テレビなどでよく耳にする「波乱万丈」という表現ですが、その正しい意味はご存じでしょうか?
実はこの四字熟語、「波瀾万丈」という漢字表記もあり、語源を通してその違いを比べると分かりやすい表現なのです。
また、せっかくならば、実際に「波乱万丈」に該当する人生についても知っておきたいところですよね。
ということで今回は、例文や類語なども参考にしつつ、詳しく&分かりやすく「波乱万丈」の意味を解説いたします!
波乱万丈の意味
それでは早速、「波乱万丈(はらんばんじょう)」の意味を見ていきましょう。
「波乱万丈」の意味とは、「変化が極めて激しく劇的であること」という意味になります。
これは別の言葉で言えば、「非常に大きな変化が幾度となく起こること」とも言い換えられますね。
つまり、何かしらの物事が、一定の状態で安定する事なく、激的に何度も様変わりしている様子を指して「波乱万丈」と言えるということになります。
したがって、この四字熟語の意味のキーポイントは、「大きな変化」と「たくさんの変化」と言え、逆に言えば変化の振り幅が小さかったり変化の回数が少ないと「波乱万丈」とは言えないということです。
要するに、この四字熟語の意味のイメージとしては、たとえば「変化の波」というものがあったとすると、その波の回数も多く、そのうえ波の上下運動の度合いもメチャクチャな様子を想像していただくと分かりやすいと思います。
そして、このような意味を持つ「波乱万丈」という表現ですが、この表現を日常会話で使う際の大事なポイントとしては、この表現は主に特定の人物の人生や生き方を指し示して使うことが多いという点です。
実際に、皆さんも今までどこかしらで「波乱万丈」という表現を聞いた際には、恐らく「波乱万丈な人生」というようなフレーズで耳にしたのではないでしょうか?
このように、「波乱万丈」という四字熟語は、誰かしらの一風変わったトラブル続きの壮絶な人生を表わす状況で用いられることがほとんどです。
したがって、逆に言えば「変化が激しい」とはいえ、目に見えない物はもちろん、目に見える物質や人間以外の生物に対しては基本的には使わないということです。
ちなみに、実際の日常会話においてこの四字熟語を使う際に、どのようなシーンでどういった言い回しをするのかは具体的な例文を見ると理解できるので、後程まとめてご紹介させていただきますね。
なお、その一方で、具体的には人生におけるどのような出来事が「波乱万丈」に該当するのかは、一例として下記のような経験を参考にしていただければと思います。
- 【ポジティブな経験】
- ・仕事で大成功する
- ・莫大な資産や資金を手に入れる
- ・ある業界で大活躍する・スターになる
- ・世間的に有名になる
- ・世界を股にかけた活動をする
- ・何かしらの偉業を成し遂げた
- 【ネガティブな経験】
- ・両親や本人の離婚、再婚
- ・家庭内の問題(DV、育児放棄、離散など)
- ・大病や大怪我
- ・会社の倒産や事業の失敗
- ・借金、一文無し、ホームレス経験
- ・人に騙される、詐欺にあう
- ・自然災害や災難に見舞われる
なお、一般的には、上記のようなポジティブな経験とネガティブな経験との両方を行ったり来たりする人生を指して「波乱万丈」と表現します。
つまり、何かしら特別な経験や普通でない経験を一度ならず二度三度と繰り返し、さながらジェットコースターのような激しい動きをみせる人生を「波乱万丈な人生」と呼ぶということです。
なお、そういった意味では、そのような人生に憧れるかどうかは、完全に個人の価値観によると言えそうですね(笑)
さて、ということで、ここまでで「波乱万丈」の意味がおおむね理解できた後は、この言葉の意味を完全にマスターするために、続いてその語源を見てみましょう!
また、語源を通して「波瀾万丈」という漢字表記の意味も理解しちゃいましょうね。
波乱万丈の語源・波瀾万丈との違い
さて、「波乱万丈」という四字熟語には、どのような由来があるのでしょうか?
結論から言うと、「波乱万丈」という言葉は、この表現の生まれた歴史と、使われている漢字の意味を紐解くことで、その由来が見えてきます。
ということで、その為にもまずは冒頭でも触れた「波乱万丈」と「波瀾万丈」の違いについて見てみましょう。
と言っても、実を言うと「波乱万丈」と「波瀾万丈」という表現には意味の違いはありません。
つまり、どちらも「変化が非常に激しいこと」ということを意味しており、どちらの漢字表記でも間違いではないのです。
というか、実のところ、もともとは「波瀾万丈」という漢字表記が最初に使われていたのですが、とある歴史によって「波乱万丈」という表記に変わったというのが、より正確な説明になります。
なお、その「とある歴史」というのは、第二次世界大戦後のアメリカ統治時代にさかのぼる話であり、その内容はほとんどの日本人が知らない内容だったりもします。
どういうことかと言うと、戦後復興を果たそうとする当時の日本では、食文化・生活様式・教育・政治などのあらゆる面において勝戦国であるアメリカによる介入があったのは、皆さんご存知ですよね?
そんな中、実は、日本を自分たちの完璧な支配下に置きたいアメリカは、その手段として、それまで使われていた漢字を完全に廃止して最終的にはそれらをすべてローマ字表記に置き換えてしまうことを目指していたのです。
しかし、そうは言ってもすぐさま全ての漢字を廃止すると当然混乱が起こると予想され、ローマ字表記に完全に変わるまでの当面の間だけ使用してもよい漢字ということで、1946年に『当用漢字』というものが作られました。
実はその時に、アメリカから使う許可が下りた『当用漢字』のリストに「波瀾万丈」の「瀾」という字が入らなかったのです。
そのため、人々は「波瀾万丈」の「瀾」の代わりに「乱」という漢字を代用したことが、「波乱万丈」という四字熟語の誕生する所以となったのです。
しかし、それから徐々に時が経つにつれて、漢字を完全にローマ字表記にすることは現実的ではないという判断が下されたこともあり、1981年になると『当用漢字』の後継的な位置づけとして、新しく『常用漢字』というものが生まれることになります。
しかしそのような機会が巡ってきたにも関わらず、残念ながら「瀾」という漢字は、『当用漢字』に引き続き『常用漢字』にも選ばれませんでした。
なお、『当用漢字』とはその名の通り「当面の間使ってもよい漢字」であり、その一方で『常用漢字』とは、内閣が「法令、公用文書、新聞、放送など、一般の社会生活において使う目安となる漢字」と定義した漢字のことです。
つまり、「波瀾万丈」の「瀾」は、『当用漢字』が廃止されアメリカによる制限がようやく解除されたのに、今度は『常用漢字』としての内閣のお墨付きも完全にもらい損ねたのです。
そう考えると、「瀾」はとても可愛そうな漢字ですよね?(笑)
つまり、ここまで話したような漢字にまつわる歴史的な変化の中で、「瀾」という漢字が世間一般であまり使われなくなったことで、「波乱万丈」という表記の方が目にする機会が圧倒的に多くなったのです。
なお、そうは言っても、先ほども述べたように、現代における表記は「波乱万丈」でも「波瀾万丈」でも間違いではないとされているので、その点はくれぐれも忘れないようにしましょうね。
もっとも、このような歴史的な変遷を考慮すると、『「波瀾万丈」という漢字表記の人生自体が波瀾万丈だった』と言えるかもしれません(笑)
なお、冒頭で触れた、この四字熟語に使われているそれぞれの熟語の意味は下記になります。
波瀾:「ごたごた・揉め事」「単調ではなく複雑な変化をすること」
万丈:「非常に高さがあること」「とても深さがあること」
このように、前後半に分けその熟語の意味を知ると、「波乱万丈」の意味が「変化が激しく劇的であること」ということもすんなりと腑に落ちますね。
さて、ということで、語源を把握し「波乱万丈」の意味が完璧に理解できたところで、続いてはこの表現がどういった時に使われるのか、例文を見ることで言葉の使い方をマスターさせましょう!
ここまでの説明を聞いた皆さんは、どのような例文が思いつきますか?
波乱万丈の例文
「波乱万丈」という表現は、下記例文のような形で使う事ができます。
- 例文1.彼女の生涯は、人生の酸いも甘いも嚙み分けた「波乱万丈」な人生だった。
- 例文2.いま話題のドラマの主人公の生き様は、さながら「波乱万丈」の物語だ。
- 例文3.五輪を賑わせたその選手の人生は「波乱万丈」で、まるで映画のような内容だ。
- 例文4.時代の波に翻弄されたその大統領には、「波乱万丈」という言葉がピッタリだ。
- 例文5.多くの稀有な経験をしてきた「波乱万丈」な人生が、私の器を大きくしてくれた。
- 例文6.人生の長きにわたり幸不幸を繰り返した彼の半生はまさしく「波乱万丈」と言える。
四字熟語には、ポジティブ・ネガティブどちらか一方の意味合いで使えるものと、両方の意味合いで使えるものとがあります。
そんな中、例文をご覧いただいて分かるように「波乱万丈」という表現は、ポジティブ・ネガティブどちらの意味でも使える言葉ですね。
要するに、「波乱万丈」だった人生を振り返り、「大変だったが素晴らしい人生だった」と肯定するのか、「大変なことばかりで悲惨な人生だった」と否定的に捉えるのかによって、「波乱万丈」のニュアンスも変わるということです。
なお、そういった意味では、人生における波の上下が繰り返される中で、最終的に良い波に乗ったタイミングで終わりを迎えられたのか、それとも下り坂の状況で幕を下ろしたのかによって、人生全体の捉え方も変わっていると言えそうですね。
さて、ということで、例文を見て具体的な使い方が分かったところで、続いては実際の会話例を通して、自分自身で「波乱万丈」という言葉を使うイメージを養ってみましょう!
皆さんも、下記の会話例のパンダさんになりきり、〇〇の部分に入る言葉を考えてみてくださいね。
波乱万丈の会話例
映画館から帰る途中で居酒屋に寄ったパンダさんとヒツジさんが談笑しています。
いや~、それにしてもさっき見た映画、ホント面白かったね。
だねだね。なんかさ、ああいう「波乱万丈」の人生ってちょっと憧れるよね~。
実はボク、自分の死後に、趣味の切手集めの記録が自伝になるのがひそかな夢なんだよね。
いやいや、『ファーブル昆虫記』や『〇〇動物記』じゃないんだから絶対無理でしょ!
いかがでしょうか?〇〇にはどんな言葉が入りましたか?
この〇〇に入る言葉は、大人には懐かしき単語、『シートン』ですね(笑)
ちなみに、はがき全盛期の時代は多くの方が熱中してた「切手集め」ですが、今では完全に死語と化してますよね(笑)
さて、ということで、パンダさん達のやり取りを見て「波乱万丈」という表現を実際に使うイメージがついた(?)ところで、続いてはその類語を知ることで、この言葉の輪郭をより鮮明にしていきましょう!
皆さんも、パッと思いつく類語がありませんか?
波乱万丈の類語
「波乱万丈」には下記のような類語が存在します。
- 1.「波乱曲折」(はらんきょくせつ)
「波乱万丈」と同じ意味を持つ同義語 - 2.「紆余曲折」(うよきょくせつ)
道などが曲がりくねること、色々と込み入っていて複雑なこと - 3.「山あり谷あり」
人生における浮き沈みが激しいこと - 4.「起伏が激しい」
「山あり谷あり」の同義語
なお、「波乱万丈」の対義語としては、「変化しない」という意味では、「不変」「定常」「安定」「一定」などが挙げられます。
またその一方で、「波乱万丈な人生」という場合の対義語には、「普通・一般的である」という意味で、「平凡」「人並み」「ありきたり」「何の変哲もない」といったような表現が当てはまると言えるでしょう。
このように、同義語・類語・対義語と比べることで、「波乱万丈」のニュアンスがよりシャープになり意味の理解が深まりますね。
さて、ここまで来たら「波乱万丈」の完全制覇まであと一歩です!
極めつけとして「波乱万丈」の「英語訳」も知る事で、この表現のキャラを完璧に掴んでしまいましょう!
皆さんも、自分が知っている英語で思い付く表現がありませんか?
波乱万丈の英語訳
英語で「波乱万丈」を表現するとしたら、下記のような例が適切でしょう。
1.full of ups and downs
「波乱万丈」をシンプルに英語訳した表現ですね。2.ups and downs
日本語の「山あり谷あり」に該当する英語表現です。
いずれの表現も難しい単語は使われていませんが、普段あまり英語に触れる機会がない方には馴染みのない表現だったかもしれませんね。
それでは最後に「まとめ」でおさらいをし、この四字熟語を完全にマスターしましょう!
まとめ
いかがでしたか?「波乱万丈」の意味はしっかり理解できたでしょうか?
最後に、ここまでの内容を簡単にまとめましょう。
【波乱万丈】 | |
意味 | 変化が激しく激的である |
由来 | 元々は「波瀾万丈」 |
類語 | 波乱曲折、紆余曲折など |
対義語 | 不変、平凡など |
英語訳 | full of ups and downs |
さて、ここまでご覧いただいた通り「波乱万丈」とは、主に良くも悪くも変化が激しい人生を指して使われる言葉でした。
なお、本文中でも述べたように「波乱万丈」な人生を望むかは人それぞれですが、歴史に名を残すような多くの偉人の人生は一筋縄ではいかないことがほとんどのようですね。
むしろ、そのような特別な経験をすることで、人並外れた能力や結果を手に入れることができるのでしょう。
ということで、この記事の最後に、せっかくの機会なので波乱万丈な人生を生きた偉人に関する一冊をご紹介させて頂きます!
この本は子供の教材としてはもちろん、雑学や豆知識として勉強することで大人にも為になる内容ですよ!
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