日常生活の中でも見聞きすることの多い「一喜一憂」という表現ですが、その正しい意味はご存じでしょうか?
また、意味を理解していても、使うシーンを間違っていたりはしないでしょうか?
今回は、思わず「ほほう」と言いたくなるような語源解説もあるので、例文や類語も一緒に解説ることで、楽しみながら理解できるようご紹介致します!
一喜一憂の意味
それでは早速、「一喜一憂(いっきいちゆう)」の意味から見ていきましょう。
「一喜一憂」の意味とは、「物事の状況が変化する度に、いちいち喜んだり心配したりすること」という意味になります。
また、そこから転じて「次々に周りの状況に振り回されること」という意味合いもあります。
要するに、小さな事に対していちいち反応してしまって、それにより感情もあっちに行ったりこっちに行ったりと、起伏の上がり下がりが激しい状況を表現しています。
つまり、自分の外側の状況の変化や環境に、自分の内側がかき乱されているイメージでしょうか。
何が起きても平然とどっしり構えていられるのではなく、細かい事が気になり心も行動も右往左往してしまう様子を表しています。
さて、ということで、ここまでで「一喜一憂」の意味がおおむね理解できた後は、続いてはこの言葉を完全にマスターするために、その語源を見てみましょう!
一喜一憂の語源
さて、「一喜一憂」という四字熟語には、どのような由来があるのでしょうか?
結論から言うと、「一喜一憂」という言葉は、漢字のひとつひとつの意味を紐解いていくと、この四字熟語の由来が見えてきます。
まず、「一喜一憂」の「喜」ですが、これはそのまま「喜ぶこと」を意味しますね。
次に「一喜一憂」の「憂」ですが、こちらは「心配すること」あるいは「せつないこと」という意味になります。
続いて「一」という漢字ですが、この漢字はただの数字を表すのではなく、実は「一つの出来事」という事を意味しているんです。
つまり、そのような意味合いを背景に考えると、「一喜」は「ひとつの嬉しい出来事」を表し、「一憂」は「ひとつの心配な出来事」を表しているという事です。
したがって、単純に「一喜」と「一憂」を合わせると、「ひとつの嬉しい出来事と、ひとつの心配な出来事」という意味になりますね。
しかし、これだけでは「次々に周りの状況に振り回される」というニュアンスが含まれません。
その疑問を解決する鍵となるのが、「一」という漢字の捉え方にあります。
基本的に、四字熟語では「多くの回数」「長い期間」という意味で「千」や「万」という漢数字が、非常に多く使われます。
たとえば「千差万別」や「一日千秋」などが、その代表例でしょう。
しかし、「一喜一憂」は「千喜千憂」などとは、なっていませんよね?
つまり、「一」という漢字を使う意図としては、大きな事でなく「些細な小さい出来事」という意味を強調するために、「一」という漢字が使用されているという事なんです。
要するに、「一」=「大したことでない」という意味合いが含まれているという事になります。
そのような意図を踏まえて改めて考えると、「一喜」は「些細な嬉しい出来事」という事になり、「一憂」は「些細な心配する出来事」という意味合いになります。
そして、そこから、「一喜一憂」の意味として、「些細な変化に対して、いちいち喜んだり心配したりすること」という意味を指し示すようになったということですね。
さて、ということで、語源を把握し「一喜一憂」の意味が完璧に理解できたところで、続いてはこの表現がどういった時に使われるのか、例文を見ることで言葉の使い方をマスターさせましょう!
ここまでの説明を聞いた皆さんは、どのような例文が思いつきますか?
一喜一憂の例文
- 例文1.試合中は自分のプレーの出来に「一喜一憂」し、キャプテンとしての責務は果たせなかった。
- 例文2.選挙事務所では関係者全員が開票状況を見守り、その数字に「一喜一憂」する時間が続いた。
- 例文3.彼の発言に「一喜一憂」する彼女の姿は頼りなさそうな一方で、どこか可愛らしくも見えた。
- 例文4.一向に就職先が決まらず、最近は毎日選考結果に「一喜一憂」させられる日々を送っている。
ご覧いただいて分かる様に、基本的にはあまり良い意味では使いませんね。
どちらかと言うと、「器の小ささ」や「面倒なほどの繊細さ」など、一喜一憂することで疲れたり、大変な事になってしまうシーンで多く使われます。
あるいは、「感情の起伏が激しすぎることで、必要以上の負担を抱えることへの危惧」を伝える状況でも使える四字熟語です。
また、「木を見て森を見ず」ということわざのように、「細かいことに捉われすぎると、大局を見失う」という意味合いを含んで使うケースもありますね。
さて、ということで、例文を見て具体的な使い方が分かったところで、続いては実際の会話例を通して、自分自身で「一喜一憂」という言葉を使うイメージを養ってみましょう!
皆さんも、下記の会話例のパンダさんになりきり、〇〇の部分に入る言葉を考えてみてくださいね。
一喜一憂の会話例
仲良しのパンダさんとヒツジさんが、喫茶店で雑談しています。
最近話題のTBSの『〇〇』見てる?新垣結衣ちゃんと星野源君が出てる、契約結婚がテーマのムズキュンドラマなんだけど。
見てる見てる!アレ面白いよね!恋ダンスも流行ってるし。
ぼく主人公のふたりに感情移入しすぎて、放送中に泣いたり笑ったりを最低20往復してるから、一話見終わる頃には顔の筋肉がひきつってるんだよね(笑)
いや、共感力高すぎでしょ!仮にもフィクションなんだから、そんなに「一喜一憂」してたら身が持たないよ。
いかがでしょうか?どんな言葉が入りましたか?
この〇〇に入る言葉は、いわずもがな、『逃げ恥』『逃げるは恥だが役に立つ』ですね(笑)
さて、ということで、パンダさん達のやり取りを見て「一喜一憂」という表現を実際に使うイメージがついたところで、続いてはその類語を知ることで、この言葉の輪郭をより鮮明にしていきましょう!
皆さんも、パッと思いつく類語がありませんか?
一喜一憂の類語
- 「悲喜交交」(ひきこもごも)
- 悲しみと喜びを代わる代わる味わうことや、悲しみと喜びとが入り交じることを表す四字熟語です。
また、「一喜一憂」の対義語としては「泰然自若(たいぜんじじゃく)」が挙げられます。
これは、落ち着いている・どっしりと構えているという意味の「泰然」と、物事に慌てない・動じないという意味の「自若」が合わさった四字熟語で、その意味は「物事に対して、動揺したり慌てふためいたりしない様子」を表しています。
さて、ここまで来たら「一喜一憂」の完全制覇まであと一歩です!
極めつけとして「一喜一憂」の「英語訳」も知る事で、この表現のキャラを完璧に掴んでしまいましょう!
皆さんも、自分が知っている英語で思い付く表現がありませんか?
一喜一憂の英語訳
「一喜一憂」を英語で表現するならば、下記のような例が適切でしょう。
- 1.an emotional roller coaster
- ジェットコースターの様に、感情が揺れ動いている事を表しています。
- 2.waver between hope and despair
- 「waver」は「揺れる」を意味し、「hope and despair」は「希望と絶望」を意味しているので、希望と絶望の狭間で揺れ動いている、という意味になります。
さて、それでは最後に「まとめ」でおさらいをしましょう!
なお、まとめの最後には、ちょっとしたお得なオマケ情報もありますよ♪
まとめ
いかがでしたか?「一喜一憂」の意味はしっかり理解できたでしょうか?
本文でも触れましたが、些細な事に反応しすぎると疲れきってしまい身が持ちません。
したがって、特に人付き合いにおいては、敏感な感受性で相手の気持ちをくみ取りながら、そこで起こる出来事に対しては、どっしり構えて自分軸で行動できるのが、一番良いのかもしれませんね。
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