ことわざと慣用句の違いとは?意外と知らない相違点を解説!

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皆さんは、「ことわざ」と「慣用句」の違いを聞かれたとしたら、正しく答えられるでしょうか?

実は、双方ともあまりにも身近な存在であるが故に、改めて両者の違いを整理する機会がないことで、多くの人がその違いを明確に説明することができないのです。

 

ということで、今回は、ことわざと慣用句の違いについて、詳しく&分かりやすく解説いたします!

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ことわざとは?

それでは、まず始めに「ことわざ」という言葉について整理してみましょう。

 

ことわざとは何かを一言で言えば、「生活の知恵や人生における大切な教訓などを盛り込んだ、昔から伝えられて来た短文のこと」です。

これは言い換えれば、時代が変わっても変わる事のない、本質的な事実や仕組みを伝えてくれる言葉とも言えるでしょう。

つまり、ことわざとは主に、日本で昔から広く普及してきた、「こうした方が良いよ」「これには気を付けなさい」というアドバイス助言のことなんです。

 

その証拠に、「ことわざ」を漢字で書くと「諺」と書きます。

これは、「言」と「彦」が組み合わさることで作られていますが、古来「彦」という文字は「男性の美称」として使われていました。

つまり、「言」+「彦」=「言葉の美称」ということであり、これは要するに「美しい言葉の言い回し」という意味になるということです。

これは言い換えれば、「とても価値のある尊い格言」とも言えるでしょう。

 

誰もが知っているであろうメジャーなことわざといえば、「二兎を追う者は一兎をも得ず」などでしょう。

これは「兎を二匹同時に追いかけても、結局二匹とも捕らえることはできない」というたとえから、「二つのことを同時にやろうとしても、結局両方とも失敗に終わる」という意味を持ちますね。

 

このように、主に身近な例を挙げる形で、何かしらのメッセージを伝える短文を「ことわざ」と言います。

 

他の有名なことわざで言えば、「百回耳で聞くより、一回だけ見る方がよくわかる」という意味の「百聞は一見に如かず」や、「早く起きると良いことがある」という意味を持つ「早起きは三文の徳」などが挙げられるでしょう。

 

そして、基本的にことわざというのは数百年というスパンで使われてきたものであり、古いものでは千年以上も前から受け継がれてきた言葉もあります。

そういった意味では、ことわざというのは非常に普遍的な教えであるという側面も持っています。

 

もちろん、時代と共に社会のあり方や人々の価値観が変わる事で、廃れたり支持されなくなることわざもありますが、基本的には多くの人から共感されてきたありがたい助言なんです。

むしろ逆に言えば、それだけ大多数の人に共感され、日常において頻繁に使われたからこそ、今日まで残り続けているということとも言えますよね。

 

要するに、数百~数千年以上たった現代においても、未だに用いられる機会の多いことわざというのは、それだけの狭き門を潜り抜けた精鋭たちだという事なんです!

そういった意味では、現代に残ることわざはさながら、時が経っても色褪せない名曲のような、非常に優秀なロングセラー商品なんです!(笑)

つまり、その言葉が出来て今日まで何百億人(何兆人?)という人が生まれている中で、色々な性格の人がいて様々な環境があったにも関わらず使われてきたことわざは、「正真正銘のお墨付きの名言」とも言えるでしょう。

言い換えれば、時代を経ても常に日本人からの太鼓判を押され続けた、支持率最高クラスの格言が、ことわざなのです。

 

したがって、現代に生きる我々は、それらの助言を自分の人生をより良くする為に安心して使う事ができますね。

実際、ことわざの意味を知ると「確かにそうだよな~」と深く納得したり、後になってそのことわざの意味が理解できた時に「そういう事だったんだ~」と腑に落ちて、じんわりと感慨深い気持ちになることが多いものです。

 

例えば、筆者談で言えば、学生時代に遊んでばかりいたせいで社会人になってから非常に苦労した経験を通して「若い時の苦労は買ってでもせよ」ということわざの意味が深く理解できました(笑)

 

そういった意味では、ことわざというのはそのアドバイスを受け入れる素性が出来て初めてその人にとって価値が生まれる、とても深みのある言葉であると言えるでしょう。

つまり、ことわざの意味を経験を通して理解できたということは、それだけ自分の人生が豊かになった証拠とも言えるのかもしれませんね。

 

そういった意味では、自分一人の人生では到底辿り着けなかったであろう真実を捉えた表現を、今まで生きてきた日本人総出で導き出してくれたことに感謝しながら、ことわざたちと上手に付き合っていきたいものですね。

ことわざの代表例

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さて、そんな意義深くも信頼に足る「ことわざ」ですが、参考として、その代表例と言える10個の表現を見てみましょう。

 

  1. 1. 石の上にも三年:忍耐強さが、何事も大切である
  2. 2. 犬も歩けば棒に当たる:積極的に行動すれば、思わぬ幸運に巡り合える
  3. 3. 後悔先に立たず:過ぎ去った事を後悔してもしょうがない
  4. 4. 時は金なり:時間はお金と同じくらい貴重で大切である
  5. 5. 急がば回れ:急いでいる時ほど落ち着いて遠回りをした方がよい結果になる
  6. 6. 三つ子の魂百まで:幼い頃の性格は年齢を重ねても変わらない
  7. 7. 猿も木から落ちる:どんなに優秀な人でも失敗したり間違えることがある
  8. 8. 大は小を兼ねる:大きいものは、小さいものの役目も果たすことができる
  9. 9. 情けは人の為ならず:人に情けをかけると、それは巡り巡って自分に返ってくる
  10. 10. 塵も積もれば山となる:小さな積み重ねがいつか大きな成果をもたらす

 

いかがでしたか?

もちろん、その意味を正しく知っていたことわざもあると思いますが、実は意味を誤解していたようなものもあったのではないでしょうか?

 

なお、これらとは少し趣の違うことわざとして、「力を入れても手応えのないさま」という意味の「暖簾に腕押し」や、「口達者で饒舌なようす」を表す「立て板に水」のような、必ずしも格言めいていないことわざも多数あります。

 

このようなことわざを含め、一般的に「ことわざ」と言われる多くの言葉が持つ共通の特徴については、慣用句の説明を聞いた後の方がより理解ができるので、のちほどご紹介させていただきますね。

 

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慣用句とは?

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さて、ことわざへの理解がだいぶ進んだところで、続いては「慣用句」について見てみましょう。

 

「慣用句」とは何かを一言で言えば、「日本において昔から習慣として使われてきた、ひとかたまりの言葉・文言」のことです。

これは言い換えれば、「古くから日本で親しまれてきた、多くの人が共通の認識を持つ定番表現」ということです。

 

例えば代表的な慣用句に「耳が痛い」というものがあります。

これは純粋な日本語として意味を捉えれば、「耳に痛みが走っている」という意味であり、耳を怪我したりした際に発するセリフでしょう。

しかし、みなさんご存じのように、私達は日常会話において、必ずしもそのような物理的な痛みを伝える目的で「耳が痛い」という表現を使わないですよね。

実際の会話で「耳が痛い」という表現を使う際は、「否定的な事を聞くのが辛い」「ごもっともな注意をされて心苦しい」という意味合いで使います。

 

つまり、主に慣用句とは、このような形の日本語としてストレートな意味とは違う特殊な意味を持つ比喩表現のことを指しているのです。

言い換えれば、全く予想ができない変化球的な意味を隠し持つ歪曲表現ということです。

 

したがって、逆に言えば、その慣用句の持つ意味を知らないと全く会話についていけないどころか、むしろ余計に混乱してしまう可能性すらあるのです。

イメージとしては、日本語を勉強し始めた外国人が慣用句を聞いたら全く訳が分からない感じですね(笑)

 

そういった意味では、慣用句とは日本において無意識のうちに一般常識化された「定番フレーズ」とも言えるでしょう。

むしろ、誰が広めたわけでもないの自然と共通言語として定着したという点では、とても面白い言葉ですね。

 

そして、そんな慣用句の持つ大きな特徴とは、二語以上の単語が結びつくことで、もともとの意味とは全く異なる意味を持つようになるということです。

 

これは、先ほどの「耳が痛い」という事例を見た事でも明らかでしたよね。

慣用句としての「耳が痛い」は、怪我などで物理的に耳が傷むこととは全く違う意味を持っていました。

 

他の似たような例だと、「頭が痛い」という慣用句が分かりやすいですね。

これも、日本語表現としてのストレートな意味は「頭痛」の事ですが、これを慣用句として使うと「心配事などで思い悩むこと」という全く違う意味を持ちます。

 

このような形で、慣用句とは、そのままの日本語として捉えた意味とは全くかけ離れた別の意味を持つという特徴があります。

 

なお、冒頭でも説明したように、慣用句とは型にはまった「お決まりのフレーズ」なので、基本的には決まった形を崩すことはありません

先ほどの例で言えば、「否定されて心苦しい」という意味を持つ「耳が痛い」を応用して、「否定されても何とも思わない」ということを伝えようと思っても、「耳が痛くない」という風には使うことができないという事です。

「頭が痛い」を例にすれば、「悩ましい」とは反対の「悩ましくない」という意味を表して、「頭が痛くない」という表現はできないということになります。

 

つまり、慣用句とは定型文として固定されたフレーズのため、全く融通が利かないんです。

そういった意味では、「慣用句」と言うものの変化に対しては「寛容」ではないんですね(笑)

 

また、慣用句の持つ二つ目の特徴は、その表現に「身体の一部分」が用いられることが多いという点でしょう。

これは、慣用句というのが普段の日常における行動・状態を表していることが背景にあります。

つまり、慣用句が表現として誰にでも正しい意味で伝わるようにする為に、全員に共通する身体を例えとして使う事で、その言葉の意図がちゃんと伝わるようになっているのです。

 

先ほどの例である、「耳が痛い」「頭が痛い」も身体の一部ですし、他にも「手に余る」「揚げ足を取る」「胸を張る」「へそを曲げる」など、多くの慣用句にどこかしらの身体パーツが使われています。

 

もちろん、その一方で「油を売る」や「釘を刺す」などのように、身体を例えに用いていない慣用句もたくさんあるので、その点も忘れないようにしましょう。

 

いずれにしろ、慣用句というのは、本来の意味とは違った一癖も二癖もある変わった意味を持つという意味では、「一筋縄ではいかない」比喩表現と言えるでしょう。(笑)

慣用句の代表例

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さて、そんな特徴的な性質を持つものが多い「慣用句」ですが、ここで参考として、慣用句の代表例を10個ほど見てみましょう!

 

  1. 1. 鼻にかける:得意気になっている様子
  2. 2. 息を吞む:緊張しながらじっと見守ること
  3. 3. 舌を巻く:とても驚いたり感心したりする様子
  4. 4. 眉をひそめる:怪訝さや不愉快さを感じているさま
  5. 5. 耳にたこができる: 同じ事を何度も聞かされてうんざるしている様子
  6. 6. 油を売る:仕事中に人目を盗んでこっそり怠けること
  7. 7. 釘を刺す:後で問題にならないよう前もって注意したりすること
  8. 8. 棚に上げる:自分の悪い点からは目を背け、他人の欠点を非難すること
  9. 9. 途方に暮れる:手段が無くなりどうしたら良いのか分からなくなる
  10. 10. しのぎを削る:激しく戦う

いかがでしたか?

こちらも先ほどのことわざと同様に、意外と正しい意味を知らないものありましたか?

ことわざと慣用句の違い

英語のことわざ

さて、ここまでで「ことわざ」と「慣用句」をそれぞれ理解してきました。

 

そして、最後に本題である「ことわざと慣用句の違い」という点をまとめてみたいと思います。

果たして、両者にはどのような相違点があるのでしょうか?

 

しかし、とは言っても、実は結論から言えば、ことわざと慣用句との区別は非常にあいまいなんです。

 

というのも、ここまでご覧いただいて分かるように、双方ともにそれぞれの特徴や特有の傾向は見られるものの、明確にどっちがどっちと線引きすることができません

実際のところ、このように両者は混同されやすい上に分類も困難であることから、確かに一般的に市販されている辞典もことわざと慣用句を一冊にまとめているものがほとんどですよね?

もちろん、どの辞典にもことわざとして載っているものもあれば、どこで調べても一様に慣用句として扱われている表現もあります。

 

しかし、その一方で、そうではないどっちつかずの表現も数多く存在します

事実として、ある人は〇〇というフレーズを「ことわざ」と紹介している一方で、別の人は同じ〇〇というフレーズを「慣用句」と説明しているという事例がいたるところで散見されます。

したがって、ことわざと慣用句の違いを、きっぱりと断定することは非常に難しいのです。

 

しかし、とは言えそれで終わるのはあまりにも収まりが悪いので(笑)、ここで、ことわざと慣用句がそれぞれ持つ特徴を更に丁寧に紐解いていくことで、双方への理解をもう少し深めていきましょう。

ただし、これからの説明は、あくまで一つの傾向であるとは覚えておいてくださいね。

 

まず、一つ目のポイントとして、ことわざはその文章だけでも意味が成立しますが、慣用句は文中の一つの句として使われます

具体例で言うと、ことわざである「後悔先に立たず」はこれだけで意味が通じますが、慣用句である「頭が痛い」という表現はこの表現だけでは意味が成立しません

 

要するに「頭が痛い」は「この問題は『頭が痛い』な」「『頭が痛い』案件がたくさんある」など、他の言葉と合わせて使う事で初めて相手に意図が伝わります。

 

続いて、二つ目のことわざと慣用句の傾向の違いですが、ことわざは格言や教訓として使われるものが多い一方で、慣用句は日常における行動や状態の比喩表現が多いという点です。

 

先ほどの「後悔先に立たず」ということわざで言えば、この表現は「悔やんでもしょうがないから前を向け」というニュアンスで、相手を励ましたりするシーンで用いられます。

一方で「頭が痛い」という慣用句は、「悩ましい」という『状態』を指し示しているだけで、そこにそれ以上特別な意味や感情は含まれません

そのような視点でことわざと慣用句を見比べると、その違いがより鮮明に分かるでしょう。

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まとめ

ことわざ

さて、ということでことわざの説明から始まり、慣用句との違いも含めた解説は以上になりますが、最後に改めてことわざと慣用句の違いを簡単にまとめましょう。

 

ことわざ その文章だけで意味が成立 格言や教訓が多い 例)後悔先に立たず
慣用句 文中の一つの句として使用 行動や状況の比喩が多い 例)頭が痛い

 

このように、以上二つのポイントが、ことわざと慣用句の双方を比べた時に見える、それぞれの持つ特徴と言えるでしょう。

ただし、繰り返しになりますが、これはあくまで傾向なので全部が全部当てはまる訳でありません

 

なお、そういった意味では、一つ一つの言葉を挙げて、「これはことわざか?それとも慣用句か?」という事を論じてもあまり意味はないと思います。

むしろ、本当に大切なのはそれぞれの言葉の意味を正確に覚えて自分で使いこなしたり相手の意図を正しく理解することですよね。

 

そういった意味では、ことわざと慣用句の違いは傾向として頭の片隅に入れておく程度で良いと、個人的には思っています。

もし仮に、そこにこだわる事で言葉の意味の理解がなおざりになれば、それこそ「本末転倒」ですしね(笑)

 

ということで、実際の会話中はことわざと慣用句の違いについては深く考えすぎず、相手と楽しくコミュニケーションをとることに注力していただけたらと思います!

 

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