し」という表現を使う際の心境としては、「がっかりした」「残念だ」という落胆したような気持ちや、反応がない相手に対する「失望」や「軽蔑」、あるいは「怒り」のような感情を抱くことが多いですね。
これは要するに、がんばったり努力したにも関わらず、それが無意味な結果に終わったことでネガティブな感情を抱いているとも言えるでしょう。
ちなみに、もともと意味合いから考えれば、何かしら働きかける対象は人にも物にも使うことが出来ますが、このことわざは基本的に人を指して使うことがほとんどです。
なお、実際に「暖簾に腕押し」という表現を使う際に、具体的にどのような状況でどういった言い回しで使ったら良いのかは例文を見ることで理解ができるので、後程まとめて紹介させていただきますね。
さて、ということで、ここまでで「暖簾に腕押し」の意味はおおむね理解できたところで、続いては、この言葉の意味を完全にマスターするためにその語源を見てみましょう!
冒頭でも触れたように、何度覚えても意味を忘れてしまうことも、語源を知っておくことで防げますよ。
暖簾に腕押しの語源
さて、「暖簾に腕押し」ということわざには、どのような由来があるのでしょうか?
結論から言うと、「暖簾に腕押し」という言葉は、この表現の指し示す比喩表現の情景をイメージすることで、その由来が見えてきます。
つまり、暖簾を力いっぱい押したところでヒラリとかわされてしまう様子を、「手ごたえがない」「反応がない」「意味がない」ということを意味するたとえに使ったということです。
もっとも、近ごろは洋風テイストの建物が多くなり、昔に比べると街中で暖簾を見かける機会は減ってきているのでイメージがしにくいという方もいるかもしれませんが、それでも飲食店の軒先や銭湯の入り口などでは未だに暖簾が使われている風景が残っていますよね。
そういった意味では、私たちが普段の日常で暖簾を目にする状況は、商業的な目的やいわゆる販促ツールとして使用しているケースがほとんどと言えるでしょう。
現に、暖簾を英語訳すると「shop curtain(ショップカーテン)」と訳されます(笑)
しかし、実は暖簾というものは、もともとは「日よけ」や「風よけ」や「塵よけ」、あるいは「人目よけ」といった目的で使われていたのはご存じでしたか?
また、暖簾はその漢字の通り、「防寒」という目的も当時は果たしていました。
要するに、暖簾が生まれた目的は、自然による何かしらの被害を減少・防止するためであったり、暖簾の内側を他者から見えないように隠すという目的のためだったのです。
そして、鎌倉時代に入ると、その暖簾に商標や文字などが描かれるようになり、徐々に「看板」のようなメッセージ性を持つ存在になっていきます。
そのような歴史を経て、現在まで脈々と受け継がれてきた暖簾ですが、その背景にはその構造が至ってシンプルであったことが関係していると言えるでしょう。
というのも、皆さんご存知のように、暖簾というのは竹竿などの棒状のものに布の一方を縫い付けるだけの、とても単純な作りをしていますよね。
そういった意味では、今ほど物質的に豊かでなかった昔の日本においても、暖簾を手に入れたり自分で作ることは難しいことではありませんでした。
つまり、暖簾というものは一般庶民にとっても非常に身近な存在であり、またシンプルな構造ゆえに汎用性も高かったことが、これだけ長きにわたり日常において使われ続けてきた所以と言えるでしょう。
そして、「ことわざ」というものは、当然ながら多くの人々が共有できるイメージを比喩表現に使わなければ大衆に広まることはないので、そのような意味でも「暖簾」というものは誰しもが知っている存在であり、ことわざが広く親しまれるうえでこの上なく適切なたとえであったということです。
そういった意味では、いつか機会があるときに実際に暖簾を全力で押してみると、この由来がより一層理解できそうですね(笑)
さて、ということで、語源を把握し「暖簾に腕押し」の意味が完璧に理解できたところで、続いてはこの表現がどういった時に使われるのか、例文を見ることで言葉の使い方をマスターさせましょう!
ここまでの説明を聞いた皆さんは、どのような例文が思いつきますか?
暖簾に腕押しの例文
「暖簾に腕押し」という表現は、下記例文のような形で使う事ができます。
- 例文1.大好きな女の子にアタックしているが、何の返事もなく「暖簾に腕押し」状態だよ。
- 例文2.無断欠勤ばかりのアルバイトに何度も注意してるが、改善する気配がなく「暖簾に腕押し」だ。
- 例文3.彼に何度問いただしても「暖簾に腕押し」で毎回受け流されるのでこれ以上の説得は無駄だと思う。
- 例文4.タバコをやめるように何時間も説得したが全く意味が無く、まさに「暖簾に腕押し」に終わってしまった。
ことわざにはポジティブ・ネガティブのどちらか一方の意味合いで使えるものと、両方の意味合いで使えるものとがあります。
そんな中、例文をご覧いただいて分かるように、「暖簾に腕押し」ということわざは基本的にネガティブなニュアンスで使われる表現です。
せっかく働きかけをしているのに、その甲斐が全くない結果に終わるので、当然と言えば当然ですね。
そういった意味では、「暖簾に腕押し」という状態を喜べる人はよっぽどMっ気のある人だけでしょうか(笑)
さて、ということで、例文を見て具体的な使い方が分かったところで、続いては実際の会話例を通して、自分自身で「暖簾に腕押し」という言葉を使うイメージを養ってみましょう!
皆さんも、下記の会話例のパンダさんになりきり、〇〇の部分に入る言葉を考えてみてくださいね。
暖簾に腕押しの会話例
高校の食堂で、同級生のパンダさんとヒツジさんがおしゃべりしているシーンです。
いま流行りの〇〇が欲しいから、ママに交渉してるのに全然相手にされないんだ。
パンダママは君の扱いに慣れてるから、「暖簾に腕押し」だと思うよ。
そうだよね。でも絶対に欲しいから、来週から動物園でバイトするよ!
いかがでしょうか?どんな言葉が入りましたか?
この〇〇に入る言葉は、『ゲーム』や『スニーカー』などですかね。
とは言え、高校生が欲しがる物は時代によってどんどん変化するので、両親はついていくので大変ですよね(笑)
さて、ということで、パンダさん達のやり取りを見て「暖簾に腕押し」という表現を実際に使うイメージがついた(?)ところで、続いてはその類語を知ることで、この言葉の輪郭をより鮮明にしていきましょう!
皆さんも、パッと思いつく類語がありませんか?
暖簾に腕押しの類語
冒頭でも触れたように、「暖簾に腕押し」には下記のような多くの同義語が存在します。
- 1.「豆腐に鎹」(とうふにかすがい)
- 2.「糠に釘」(ぬかにくぎ)
- 3.「生壁の釘」(なまかべのくぎ)
- 3.「沼に杭」(ぬまにくい)
- 4.「泥に灸」(どろにやいと)
- 5.「土に灸」(つちにきゅう)
- 6.「石に灸」(いしにきゅう)
- 7.「石に針」(いしにはり)
- 8.「沢庵のおもしに茶袋」(たくあんのおもしにちゃぶくろ)
これだけ多くの同義語があるということは、手ごたえがなく無意味に終わることが日常で相当多かったということなのでしょうか(笑)
さて、ここまで来たら「暖簾に腕押し」の完全制覇まであと一歩です!
極めつけとして「暖簾に腕押し」の「英語訳」も知る事で、この表現のキャラを完璧に掴んでしまいましょう!
皆さんも、自分が知っている英語で思い付く表現がありませんか?
暖簾に腕押しの英語訳
英語で「暖簾に腕押し」を表現するとしたら、下記のような例が適切でしょう。
1.Catch the wind with a net.
「網で風を捕らえる」と直訳できる、「暖簾に腕押し」と同じ意味の英語のことわざです。
2.It is like beating the air.
直訳すれば「空気を叩くようだ」という意味になる英語表現です。
冒頭でも触れましたが、同じようなことわざでもその比喩表現に文化の違いが表れるのは面白いですね。
それでは最後に「まとめ」でおさらいをし、このことわざを完全にマスターしましょう!
まとめ
いかがでしたか?「暖簾に腕押し」の意味はしっかり理解できましたか?
最後に、ここまでの内容を簡単にまとめましょう。
【暖簾に腕押し】 | |
意味 | 手ごたえがない、反応がない |
由来 | 暖簾を全力で押す様子 |
感情 | 落胆、失望、軽蔑、怒りなど |
類語 | 豆腐に鎹、糠に釘など |
英語訳 | Catch the wind with a net |
ということで、「暖簾に腕押し」とは、努力の甲斐がなく虚しさを感じるような状況で使えることわざでした。
確かに、人間関係に関わらず、実際の生活では自分のがんばりが結果に繋がらずガッカリすることが多いですよね。
ましてや仕事ともなれば、押しても押しても成果に結びつかなくて嫌になることも珍しくありません(笑)
ということで、この記事の最後に、皆さんが「押してもダメなら引いてみろ!」の発想で仕事で結果を出せるようになる一冊をご紹介させていただきます!
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