日常会話でも時たま耳にする「目から鱗が落ちる」ということわざですが、その正しい意味はご存じでしょうか?
実はこのことわざ、その内容を知れば二度とこの表現の意味を忘れなくなるような面白い語源がある言葉でもあるのです。
ということで、今回は、類語や会話例なども参考にしつつ、詳しく&分かりやすく「目から鱗が落ちる」の意味を解説致します!
目から鱗が落ちるの意味
それでは早速、「目から鱗が落ちる(めからうろこがおちる)」の意味を見ていきましょう。
「目から鱗が落ちる」の意味とは、「あることがきっかけになり急に物事の実態が見え、理解できるようになること」という意味になります。
これをもう少し別の言葉で言えば、「とある拍子に今までの誤解が解けて、正しいものの見方ができるようになる」とも言い換えられますね。
つまり、何かしらの引き金となる出来事が起こり、それがトリガーとなることで、それまでとは全く違う新しい見解や正しい真実が見えるようになった状況を指して、「目から鱗が落ちる」と言い表せるということです。
なお、これは「目に付いていた鱗のせいで今まで見えなかったものが、その鱗が落ちる事で見えるようになる」という比喩表現になるので、この例え話を想像するとより意味の理解が進みますね。
要するに、「これまでずっと視界を遮るものがあったが、その原因がなくなることで視界が晴れ渡る」というようなイメージが「目から鱗が落ちる」という表現の根底にはあるということです。
ちなみに、恐らくこの説明を聞いた多くの方が、「なんで視界を遮る物の事例として鱗が出てくるの?(笑)」という疑問が湧いたのではないでしょうか?
その点に関しては、冒頭でも触れたようにこの後で紹介する語源を把握すると、その疑問が解けるので楽しみにしていて下さいね。
なお、このような意味合いを持つ「目から鱗が落ちる」という表現ですが、実際の会話で使う際には、思わず「そういうことか!」「なるほどね!」と言いたくなるようなハッとしたような心境で使うことが多いというのも大事なポイントです。
そういった意味では、急激な発想転換が起きたことに対する「驚き」の気持ちはもちろんのこと、鱗が落ちた事への「喜び」や「解放感」のような感情が背景にあることが多くなります。
つまり、さながら暗闇にいたことで何も見えなかった閉鎖的な世界から、明るい光が降り注ぐ明瞭な世界にパッと急変したような心境のときに、「目から鱗が落ちる」という表現を用いることができると言えるでしょう。
ちなみに、そのような状況に該当するより具体的な日常におけるシーンは、実際の例文を見ることで理解ができるので、こちらも後程まとめて紹介させていただきますね。
なお、このようなイメージを持つ「目から鱗が落ちる」という表現ですが、普段の会話においては「~が落ちる」を省略し、単純に「目から鱗」と言ったりもします。
また、その一方で「目から鱗が落ちる」と似たような表現で「目から鱗が取れる」という表現も目にする事がありますが、この使い方は誤用になるのでご注意ください。
さて、ということで、ここまでで「目から鱗が落ちる」の意味はおおむね理解できたところで、続いてはこの言葉の意味を完全にマスターするためにその語源を見てみましょう!
冒頭でも触れたように、何度覚えても意味を忘れてしまうことも、語源を知っておくことで防げますよ。
目から鱗が落ちるの語源
さて、「目から鱗が落ちる」ということわざには、どのような由来があるのでしょうか?
結論から言うと、「目から鱗が落ちる」という言葉は、キリスト教の『新約聖書』の中に、その語源が存在します。
まず、このことわざの語源を理解する上でのメインの登場人物として、「サウロ」という男性がいます。
このサウロは、もともとはキリスト教徒を迫害するグループのリーダー的存在でした。
しかし、そんなサウロのもとに、とある旅の途中で予期せぬ事が起こります。
サウロはその旅の最中、敵の総大将とも言えるイエスキリストの霊に突然出逢うのですが、その際にキリストが放つ強い光を浴びたことで、その後三日間ものあいだ視力を失ってしまうのです。
そしてその後、サウロ自身のキリスト教徒への祈りによって、彼は視力が回復すると同時に、キリストと同じようにこの世の真実を悟り開眼することになります。
実はその時の悟りを開いた様子が、新約聖書の中で「目から鱗が落ちた」という表現で記されているのです。
そしてサウロはその後、皆さんも一度はその名を聞いたことがあるであろう、大宣教師「使徒パウロ」と改名しキリスト教の伝道に生涯を捧げるようになります。
つまり、元々は反キリストという立場だったサウロが、キリストの影響で、全く逆の立場であるキリスト教の伝道史になり、大活躍したという事なんです。
そこから、「目から鱗が落ちる」の意味が「誤った迷いから目覚めることで、物事の本質が分かる様になる」というような意味合いで使われるようになりました。
なお、「魚の鱗」と聞くと我々日本人はアジやタイの様な海水魚の大きく硬い鱗をイメージするかもしれませんが、当時サウロが旅していたダマスコという地域で主に食べられていたのは、小さく薄い鱗を持つ川魚だったようです。
そういった背景もあり、サウロにとっては鱗というもののサイズ感がちょうど瞳の大きさであり、その上その薄い形状も含めて考えると、鱗がさながら現代で言う『コンタクトレンズ』のようなイメージにピッタリだったことから、「自分の視界を遮るもの」の比喩表現に「鱗」を用いたのではないでしょうか。
つまり、物理的に目をふさいでしまう「蓋」のようなイメージで、鱗を用いたのでしょう。
いかがでしょうか?
「へぇ~」といった感じで、この由来を聞いて、それこそ少し「目から鱗」が落ちませんでしたか?(笑)
さて、ということで、語源を把握し「目から鱗が落ちる」の意味が完璧に理解できたところで、続いてはこの表現がどういった時に使われるのか、例文を見ることで言葉の使い方をマスターさせましょう!
ここまでの説明を聞いた皆さんは、どのような例文が思いつきますか?
目から鱗が落ちるの例文
「目から鱗が落ちる」という表現は、下記例文のような形で使う事ができます。
- 例文1.今までの人生で一度も聞いたことがない衝撃的な話を聞いて私は「目から鱗が落ちた」。
- 例文2.この本は「目から鱗が落ちる」知識ばかりの良書で、多くの日本人に読んで欲しい傑作だ。
- 例文3.真面目で有名な部下が遅刻した真相を知った部長は「目から鱗が落ちた」気持ちになった。
- 例文4.常識という思い込みに捉われている人ほど、現代科学の最先端を知れば「目から鱗が落ちる」だろう。
- 例文5.妻の意味深な言動にそんな背景があったとは、その事実を初めて知った僕にはまさに「目から鱗」だ。
- 例文6.地方のド田舎で生まれ育った彼女には、東京でも終電が存在するというのは「目から鱗」な事だった。
ことわざにはポジティブ・ネガティブのどちらか一方の意味合いで使えるものと、両方の意味合いで使えるものとがあります。
そんな中、例文をご覧いただいて分かるように、「目から鱗が落ちる」ということわざは基本的にポジティブなニュアンスで使われる表現です。
この表現は、今までにない発見により新たな境地が開けるようなシーンで使うので、当然と言えば当然ですね。
さて、ということで、例文を見て具体的な使い方が分かったところで、続いては実際の会話例を通して、自分自身で「目から鱗が落ちる」という言葉を使うイメージを養ってみましょう!
皆さんも、下記の会話例のパンダさんになりきり、〇〇の部分に入る言葉を考えてみてくださいね。
目から鱗が落ちるの会話例
仲良しのパンダさんとヒツジさんが、飲み屋で談笑しているシーンです。
このまえ友達が〇〇に注文した笹の葉が届いたって言ってたけど、今の時代は熱帯雨林でも笹は育つんだね。
違うよ!「〇〇」は、世界最大手のネットショッピングサイトの事だよ!
え~!そうだったの!?ボクずっと勘違いしてたよ!
まったくパンダさんは…「目から鱗が落ちる」とはこのことだね。
いかがでしょうか?〇〇にはどんな言葉が入りましたか?
この〇〇に入る言葉は、言わずもがな『アマゾン』ですね(笑)
さて、ということで、パンダさん達のやり取りを見て「目から鱗が落ちる」という表現を実際に使うイメージがついた(?)ところで、続いてはその類語を知ることで、この言葉の輪郭をより鮮明にしていきましょう!
皆さんも、パッと思いつく類語がありませんか?
目から鱗が落ちるの類語
「目から鱗が落ちる」の類語には、下記のような表現が当てはまるでしょう。
- 1.「ハッとする」
- 急に思いつく・理解すると同時に驚くニュアンスが同じですね。
- 2.「悟る」
- 真実を理解して、腑に落ちた時に使う言葉になります。
- 3.「目が開かれる」
- 開眼したようなイメージで、新境地を見つけたという意味です。
なお、「目から鱗が落ちる」と反対の意味を持つことわざで、「余計な知識をつけて物事を正しく把握できなくなる」という事を意味する「目に鱗を付ける」という表現はありませんので、ご注意ください(笑)
さて、ここまで来たら「目から鱗が落ちる」の完全制覇まであと一歩です!
極めつけとして「目から鱗が落ちる」の「英語訳」も知る事で、この表現のキャラを完璧に掴んでしまいましょう!
皆さんも、自分が知っている英語で思い付く表現がありませんか?
目から鱗が落ちるの英語訳
先ほども紹介したように、このことわざは元々の語源が聖書にあるので、下記の英語表現が存在します。
1.Scales fall from the eyes.
文字通り「目から鱗が落ちる」という意味ですね。
2.Scale from the eye.
こちらはもう少し省略し、「目から鱗」という意味になります。
それでは最後に「まとめ」でおさらいをし、このことわざを完全にマスターしましょう!
まとめ
いかがでしたか?「目から鱗が落ちる」の意味はしっかり理解できましたか?
最後に、ここまでの内容を簡単にまとめましょう。
【目から鱗が落ちる】 | |
意味 | 急に物事の実態が見え理解できるようになる |
由来 | キリスト教の『新約聖書』 |
感情 | 驚き、喜び、解放感 |
類語 | ハッとする、悟る、など |
ということで、ここまでご覧いただだように、「目から鱗が落ちる」とは、視界がパッと開けるような前向きな心境で使うことわざでした。
皆さんもきっと今までの人生の中で、ものの見方や捉え方が変わっただけで問題が急に解決した経験がありましたよね?
そういった意味でも、凝り固まった常識や固定観念を一度ほぐしてから物事に取り組むことは、スムーズな人生を生きる上でとても大切なエッセンスと言えそうです。
ということで、せっかくの機会なので、この記事の最後に皆さんが柔軟に物事の見方を変える達人になれる一冊をご紹介いたします!
この本を読むことで、あなたもきっと、変幻自在に世界の捉え方を変えるスキルを得ることで、もっと自由にこの先の人生を歩めるようになりますよ!
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