有言実行の意味は?例文・類語・由来・英語訳に不言実行との違いも解説!

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有言実行の意味

色々なシーンで耳にする「有言実行」という表現ですが、その正しい意味はご存じでしょうか?

実はこの四字熟語、その誕生の歴史を紐解くと、明治時代以降の日本文化の変遷と深い関りを持った由来が見えてくる、非常に面白い表現なのです。

ということで今回は、例文類語なども参考に、詳しく&分かりやすく「有言実行」の意味を解説致します!

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有言実行の意味

それではまず、「有言実行」の意味を見ていきましょう。

 

「有言実行」の意味とは、「口にした内容を、絶対に達成すること」という意味になります。

これは別の言葉で言えば、「公言したり宣言した目標を、必ず成し遂げること」とも言い換えられますね。

要するに、「〇〇します」「〇〇になります」という発言を、何が何でも守り通すことを「有言実行」と言います。

 

イメージ的には、プレッシャーがかかる事を理解しつつも特定の結果を出すことを約束し、強い意志を持ってそれを見事にやり遂げた成功者や実力者を想像していただくと良いと思います。

 

たとえば、オリンピックで金メダルを獲ると宣言した選手がその言葉通り優勝したときや、あるいは、身近な例で言えば、体重を5キロ落とすと約束した人が宣言通りの減量を実現したときなどは、「有言実行」に当てはまるということです。

したがって、逆言えば、自分で立てた目標を実現できなかったり途中で挫折したときは、当然「有言実行」とは言えませんね(笑)

 

つまり、まずは何かしらの決意や目標を口に出すという前提があった上で、実際にその宣言や約束を守り抜いたときのみ、「有言実行」という表現は当てはまります。

これは言い換えれば、発言した内容とその後の行動や結果が一致しているとも言えるでしょう。

 

なお、「有言実行」という言葉の具体的や言い回しや使いやすいフレーズなどは、例文を見ることで理解が進むので、そちらも後程ご紹介しますね。

 

さて、ということで、ここまでで「有言実行」の意味がおおむね理解できた後は、この言葉の意味を完全にマスターするために、続いてその語源を見てみましょう!

冒頭でも触れましたが、「有言実行」の語源は日本人なら思わず「へぇ~」と唸ってしまう非常に興味深い内容になっています。

有言実行の語源

有言実行の語源

さて、「有言実行」という四字熟語にはどのような由来があるのでしょうか?

 

結論から言うと、「有言実行」という四字熟語は、「不言実行」という四字熟語から生まれた派生語なのです。

 

これは意外と知られていない事実なのですが、実は「有言実行」に比べあまり聞きなじみのない「不言実行」という四字熟語の方が先に存在していたということなんですね。

 

なお、そんな「有言実行」の語源であった「不言実行」の意味は、「余計なことは口にせず、黙ってやるべき事を行うこと」という意味になります。

つまり、「有言実行」と「不言実行」は「結果を出す・やり通す」というニュアンスは同じですが、そこに辿り着くための手段が、前者は「公言すること」であり、後者は「口に出さず内に秘める」という点において異なっているということです。

 

ちなみに、恐らくですが、「有言実行」の意味は何となく知っていても、「不言実行」の意味はよく知らなかったという方も多いのではないでしょうか?(笑)

 

そういった意味では、実はそのようなあまりメジャーではない「不言実行」こそが、「有言実行」の生みの親のような存在だったのは意外ですよね。

 

しかも、実は「有言実行」という表現は、「不言実行」が生まれてから2,000年以上経過してから誕生した、かなり新米な四字熟語なんです。

 

これも、結構びっくりする事実ではないでしょうか?(笑)

 

というのも、「不言実行」という言葉の語源は、紀元前五世紀ごろに生まれた『論語』という書物の中にすでにその由来となる記載があり、その一方で、「有言実行」という言葉は明治時代以降に欧米文化が流入した事で生まれた歴史があるからなのです。

 

冒頭でも触れましたが、この点は非常に興味深い話なので、丁寧に説明させていただきますね。

 

皆さんもご存じのように、黒船来航により江戸時代が終わり明治時代が始まると共に、まずはヨーロッパの文化が一気に日本に入ってきました。

 

それによって、それまで約200年ものあいだ鎖国し続けていた日本においても、今で言ういわゆるグローバル化がどんどん進み、人々の生活様式や習慣が大きく変わる中で、それと共に日本人の価値観にも顕著に変化が表れます

 

そして、そのような文化や精神面の大きな変化は、第二次世界大戦後、敗戦国である日本にアメリカが統治国として介入することで更に加速します

 

皆さんも学校の歴史の授業でも勉強したと思いますが、この時期には連合国軍の最高司令官であったマッカーサーが主導となり、日本における食文化・生活様式・教育制度・政治体制など、生活に関わるありとあらゆる面で欧米的なスタイルが取り入れられるようになりました。

 

そしてその後も、高度経済成長期を経て世界第二位の経済大国に昇り詰めるまでの過程で、どんどん日本人の価値観は様変わりしていきます。

 

そんな中、その時代に日本に持ち込まれたアメリカ文化の一つに、「自己啓発」や「成功哲学」と呼ばれるジャンルがあります。

皆さんもこのような考え方は聞いたことがあると思いますが、「有言実行」の心理的メリットとして、周囲に目標を告げて逃げられない状況を作り出すことで自分を追い込むことができるというものがありますよね。

 

実はこのロジックは、アメリカで誕生・発展しその後日本に輸入された、成功哲学というジャンルに由来する考え方なのです。

 

つまり、「目標を口にすることで結果を出す」という「有言実行」的な考え方は、戦後のアメリカ文化の流入の中で日本に持ち込まれた輸入思想であり、もともと日本にはない価値観だったのですね。

 

そして、「目標を高らかに宣言することで結果にコミットする」という手法を日本で広める上で、古くから存在した「不言実行」という四字熟語を文字るかたちで「有言実行」という言葉が生まれ、普及していったということなのです。

 

どうですか?

「有言実行」にまつわるこの由来の話、結構興味深いストーリーではないでしょうか?(笑)

 

なお、この由来の根拠という訳ではありませんが、皆さんもご存じの通り、日本には昔から「言わぬが花」「沈黙は金(きん)」のように無言でいることを評価する言葉が多く存在しますよね。

その他にも、「暗黙の了解」「以心伝心」といった表現のように、思いを口に出さずとも相互に気持ちが伝わることを美徳とする表現も広く親しまれています。

あるいは、「言葉に出して言うよりも、むしろ何も言わない方がしっかり伝わる」や「 本当に大切な気持ちは、到底言葉で言い表すことはできない」という意味を持つ、「言わぬは言うにまさる」という言葉すらあるほどです。

 

このようなことからも、日本には「言葉にしない」という態度に美しさや尊さを感じる感性が元から備わっており、「不言実行」という言葉もそのような価値観が反映された表現と言えるでしょう。

 

そういった意味では、目的をちゃんと言葉にし周囲にアピールすることに重きを置く「有言実行」という言葉は、相手に対し自己表現を明確に行うことを良しとする欧米的な価値観を反映していると言えるのではないでしょうか。

 

つまり、「有言実行」と「不言実行」という表現には、やると決めたことを確実に実行に移す過程で、「目標を明確に公言する」のか「目標を口にしない」のかというスタンスの違いに、それぞれの文化が色濃く反映しているということです。

 

これは言い換えれば、「結果を口に出すことでやる気を出し目標達成する」のが「有言実行」で、「周囲に公言しなくても内なる意思を貫くことで目標達成する」のが「不言実行」であるとも言えます。

 

こうして両者を比べることで、「有言実行」の持つキャラがより鮮明になりますよね?(笑)

 

なお、「有言実行」も「不言実行」も、意味合いこそ相対するものですが、どちらも心強く人生をサポートしてくれる優れた教訓なので、ぜひ自分の好みや状況に応じて、両者を取捨選択してみてくださいね!

 

さて、ということで、語源を把握し「有言実行」の意味が完璧に理解できたところで、続いてはこの表現がどういった時に使われるのか、例文を見ることで言葉の使い方をマスターさせましょう

皆さんは、どのような例文が思いつくでしょうか?

有言実行の例文

有言実行の例文

「有言実行」という表現は、下記の例文のような形で使う事ができます。

  1. 例文1.彼の座右の銘は「有言実行」であり、言ったことは必ず実行している。
  2.  
  3. 例文2.父は自他ともに認める「有言実行」の人なので皆から信頼される人だった。
  4.  
  5. 例文3.大勢の前で目標を宣言したので、なんとしても「有言実行」で終わりたい。
  6.  
  7. 例文4.最初は全員信じていなかったが、私はフルマラソン完走を「有言実行」した。
  8.  
  9. 例文5.「有言実行」は信頼するに足る理想的な政治家の条件として欠かせない条件だ。
  10.  
  11. 例文6.彼女は口ばかり達者でたいてい「有言実行」しないので、今回も期待していない。

例文をご覧いただいて分かるように、「有言実行」に関連するキーワードには「信頼」「信用」という言葉がありそうですね。

 

なにかをやると宣言した結果、それが達成できれば「信頼」に繋がりますし、逆に成し遂げられなければ「信用」は得られません。

そういった意味では、「有言実行」とは理想的な姿ではあるものの、失敗すれば後ろ指を指されかねないため、諸刃の剣と言えるかもしれませんね。

 

したがって、自分は意志が弱いと自覚している方は「有言実行」をモットーにすると大変かもしれませんので、ご注意ください(笑)

 

さて、ということで、例文を見て具体的な使い方が分かったところで、続いては実際の会話例を通して、自分自身で「有言実行」という言葉を使うイメージを養ってみましょう!

皆さんも、下記の会話例のパンダさんになりきり、〇〇の部分に入る言葉を考えてみてくださいね。

 

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有言実行の会話例

仲良しのパンダさんとヒツジさんが、ボウリングをしているシーンです。

 

 

お~!パンダさん、またストライク!これで三連続だからターキーだね!

 

 

今日は調子が良いな~。まったく外す気がしないよ!

 

 

今のところ宣言通りの連続ストライクで、まさに「有言実行」じゃないか!

 

 

そうだね!でも、ゲームに負けたら罰ゲームとして〇〇が待ってるから、油断できないよ!

 

 

いかがでしょうか?〇〇にはどんな言葉が入りましたか?

この〇〇に入る言葉は、『おごり』『デコピン』などですかね(笑)

ちなみに、最近のボウリング場では、罰ゲームとして『昆虫食』が用意されているそうです(笑)

 

さて、ということで、パンダさん達のやり取りを見て「有言実行」という表現を実際に使うイメージがついたところで、続いてはその類語を知ることで、この言葉の輪郭をより鮮明にしていきましょう

皆さんも、パッと思いつく類語がありませんか?

有言実行の類語

有言実行の類語

「有言実行」には、下記のような類語が存在します。

  1. 「言行一致」(げんこういっち)
    「口で言った事と実際の行動とに矛盾がないこと」という意味の類語ですね。
    【例文】「言行一致」で見事入社一年以内で課長に出世した夫に惚れ直した。

なお、「不言実行」以外の「有言実行」の対義語としては、「口先の出まかせばかりで実行が伴わない」という意味の「有口無行(ゆうこうむこう)」が挙げられますが、こちらは「宣言するが実行はしない」という点では「不言実行」とは違う角度での対義語と言えるでしょう。

 

また、「有言実行」の他の対義語には、「一度行ったことを完全に取り消す」という意味を持つ「前言撤回」も当てはまりますね。

 

さて、ここまで来たら「有言実行」の完全制覇まであと一歩です!

極めつけとして「有言実行」の「英語訳」も知る事で、この表現のキャラを完璧に掴んでしまいましょう!

皆さんも、自分が知っている英語で思い付く表現がありませんか?

有言実行の英語訳

英語で「有言実行」を表現するとしたら、下記のような例が適切でしょう。

1. I’ll do what I say.
「言ったことをやる」と訳せる「有気実行」に相当する英語訳になります。

2. I’m a man of my word.
直訳すると「僕は自分の言葉の男だ」となりますが、「有言実行」と同じ意味で使える英語表現です。

3. I’ll be a man of my word.
直訳は「僕は自分の言葉の男になるだろう」ですが、こちらも「有言実行」に当てはまる表現ですね。

 

いずれの表現も中学生までに習う単語しか使われていませんが、普段あまり英語に触れる機会がない方には少し馴染みのない表現だったかもしれませんね。

 

それでは最後に「まとめ」でおさらいをし、このことわざを完全にマスターしましょう!

 

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まとめ

有言実行のまとめ

いかがでしたか?「有言実行」の意味はしっかり理解できたでしょうか?

最後に、ここまでの内容を簡単にまとめましょう。

有言実行】
意味 口にした事を必ず実行すること
由来 戦後に「不言実行」から派生
類語 言行一致
対義語 有口無行
不言実行との違い 目標を口にするかしないか

さて、ここまでご覧いただいた通り、「有言実行」とは宣言通りの結果を出すことを評価する言葉でした。

確かに、仕事でもスポーツでもダイエットでも、決めた目標を達成するのはとても気持ちが良いことですし、自己肯定感アップにもつながりますよね。

しかし、そうは言っても、私たちは人間はつい甘えが出てしまい、望む結果に辿り着けないことが多いのもまた事実です(笑)

 

ということで、この記事の最後に、皆さんが自分で決めたことを無理なくやり遂げられるようになる一冊をご紹介させて頂きます!

この本を読むことで、あなたもきっと、強い意志を持ち続けられなくても目標達成できるようになりますよ!

 

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