日常でも比較的よく耳にする「大義名分」という表現ですが、その正しい意味はご存じでしょうか?
実は、その意味を誤解していたり、使う場面を間違えている方も意外と多いので、今回は例文や類語も参考にしつつ、楽しみながら理解できるようにご紹介致します!
大義名分の意味
それでは早速、「大義名分(たいぎめいぶん)」の意味から見ていきましょう。
「大義名分」の意味とは、「何かの行動を起こす際に、その正当性を主張できる拠り所となるもの」という意味になります。
これをもう少し別の言葉で言えば、「行動の口実・根拠」とも言い換えられますね。
つまり、ある行動における「相手を納得させるために必要な、正当な理由」とも言い換えることができます。
そういった意味では、「大義名分」とは、相手の説得に使うツールと捉えても良いでしょう。
ただし、それは逆に言えば、相手に自分の行動や主張の正しさ理解させる必要があるという意味で、少しやっかいな場面で使うことが多い言葉ということなります。
要するに、普通に説明をしても了承を得られないため、わざわざその理屈や根拠を、正当性をもって伝えなければいけないという事なんです。
したがって、あまり良くないイメージですが、広い意味では「言い訳」や「口実」というような意味合いでも使われる事が多い表現になります。
いずれにしても、「自分は正しい事をしているのだ」という主張する際に、その理由付けとして使用すると覚えておくと良いと思います。
そういった意味では、ある種の自分を守る盾のようなイメージですね。
したがって、遅刻や浮気などの後ろめたい行為をした際には、「大義名分」を上手く使いこなすことで相手を丸め込むこともできるという、「取り扱い注意」の四字熟語ということです(笑)
さて、ということで、ここまでで「大義名分」の意味がおおむね理解できた後は、続いてはこの言葉を完全にマスターするために、その語源を見てみましょう!
むしろこの四字熟語は、その語源を把握することでより意味の理解が進み記憶の定着に役立つ、という側面もある表現です。
大義名分の由来
さて、「大義名分」という四字熟語には、どのような由来があるのでしょうか?
結論から言うと、「大義名分」の語源は、春秋時代の中国の哲学者『孔子(こうし)』による教えである『儒教』に由来しています。
この『儒教』の教えの中に「大義名分」という記述があるのですが、この言葉が日本に渡る途中でその意味が微妙に変わってしまったという面白い由来を「大義名分」は持っているのです。
なお、この四字熟語は前半二文字と後半二文字に分けて、それぞれの意味を紐解くとその語源が分かり易いので、最初に儒教における「大義名分」の意味を説明しますね。
まず、「大義名分」の前半部分の「大義」とは、「人間が行う最良の道義」という意味です。
そして、後半部分の「名分」は、「自分の身分・立場に応じて守る必要がある、道義上の分別」という意味があります。
したがって、儒教における「大義名分」の本来の意味は、「王様に仕える臣下が守るべき、振舞いや節度のあり方」を示した言葉だったということです。
そして、このような意味合いで使われていた「大義名分」が、江戸時代に入り当時の水戸藩の思想によって、その意味が改められることになります。
当時の江戸幕府はいわゆる士農工商制度だったので、身分による上下関係が非常に明確でした。
つまり、身分や立場に応じた決まりごとは、「揺るぎない絶対的な正しいもの」であると認識されていたという事ですね。
そのため、お互いの身分をより強固なものにするために、「大義名分論」という教えが広まり、そこから現在のように「正しい主張である理由」「正当性のある根拠となるもの」といった意味合いを持つようになったと言われています。
たしかに、漢字の持つイメージからは非常に重々しく権威的な印象を受ける「大義名分」という表現ですが、言葉の由来を知ると、そのようなイメージを抱くことも納得できませんか?
さて、ということで、語源を把握し「大義名分」の意味が完璧に理解できたところで、続いてはこの表現がどういった時に使われるのか、例文を見ることで言葉の使い方をマスターさせましょう!
ここまでの説明を聞いた皆さんは、どのような例文が思いつきますか?
大義名分の例文
「大義名分」という表現は、下記の例文のような形で使う事ができます。
- 例文1.これも仕事の内と「大義名分」を謳い、毎日飲み歩いている。
- 例文2.平等という「大義名分」の名のもとに、主張を押し通した。
- 例文3.この事実があれば「大義名分」が立つので、ひと安心だね。
- 例文4.彼女は常に「会社の為」という「大義名分」を振りかざす。
- 例文5.この提案を通すには、分かり易い「大義名分」が必要だろう。
- 例文6.平和という「大義名分」を掲げたことで、罪悪感が薄れた。
四字熟語には、ポジティブ又はネガティブのどちらか一方の意味で使うものと、どちらの意味でも使用できるものがあります。
そんな中、例文をご覧いただいて分かる様に、「大義名分」という言葉自体は、比較的ネガティブな意味で使われるシーンが多いですね。
というのも、本来は通らない主張を、正当性をこじつけることで何とか押し通すようなニュアンスが含まれることが多いからなんです。
なぜなら、本当に筋道が通っている主張であれば、わざわざ「大義名分」を用意する必要ないからですね。
つまり、自分の行動の問題部分を万が一指摘された際に、「この印籠が目に入らぬか!」と、水戸黄門ばりに正しさを主張するイメージを持って頂くと、分かりやすいと思います(笑)
さて、ということで、例文を見て具体的な使い方が分かったところで、続いては実際の会話例を通して、自分自身で「大義名分」という言葉を使うイメージを養ってみましょう!
皆さんも、下記の会話例のパンダさんになりきり、〇〇の部分に入る言葉を考えてみてくださいね。
大義名分の会話例
ルームシェアしているパンダさんとヒツジさんが、リビングで話をしています。
食べた後で気づいたんだけど、冷蔵庫にあった〇〇って、もしかしてヒツジさんのだった?
そうだよ。って、パンダさん食べちゃったの !? 後で食べようと楽しみにとっておいたのに!
ごめんごめん、ボク食後に甘いもの食べないとイライラする性格だから、仕方なかったんだ。
いや、なにその「大義名分」!全然納得できないからね!
いかがでしょうか?〇〇にはどんな言葉が入りましたか?
この〇〇に入る言葉は、『プリン』『ケーキ』『シュークリーム』などですかね(笑)
冷蔵庫のデザート横取り問題は、多くの方が共感できる永遠のテーマではないでしょうか(笑)
さて、ということで、パンダさん達のやり取りを見て「大義名分」という表現を実際に使うイメージがついた(?)ところで、続いてはその類語を知ることで、この言葉の輪郭をより鮮明にしていきましょう!
皆さんも、パッと思いつく類語がありませんか?
大義名分の類語
「大義名分」と似た意味を持つ類語は、下記に挙げるようなものが当てはまります。
- 1.「口実」
言い逃れや言いがかりの材料というような意味で、「大義名分」を簡単な言葉で言い換える事ができる類語ですね。 - 2.「名目」
主に「表向きの理由」というような意味の言葉で、「取り繕った表面上の理由」を表現する類語と言えるでしょう。 - 3.「建前」
「本音と建前」という表現が一般的ですが、「表向きの考え」という意味を持つ類語になりますね。 - 4.「詭弁」(きべん)
「大義名分」と同様のシーンで使える類語で、「間違っている事柄を正しいと思わせるようしむける議論」という意味の言葉ですね。 - 5.「錦の御旗」(にしきのみはた)
元々は官軍の旗印に用いた事から来ている、「自分の主張・行為を権威付けする為に掲げられた名分」という意味を持つ類語になります。
なお、これだけ多くの類語があるという事は、それだけ「言い訳のために必要な、表向きの偽物」が必要なシーンが日常で多いと考えると、少し悲しくなりますね(笑)
さて、ここまで来たら「大義名分」の完全制覇まであと一歩です!
極めつけとして「大義名分」の「英語訳」も知ることで、この表現のキャラを完璧に掴んでしまいましょう!
皆さんも、自分が知っている英語で思い付く表現がありませんか?
大義名分の英語訳
英語で「大義名分」を表現するとしたら、下記のような例が適切でしょう。
on the pretext of~
たとえば、on the pretext of illnessで「病気を口実に」という表現になります。
あるいは、単に「~のために」という表現を使って、「in the cause of ~」とすることもあり、例えば「in the cause of peace」とすると「平和のために」「平和という大義名分のもと」という意味になります。
さて、それでは最後に「まとめ」でおさらいをし、この四字熟語を完全にマスターしましょう!
なお、まとめの最後には、皆さんの役に立つちょっとしたオトク情報もプレゼントしてますよ♪
まとめ
いかがでしたか?「大義名分」の意味はしっかり理解できたでしょうか?
ここまでご覧頂いて分かる様に、大義名分を必要とする背景には、なにかしら後ろめたい事情があることが多いです。
したがって、自分の意見や考えを堂々と主張できるように、常日頃から他人にも自分にも嘘を付くことなく、誠実さと信頼に基づいた関係性をつくりたいものですね!
【副業・転職・独立に興味がある方必見】
複業コンサルタントの当サイト運営者が、最新のおすすめ副業などのお得情報をLINEで無料配信中です!
詳しくはこちらのプロフィールをご覧ください!
【こちらの人気記事もおすすめ】