日常の中で比較的よく耳にする「五里霧中」という表現ですが、その正しい意味はご存じでしょうか?
意外とその意味を誤解していたり、使うシーンを間違えているケースも非常に多いので、例文や類語も参考にしつつ、楽しみながら理解できるようご紹介致します!
五里霧中の意味
それでは早速、「五里霧中(ごりむちゅう)」の意味から見ていきましょう。
「五里霧中」の意味とは、「先の見通しが全く立たないこと」という意味になります。
また、そこから転じて「やるべきことが全く分からない」という意味で使用するケースもあります。
つまり、「予測が立たないことで先に進めない状況」を指して「五里霧中」と表現できるということですね。
実は「五里霧中」の元々の意味は、読んで字のごとく「五里先まで霧に包まれている」という意味です。
一里というのは、現在の寸法に直すと約4キロメートルなので、五里はその倍の約20キロメートルになります。
しかし、この四字熟語が中国から伝えられた当時の一里は、約530メートルを指していたようなので、「五里霧中」の五里は約2.5キロメートルになるのです。
したがって、「五里霧中」の本来の意味は、約2.5キロメートル四方を霧に包まれている状態のことを意味していたのです。
そして、そこから意味が派生し「将来の見通しが立たないことで、先に進めないこと」というより幅広い意味の四字熟語として、用いられるようになります。
なお、「五里霧中」を誤って「五里夢中」と表記してしまうことも多いですが、この点に関しては先ほど説明したこの四字熟語のもともとの意味を把握することで、そのようなミスは防げそうですね。
さて、ということで、ここまでで「五里霧中」の意味がおおむね理解できた後は、続いてはこの言葉を完全にマスターするために、その語源を見てみましょう!
むしろこの表現は、その語源を把握することで意味の理解がより一層進み、結果として記憶の定着にも非常に役に立つという側面もある言葉です。
五里霧中の由来
さて、「一心同体」という四字熟語には、どのような由来があるのでしょうか?
結論から言うと、実は「五里霧中」は、中国の古い歴史書である『後漢書』に由来があるとされています。
その中に、儒学者である『張楷』という人物が出てくるのですが、この人物が自分の五里四方を霧で覆い姿をくらませる秘術『五里霧』を得意としました。
そこから、『五里霧の中』と呼ばれるようになり、その後その表現が日本に伝わる際に、四字熟語の「五里霧中」に変わったことがルーツとなり、現在のような意味で広く使われるようになったとされています。
つまり、小学生男子の憧れの忍者的な存在が「五里霧中」の由来になっているという事ですね(笑)
さて、ということで、語源を把握し「五里霧中」の意味が完璧に理解できたところで、続いてはこの表現がどういった時に使われるのか、例文を見ることで言葉の使い方をマスターさせましょう!
ここまでの説明を聞いた皆さんは、どのような例文が思いつきますか?
五里霧中の例文
「五里霧中」という表現は、下記例文のような形で使う事ができます。
- 例文1.転職後しばらくの間、何もわからず「五里霧中」で大変だった。
- 例文2.リーダーが不在の状況に、メンバー達は「五里霧中」に陥った。
- 例文3.前例が無い為「五里霧中」の状況が続いていたが、やっと光が見えてきた。
- 例文4.大学受験を失敗し、当面は「五里霧中」でしばらく何も考えられない。
ご覧いただいたように、、新しい環境や想定外の状況に陥った際に使われるケースが多い四字熟語ですね。
特に、入学や就職や結婚など、新しい生活が始まるタイミングとも言える人生の節目には「五里霧中」のような状況が訪れる事が多いと言えるでしょう。
さて、ということで、例文を見て具体的な使い方が分かったところで、続いては実際の会話例を通して、自分自身で「五里霧中」という言葉を使うイメージを養ってみましょう!
皆さんも、下記の会話例のパンダさんになりきり、〇〇の部分に入る言葉を考えてみてくださいね。
五里霧中の会話例
大学同期のパンダさんとヒツジさんが、飲み屋で談笑しています。
去年、得点王にもなったフォワードの『コアラ太郎』が今シーズン不調なんだよね。
まだノーゴールノーアシストだもんね。不調の理由も不明で、完全に〇〇に陥ってるね。
本人はまさに「五里霧中」なんじゃないかな。代わりに僕が出た方が良いくらいだよ。
体重200kgのおデブちゃんの君は、一体どこからそんな自信が来るの?(笑)
いかがでしょうか?〇〇にはどんな言葉が入りましたか?
この〇〇に入る言葉は、『スランプ』ですかね(笑)
このパンダさんみたいなことを言いながら、スポーツ観戦するオジサンって結構いますよね(笑)
さて、ということで、パンダさん達のやり取りを見て「五里霧中」という表現を実際に使うイメージがついたところで、続いてはその類語・対義語を知ることで、この言葉の輪郭をより鮮明にしていきましょう!
皆さんも、パッと思いつく同義語や類語がありませんか?
五里霧中の類語
「五里霧中」には、下記のような類語が存在します。
- 1.「手詰まり」
- 打つべき策がなくなって困っている様子を意味しますね
- 2.「立往生」
- 1と同様に物事に行き詰まり前に進めない様子を表す言葉です
- 3.「万事休す」
- 施す手段がなく打開策が全く見えない状況ですね
- 4.「曖昧模糊(あいまいもこ)」
- はっきりしない様子・ぼんやりしている様を指します。
なお、「五里霧中」と似た意味の四字熟語としてよく「暗中模索(あんちゅうもさく)」も挙げられますが、実際にはそれぞれ微妙にニュアンスが違います。
というのも、「暗中模索」の意味は、確信が持てない暗がりの中を模索する・確信が無い中でも手さぐりで行動する、という意味の四字熟語です。
つまり、先の見通しが立たないという意味では「暗中模索」も「五里霧中」と同じですが、「五里霧中」が単にその状況を表す言葉であるのに対し、「暗中模索」は実際に試し行動するというニュアンスで使われる点が大きな違いです。
要するに、どうしたら良いか分からない状況で動けないのが「五里霧中」で、分からないながらもとりあえず動き出している状態が「暗中模索」という事です。
その点のニュアンスが微妙に異なるので、使う際は注意したいポイントですね。
なお、「五里霧中」の対義語としては、「一目瞭然(いちもくりょうぜん)」が挙げられるので、こちらも頭の片隅に置いておくと良いかと思います。
さて、ここまで来たら「五里霧中」の完全制覇まであと一歩です!
極めつけとして「五里霧中」の「英語訳」も知る事で、この表現のキャラを完璧に掴んでしまいましょう!
皆さんも、自分が知っている英語で思い付く表現がありませんか?
五里霧中の英語訳
英語で「五里霧中」を表現するとしたら、下記のような例が適切でしょう。
・I was completely at sea
「be at sea」は、何をすべきか見当もつかなかった、という表現になります。
ご覧のようにそれほど難しい単語は使われていないので、英語に詳しくなくても「一心同体」の持つキャラクターのイメージは、何となく捉えられたのではないでしょうか。
さて、それでは最後に「まとめ」でおさらいをし、この四字熟語を完全にマスターしましょう!
なお、まとめの最後には、皆さんの役に立つちょっとしたオトク情報もプレゼントしてますよ♪
まとめ
いかがでしたか?「五里霧中」の意味はしっかり理解できたでしょうか?
ご覧いただいたように、「五里霧中」の状態は非常に悶々としてしまうものですが、そんな時こそ一つ深呼吸をして視野を広げてみることで、濃い霧がパッと晴れて新たな道筋が見えてくるのでしょう。
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