日常会話でもよく耳にする「耳が痛い」という慣用句ですが、その正しい意味はご存じでしょうか?
実はこの慣用句、意味はなんとなく理解できていても、実際に使う際には注意しなければいけないポイントが意外と多い、要注意の表現なんです。
ということで今回は、例文や類語なども参考にしながら、詳しく&分かりやすく「耳が痛い」の意味を解説いたします!
耳が痛いの意味
それでは早速、「耳が痛い」の意味を見ていきましょう。
「耳が痛い」の意味とは、 「不評・非難を何度も聞かされ、聞くのが辛いこと」という意味です。
これをもう少し別の言葉で言えば、「自分の欠点や弱みを指摘され、図星をつかれた様子」とも言い換えられます。
つまり、他者からのアドバイスや助言が的を得ていると同時に、自分にも心当たりがあったり問題だと認識している状況で「耳が痛い」という言葉を使えるということです。
したがって、この言葉を使う際の心境としては、「まいったな」「困っちゃうな」といったような感じで、当惑していたり、意気消沈し落ち込むような気持ちで用いることが多いです。
ちなみに、実際の日常会話ではどのようなシーンでどういった言い回しで使えるのかは、具体的な例文を見ることで理解できるので、後程まとめて紹介させていただきますね。
なお、「耳が痛い」という慣用句は、もちろん実際に耳が物理的に痛むのではなく、「聞くのが辛くて、まるで耳が痛むようだ」という比喩表現を用いているというのもポイントですね。
つまり、実際に痛いのは耳ではなく、むしろ心の方であると言えるでしょう(笑)
ちなみに、「耳が痛い」と同じ意味で「耳の痛い」という表現もありますが、この表現を使う場合は「耳の痛い話」のように後ろに名詞が来ることが一般的です。
さて、ということで、ここまでで「耳が痛い」の意味はおおむね理解できたところで、続いてはこの言葉の意味を完全にマスターするためにその語源を見てみましょう!
むしろ、この慣用句はしっかりと語源を把握することで、より意味の定着ができるタイプの表現でもあります。
耳が痛いの由来
さて、「耳が痛い」という慣用句には、どのような由来があるのでしょうか?
結論から言うと、「耳が痛い」という言葉は、春秋時代の中国の有名な思想家である『孔子』と彼の弟子達が記録した書物『孔子家語(こうしけご)』の中に、その語源が存在します。
この「孔子家語」の中には、「忠言耳に逆らう(ちゅうげんみみにさからう)」という記述があるのですが、この表現が、「耳が痛い」の語源の候補として最も濃厚な説とされています。
なお、「忠言」とは「忠告」の事であり、「耳に逆らう」は「耳に入れたくない」といったような意味合いで、この両者の意味をとって「耳が痛い」という慣用句が生まれました。
つまり、「耳が痛い」の由来は2,000年以上も前の中国にあったのですね。
ちなみに、慣用句やことわざには、その語源が古代中国の書物や、日本の古い文献に存在するものが珍しくないので、一度自分でも調べてみると、意外な発見も多く面白いですよ。
さて、ということで、語源について触れ「耳が痛い」の意味がさらに深く理解できたところで、続いてはこの表現がどういった時に使われるのか、例文を見ることで言葉の使い方をマスターさせましょう!
ここまでの説明を聞いた皆さんは、どのような例文が思いつきますか?
耳が痛いの例文
「耳が痛い」という表現は、下記例文のような形で使う事ができます。
- 例文1.学校生活に対する両親の指摘には、正直思い当たる所もあり「耳が痛い」。
- 例文2.会社の上司からのアドバイスは、いつも的確すぎて非常に「耳が痛い」ものだ。
- 例文3.自分よりも年齢が下の部下に諭されてしまい、同僚や上司から注意されるより「耳が痛い」よ。
- 例文4.相手に対し「耳が痛い」指摘をしてくれる人ほど、本当にその人のことを思ってくれている。
ご覧いただように、「耳が痛い」という表現は、主に間違ったものごとを指摘されたときや、アドバイス・助言・忠告・お説教などをされた際に用いられることが多いですね。
さて、ということで、例文を見て具体的な使い方が分かったところで、続いては実際の会話例を通して、自分自身で「耳が痛い」という言葉を使うイメージを養ってみましょう!
皆さんも、下記の会話例のパンダさんになりきり、〇〇の部分に入る言葉を考えてみてくださいね。
耳が痛いの会話例
仲良しのパンダさんとヒツジさんが、カフェでおしゃべりしています。
そういえば、実は昨日久しぶりに〇〇をしてみたんだよね。
それってさ、参加したら貰えるお菓子とかが欲しかっただけでしょ。
ギクッ!さすがヒツジさん…痛い所つかれて、こりゃ「耳が痛い」な~。
いかがでしょうか?〇〇にはどんな言葉が入りましたか?
この〇〇に入る言葉は、『献血』『ボランティア』などですかね。
このパンダさんのように、おまけや値引きにつられて余計なものを買っちゃう心理って、逆らい難いですよね(笑)
さて、ということで、パンダさん達のやり取りを見て「耳が痛い」という表現を実際に使うイメージがついた(?)ところで、続いてはその類語を知ることで、この言葉の輪郭をより鮮明にしていきましょう!
皆さんも、パッと思いつく類語がありませんか?
耳が痛いの類語
「耳が痛い」には、下記のような類語が存在します。
- 1.「兎の逆立ち」
- 弱点を突かれてつらいこと
- 2.「図星」
- 他者からの指摘が、まさにその通りであること
- 3.「胸に突き刺さる」
- 他者からの言葉が精神的な動揺をもたらすこと
ちなみに、「耳が痛い」の対義語としては「耳を傾ける」が当てはまりますが、これは「相手の話を注意して聞く・積極的に聞く」という意味の慣用句ですね。
また、「耳を傾ける」と似た表現で「耳を貸す」という慣用句もあります。
しかし、こちらは自ら進んで聞くというニュアンスではなく、「少しの間だけ」というような言葉が一緒になって使われるシーンが多いことからも、少し消極的な態度で聞こうとするというニュアンスになります。
こうして類語や対義語と比べることで、「耳が痛い」のニュアンスがよりシャープになり意味の理解が深まりますね。
さて、ここまで来たら「耳が痛い」の完全制覇まであと一歩です!
極めつけとして「耳が痛い」の「英語訳」も知る事で、この表現のキャラを完璧に掴んでしまいましょう!
皆さんも、自分が知っている英語で思い付く表現がありませんか?
耳が痛いの英語訳
英語で「耳が痛い」を表現するとしたら、下記のような例が適切でしょう。
1.That hits a sore spot.
直訳すると「それ(その発言)は、弱点をつく」ですね。
2.It’s hard to accept the blame.
「その非難を受け入れるのは難しい」という表現になります。
上記のような表現は、英語に普段触れない方には馴染みがない表現だったかもしれませんね。
それでは最後に「まとめ」でおさらいをし、このことわざを完全にマスターしましょう!
まとめ
いかがでしたか?「耳が痛い」の意味はしっかり理解できたでしょうか?
最後に、ここまでの内容を簡単にまとめましょう。
【耳が痛い】 | |
意味 | 非難や不評を何度も聞かされ辛いこと |
由来 | 『孔子家語』の『忠言耳に逆らう』 |
類語 | 兎の逆立ち |
対義語 | 耳を傾ける |
ということで、ここまでご覧いただいたように「耳が痛い」とは、相手の忠告に心が痛むような状況で使える言葉でした。
たしかに、自分の弱みや欠点を改めて注意されると耳をふさぎたくなるものですが、そんな時こそ、素直にその助言を聞くことでさらなる成長につながるのでしょう。
ということで、この記事の最後に、皆さんが耳が痛いけれど為になるアドバイスにたくさん触れられる一冊をご紹介させていただきます!
この本を読むことで、あなたもきっと、自分の欠点や弱みと素直に向き合う習慣が身に付きますよ!
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