私たちの日常生活でもよく使われる「大器晩成」という表現ですが、その正しい意味はご存じでしょうか?
また、大器晩成型と言われる人の特徴や、そのタイプの偉人は知っていますか?
ということで今回は、「大器晩成」の例文や類語も参考にしつつ、楽しみながら言葉の意味を理解できるようにご紹介致します!
大器晩成の意味
それでは早速、「大器晩成(たいきばんせい)」の意味から見ていきましょう。
「大器晩成」の意味とは、「本当の意味で偉大な人物は、完成するまでに長い時間がかかる」という意味になります。
これをもう少し別の言葉で言えば、「優れた人格や能力は、長年の積み重ねを経て完成するということ」とも言い換えられますね。
なお、この四字熟語は、前半二文字と後半二文字に分けて、それぞれの意味を見ていくとより理解が深まります。
まず前半二文字の「大器」とは、「並外れた才能・能力がある人物」のことを表し、後半二文字の「晩成」は、「通常に比べ遅れて完成すること」「年齢を重ねてからようやく成功すること」を意味します。
したがって、このような意味を持つ「大器」と「晩成」を合わせることで、「立派な人物は、年をとってから才覚を発揮する」「大物はすぐには出来上がらない」という意味になります。
なお、「年をとってから」というニュアンスに関しては、具体的に何歳以上と決まっている訳ではありません。
したがって、何歳からが「大器晩成」に当てはまるのかは、その業界・環境や能力次第で柔軟に使って大丈夫ということですね。
また、「大器晩成」という表現は、特にスポーツ選手や芸術家に対して使われることが多いのもポイントの一つです。
若いころから注目されていたり、十代~二十代前半で活躍するのではなく、晩年になってから才能を開花させ成果を上げるタイプは珍しくありませんよね。
ちなみに、年上の方や立場が上の方に対して「あなたは大器晩成ですね」と言ってしまうと、場合によっては嫌味や悪口に聞こえることもあるのでご注意ください(笑)
さて、ということで、ここまでで「大器晩成」の意味がおおむね理解できた後は、続いてはこの言葉を完全にマスターするために、その語源を見てみましょう!
むしろこの四字熟語は、その語源を把握することでより意味の理解が進み記憶の定着に役立つ、という側面もある表現です。
大器晩成の語源
さて、「大器晩成」という四字熟語には、どのような由来があるのでしょうか?
結論から言うと、「大器晩成」の語源は、中国春秋時代の哲学者「老子」が書いた有名な書物「老子道徳経(ろうしどうとくきょう)」の中にあります。
その「老子道徳経」には、「大器晩成」については下記のように記されています。
『大方無隅 大器晩成 大音希声 大象無形』
これではまったく意味が分からないので、解説させていただきますね(笑)
この文を現代語訳すると、「大きな四角形は角が見えない、大きな器はなかなか出来上がらない、大きな音は逆に聞こえない、大きな形は形として見えない」という意味になります。
つまり、この文章全体としては、「大きなものの全貌は把握しがたく、完成するまでには時間がかかる」ということを意味しています。
そして、「大きな器はなかなか出来上がらない」という意味を持つ「大器晩成」の部分のみを取り出して、現在のような意味合いで使われ出したことが語源になったと言われています。
現在でも、度量の大きい人の事を「器が大きい」と表現したりしますが、このようなイメージで人の偉大さを表したのでしょう。
もっとも、早咲きタイプか遅咲きタイプかは人それぞれだと思いますが、せっかくならば「器が小さい」人間になるよりは「器が大きい」人になりたいものですね(笑)
さて、ということで、語源を把握し「大器晩成」の意味が完璧に理解できたところで、続いてはこの表現がどういった時に使われるのか、例文を見ることで言葉の使い方をマスターさせましょう!
ここまでの説明を聞いた皆さんは、どのような例文が思いつきますか?
大器晩成の例文
「大器晩成」という表現は、下記の例文のような形で使う事ができます。
- 例文1.彼は40歳を超えてから成功した、まさに「大器晩成」型の人だ。
- 例文2.自分は「大器晩成」だからと言い訳し、彼は現在できる努力を怠る。
- 例文3.今はつらいが「大器晩成」と信じて、この困難を乗り越えたい。
- 例文4.私は自分が応援する選手を「大器晩成」タイプの人間だと思っている。
- 例文5.「大器晩成」という自己評価をする人を、私は信用していない。
四字熟語には、ポジティブ又はネガティブのどちらか一方の意味で使うものと、どちらの意味でも使用できるものがあります。
そんな中、例文をご覧いただいて分かる様に、「大器晩成」という言葉自体は基本的にポジティブな意味で使われる四字熟語になります。
具体的には、相手への慰め・励まし・褒め言葉として使用したり、生涯現役に対するエールとして使ったりするケースが多いですね。
ただ、例文にもあるように、「大器晩成」であることを言い訳として利用しては本末転倒なので、ご注意ください(笑)
さて、ということで、例文を見て具体的な使い方が分かったところで、続いては実際の会話例を通して、自分自身で「大器晩成」という言葉を使うイメージを養ってみましょう!
皆さんも、下記の会話例のヒツジさんになりきり、〇〇の部分に入る言葉を考えてみてくださいね。
大器晩成の会話例
仲良しのパンダさんとヒツジさんが、飲み屋で談笑しています。
僕の恋愛におけるモットーは「大器晩成」にすることにしたよ。
どうしたの急に。まだ若いのに、結婚はもう諦めたの?
もちろん結婚はする。でもそれとは別に、年をとってからも若い美女とイチャイチャし続けたいんだ!
いやそれ、ただの〇〇だから!大器晩成とは言わないからね!
いかがでしょうか?どんな言葉が入りましたか?
この〇〇に入る言葉は、『エロジジイ』『スケベオヤジ』などですかね(笑)
皆さんもこのパンダさんのように、自分の都合の良いように「大器晩成」を使わないようにしましょうね(笑)
さて、ということで、パンダさん達のやり取りを見て「大器晩成」という表現を実際に使うイメージがついた(?)ところで、続いてはその類語・対義語を知ることで、この言葉の輪郭をより鮮明にしていきましょう!
皆さんも、パッと思いつく類語がありませんか?
大器晩成の類語
「大器晩成」には、下記のような類語が存在します。
- 1.「未完の大器」
今は荒削りで足りない部分も多いものの、将来的には優れた逸材になると見込まれている人を意味する表現ですね。ただし、「未完の大器で終わってしまった」といったネガティブな意味でも使用されることがあります。 - 2.「遅咲き」
先程の説明にもチラっと出てきましたが、「早咲き」の対義語として使われる「大器晩成」の類語ですね。 - 3.「スロースターター」
マラソンや徒競走などで、最初はゆっくりスタートし徐々に加速していきピークを迎える選手などに、この表現を使うことがありますが、意味合いは「大器晩成」と近い表現になります。
なお「大器晩成」の対義語としては、「栴檀双葉(せんだんのふたば)」という四字熟語があります。
栴檀は芽生えたての双葉の頃から早々に良い香りを放っていることから、大成功する人物は幼い頃から才能を発揮しているという事を意味します。
また、「啄木鳥(きつつき)の子は卵から頷く(うなずく)」も「大器晩成」の対義語で、啄木鳥の子は生まれた瞬間から木を突く事から、生まれもった才能は幼い時からすぐに現れることを意味しています。
なお、このような対義語がある事からも分かるように、大器晩成に関しては意見が二分するところです。
しかし、大事なのはどちらが正しいかではなく、自分の人生を豊かにするためにはどちらの視点から物事を見るのがいいのかを、自分で正確に判断できるか否かと言えるでしょう。
さて、ここまで来たら「大器晩成」の意味の理解の完全制覇まであと一歩です!
極めつけとして「大器晩成」の「英語訳」も知ることで、この表現のキャラを完璧に掴んでしまいましょう!
皆さんも、自分が知っている英語で思い付く表現がありませんか?
大器晩成の英語訳
英語で「大器晩成」を表現するとしたら、下記のような例が適切でしょう。
late bloomer
「遅く花が咲く」という意味で、大器晩成を意味する英語表現です。
さて、ここまでで「大器晩成」の意味の理解は完璧にできましたよね?
ということで続いては、「大器晩成型」の人物の特徴をご紹介するので、ぜひ自分や周囲の人に当てはめながら読んでみてください!
大器晩成型の特徴
さて、それでは早速「大器晩成型」と言われる、遅咲きで活躍できるタイプの人の特徴を見てみましょう。
1.地道な努力が続けられる
大器晩成型の人の特徴として最も大きいのは、地道な努力を怠らないという事でしょう。
いつまで経っても一向に芽が出ない状況を、何年・何十年も続けるのは辛いことです。
しかし、大器晩成型の人は自分の夢や目標を諦めることなく、努力し続けることができるのです。
2.真面目に取り組んでいる
たとえ今は不遇の環境であっても、大器晩成型のタイプは、今やるべき事に関してはしっかり真面目に対応します。
そのことにより、誠実な印象を周囲に与え好感を持ってもらえるので、結果的に自分を応援をしてくれる人に恵まれる事にも繋がるのですね。
3.意思が強い
大器晩成型の人は、精神力が強いです。
むしろ、意思が弱ければ、夢や目標を途中で諦めてしまうでしょう。
そういった意味では、小さなことで落ち込むのでなく、常に前向きな考え方をしているので、仮に失敗してもそれすらも糧として成長していけるのです。
4.チャレンジし続けられる
何歳になっても、新しい物事に挑戦し続ける精神を忘れない事も、大器晩成型の特徴です。
周囲の目を必要以上に気にすることなく、「自分がやりたい!」と思えば、ためらうことなく果敢にチャレンジしていきます。
そして、そのフットワークの軽さこそが、成功の秘訣とも言えるのです。
5.他人からのアドバイスを素直に聞ける
大器晩成型のタイプは、周囲からの指摘をしっかりと受け止めます。
しかも、相手が年下であろうが、立場が自分より下であろうが、参考になると思えばその意見を尊重し柔軟に取り入れます。
つまり、余計なプライドがないので、どんどん良いものを吸収することで成長速度が早いのですね。
6.ポジティブ思考で生きている
目標達成の途中で壁が立ちはだかっても、ネガティブになることなく前向きに物事を捉えられる事も大器晩成型の特徴です。
受け身な姿勢で「できない理由探し」をするのではなく、主体的に「どうやったらできるだろう?」という思考で問題と向き合うので、解決までの道のりがスムーズになるのでしょう。
7.自信がある
自分に対して自信がなければ、大器晩成することは難しいでしょう。
最終的には自分は成功できると信じているからこそ、たとえ現時点では結果が伴っていなくても、腐ることなく愚直に進んでいく事ができるんですね。
以上、大器晩成型の特徴を見てみていかがでしょうか?
もっとも、大器晩成型で成功することだけが大事な訳ではないので、仮に上記の特徴が当てはまらなくても、必要以上に落ち込んだりはしないでくださいね(笑)
さて続いては、実際に大器晩成型として成功を収めた過去の偉人を紹介いたします!
大器晩成型の偉人
1.徳川家康
日本人なら誰もが知っている徳川家康は、代表的な大器晩成型の人でした。
約260年続いた江戸幕府の礎を築いた偉人ですが、有名な関ヶ原の戦いで勝利を収めたのは、実は彼が60歳になってからの事です。
そして62歳の時に江戸幕府を開き、その後74歳で死ぬまでは幕藩体制の基礎固めに貢献したのです。
しかも、人生50年と言われた当時の寿命からすると、60歳以降での成功はかなりの遅咲きといえます。
2.夏目漱石
2017年に生誕150年を迎えた夏目漱石ですが、彼も大器晩成型の人物でした。
明治時代を代表する文豪の一人ですが、大学卒業後に英語教師になるも性に合わなかった漱石は、その後は長きにわたり留学と言う名の放蕩生活をしていました。
そして、かの有名な小説「吾輩は猫である」を書いたのは彼が37歳の時だったのです。
しかも、その後に朝日新聞社に入社し本格的に作家業を営むのは、漱石が40歳になってからなんですね。
3.カーネル・サンダース
皆さんも、この人物の像が店の前に置いてあるのは見たことありますよね(笑)
いわずもがな、ケンタッキーフライドチキンの創設者として有名なカーネル・サンダースですが、彼は社会人になってからも職を転々としていて、40歳ごろになってようやく起業した経歴をもちます。
彼はまず国道沿いのガソリンスタンドの経営者になり、その後サービスの一貫として、物置きを改造した小さな飲食店をスタートさせました。
そのレストランで提供されていたのが、今のケンタッキーフライドチキンの原型なのですが、一時は大人気となって繁盛するも、大恐慌・干ばつ・火災などにより、負債を抱えてしまい、彼は65歳で無一文になってしまいます。
しかし、レストランで大人気だったフライドチキンの製法を教える代わりに、利益の一部を貰う「フランチャイズ型」のビジネスをはじめ、70歳の頃には全米展開も果たし、大成功を納めるに至るのです。
このように、有名人の中にも大器晩成タイプの偉人は意外と多いのです。
もし自分も大器晩成型だと思う方は、是非彼らから勇気をもらって下さいね。
さて、それでは最後に、「大器晩成」の「まとめ」でおさらいしましょう!
なお、まとめの最後には、皆さんの役に立つちょっとしたオトク情報もプレゼントしてますよ♪
まとめ
いかがででしたでしょうか?「大器晩成」の意味はしっかりと理解出来ましたか?
もっとも、スピードと効率重視になりがちな現代社会において、大器晩成タイプの人はなかなか生きづらい側面があるかもしれません。
しかし、自分と正面から向き合うことでちゃんとした自信を持つことさえできれば、花が開花するタイミングに関わらず、マイペースに自分らしい人生を歩めるのではないでしょうか?
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