日常ではあまり耳馴染みのない「大同小異」という表現ですが、その正しい意味はご存じでしょうか?
実はこの四字熟語、一度意味を覚えても時間が経つとまた意味を忘れてしまうため、多くの方にとってなかなか完全に習得できない問題児な表現なのです。
ということで今回は、言葉の由来を知ることで意味の定着も完璧にしつつ、例文や類語なども参考にしながら、詳しく&分かりやすく「大同小異」の意味を解説いたします!
大同小異の意味
それでは早速、「大同小異」の意味を見ていきましょう。
「大同小異」の意味とは、「大体は同じだが、細かい点に違いがあること」という意味になります。
また、その意味から転じて実際の日常会話においては「似たり寄ったり」「大差のないこと」という意味合いで使われることが多いですね。
つまり、「代わり映えがなく、類似しているものごとが集まっている」というようなニュアンスで使われます。
そういった意味では、「大同小異」という表現を使うときの背景には、「大して違いがない」という事に対して否定的な意味合いを含んでいるのもポイントですね。
したがって、この四字熟語を使う具体的な状況としては、選択肢が多くても内容に大差がないようなシーンで用いることが多いです。
要するに、選択肢の数はたくさんあるもののレパートリーが少ないとき、つまり選ぶ楽しみや選び甲斐がない状況を指して「大同小異」と言うことができます。
これは逆に言えば、「選択肢が多くて困っちゃう」というような意味合いでは使わないということです。
なお、その比較対象となる具体的な選択肢としては、「物」や「人」はもちろん、たとえば「アイディア」などといったような無形なものまで多岐にわたり使うことができ、この点に関しては実際の例文を見ることで理解が進むので、後程まとめご紹介させていただきますね。
ちなみに、漢字での書き間違いでよくあるのが、「大同小違」というように「異」を「違」と誤用してしまうことが多いので、この点はご注意ください。
なお、『「大同小異」を仮に書き間違えても、それこそ「大同小異」だから別にいいでしょ』と言うのはご法度ですよ(笑)
さて、ということで、ここまでで「大同小異」の意味がおおむね理解できた後は、この言葉の意味を完全にマスターするために、続いてその語源を見てみましょう!
冒頭でも触れたように、何度覚えても意味を忘れてしまうことも、語源を知っておけば防ぐことができます。
大同小異の語源
さて、「大同小異」という四字熟語には、どのような由来があるのでしょうか?
結論から言うと、「大同小異」という言葉は、紀元前300年ごろの中国で活躍した『荘子』という思想家が書いた書物『荘子』の中に、その由来が隠れています。
その『荘子』という思想書の『天下』という最後の項目にある下記のような記述が、「大同小異」の語源と言われています。
『大同而与小同異、此之謂小同異。万物畢同畢異、此之謂大同異』
このままでは全く意味が分からないので、解説させていただきますね(笑)
この文章を現代語訳すると、「世の中には大同にして小同と異なるものがあり、これを小同異という。この一方で、万物ことごとく同じく、ことごとく異なるものがあり、これを大同異という」というように訳せます。
ご覧のように、現代語に訳してもまだ意味が分かりにくいですね(笑)
ということで、この訳を更に噛み砕いて言えば、「小さな部分が同じだったり異なったりしていることを『小同異』と言い、普遍的なものとしては同じだが個別的なものとしては異なることを『大同異』と言う」という意味になります。
ご覧のように、「小同異」の説明はなんとなく分かりますが、「大同異」の意味がややこしいですね。
最後に、この「大同異」の意味だけ更に分かりやすく言えば、「個別で見ればそえぞれ異なって見えるが、普遍的な意味ではみな同じであること」ということです。
つまり荘子は、「ものごとの見方を変えることで、違うことが同じことになることもあれば、同じことが違うことになることもある」という事が言いたかったのでしょう。
これは例えば、『「偶数」と「奇数」は相対する違うものだけど、「数字」というくくりで見れば同じだよね』ということです。
あるいは、「男と女」という違いも一つ高い視点で見れば「同じ人間」ですよね。
そしてその逆もしかりで、「人間」という枠組みで見れば男女の違いはないですが、それをあえて「男と女」に分けることもできます。
つまり、抽象的な視点と具体的な視点を行き来することで、異なるものが同じものとして捉えられることもあれば、その逆もあるよねということを荘子は言っているのです。
これは、中国三大宗教の一つである『道教』の始祖の一人とも言われる荘子らしい、非常に哲学的な問いですね(笑)
そして、ここから現在のような「大体同じだが、細かい点に違いがある」という意味を持つ故事成語として「大同小異」という表現が誕生します。
なお、「大同」とはその字の通り「大きく同じ」という意味で、「小異」も読んで字のごとく「小さく異なる」という意味です。
このように、「大同小異」という四字熟語は、前後半で分けてそれぞれの熟語の意味を紐解くと、その意味がより理解しやすくなる言葉でもありますね。
さて、ということで、語源を把握し「大同小異」の意味が完璧に理解できたところで、続いてはこの表現がどういった時に使われるのか、例文を見ることで言葉の使い方をマスターさせましょう!
ここまでの説明を聞いた皆さんは、どのような例文が思いつきますか?
大同小異の例文
「大同小異」という表現は、下記例文のような形で使う事ができます。
- 例文1.新機種のスマホが次々に出るが、結局どれも「大同小異」じゃないのだろうか。
- 例文2.社食の日替わりランチが安いのは良いが、正直メニューが毎日「大同小異」だ。
- 例文3.何度会議を重ねたところで「大同小異」な案が生まれるだけで全く意味がない。
- 例文4.彼の成績と私の成績は「大同小異」であるはずなのに、彼だけ試験に合格した。
- 例文5.妻はスーパーでの野菜選びに時間をかけるが私にはどれを選んでも「大同小異」としか思えない。
- 例文6.人生をより良くしたくて皆必死で頑張るが、どんな選択をしても結局は「大同小異」なのかもしれない。
四字熟語には、ポジティブ・ネガティブどちらか一方の意味合いで使えるものと、両方の意味合いで使えるものとがあります。
そんな中、例文をご覧いただいて分かるように、「大同小異」という表現は基本的にネガティブなニュアンスで使われる言葉になります。
先ほども述べたように、「選択肢が多いだけでどれも代わり映えしない」というのは、誰にとっても好ましい状況ではないですもんね(笑)
そういった意味では、「大同小異」という表現を使う際の心情としては、主に「変化がなくて残念だよ」「どうせ大した違いはないでしょ」「どれも同じじゃん」といった感じで、落胆・失望する感情や悲観的な気持ちがあります。
また、例文の「大同小異」の部分をそのまま「ほとんど同じ」という言葉に代用できるのも、この表現を使いこなす上での大事なポイントと言えそうです。
さて、ということで、例文を見て具体的な使い方が分かったところで、続いては実際の会話例を通して、自分自身で「大同小異」という言葉を使うイメージを養ってみましょう!
皆さんも、下記の会話例のパンダさんになりきり、〇〇の部分に入る言葉を考えてみてくださいね。
大同小異の会話例
仲良しのパンダさんとヒツジさんが、休日に喫茶店で談笑しています。
パンダさん、相変わらず人気ブランドのスニーカー買いまくってるの?
うん!ちょうど昨日も〇〇の新作を買ったんだけど、それで20足目だね!
前から思ってたけど、正直ボクからしたらどの靴も「大同小異」なんだけどね(笑)
うわ!そんな事言えるのが信じられない!色違いで揃えたりする喜びが分からないなんて!
いかがでしょうか?〇〇にはどんな言葉が入りましたか?
この〇〇に入る言葉は、『ナイキ』や『ニューバランス』などですかね(笑)
マニアやオタクと言われる人たちのこだわりって、その分野に無関心の人にとっては理解し難いものですよね(笑)
さて、ということで、パンダさん達のやり取りを見て「大同小異」という表現を実際に使うイメージがついた(?)ところで、続いてはその類語と対義語を知ることで、この言葉の輪郭をより鮮明にしていきましょう!
皆さんも、パッと思いつく類語や対義語がありませんか?
大同小異の類語・対義語
「大同小異」には、下記のような類語が存在します。
- 1.「五十歩百歩」(ごじゅっぽひゃっぽ)
小さい違いはあるが大差はなく、似たり寄ったりであること - 2.「異曲同工」(いきょくどうこう)
外見は違っているが、内容は同じであること - 3.「同工異曲」(どうこういきょく)
「異曲同工」の同義語 - 4.「五分五分」(ごぶごぶ)
おたがいの能力・力関係などに差がないこと - 5.「已己巳己」(いこみき)
文字の形が非常に似ている事から、互いに似ているものをたとえ
なお、「代わり映えのしないもの同士が比べ合っている」という意味を持つ「目くそ鼻くそを笑う」や「どんぐりの背比べ」といった表現も、厳密には類語とは言えませんが「大同小異」と似たニュアンスを持っていますね。
またこれらの類語がある一方で、「大同小異」の対義語としては下記のようなものが挙げられます。
- 1.「大異小同」(だいいしょうどう)
同じ部分は多少あるが、全体的には大きく違うこと - 2.「雲泥之差」(うんでいのさ)
比べものにならない程の大きな相違があること - 3.「天淵之差」(てんえんのさ)
違いの差が非常に大きいこと - 4.「天懸地隔」(てんけんちかく)
天と地のようにに甚だしい違いがあること - 5.「月とスッポン」
比較するまでもないくらい大きな違いがあること - 6.「鰯と鯨」(いわしとくじら)
極めて大きな差があること - 7.「釣鐘と提灯」(つりがねとちょうちん)
釣り合いが取れていない、比較にならない - 8.「雪と墨」
違いがはなはだしい事のたとえ
このように、同義語・類語・対義語と比べることで、「波乱万丈」のニュアンスがよりシャープになり意味の理解が一層深まりますね。
さて、ここまで来たら「大同小異」の完全制覇まであと一歩です!
極めつけとして「大同小異」の「英語訳」も知る事で、この表現のキャラを完璧に掴んでしまいましょう!
皆さんも、自分が知っている英語で思い付く表現がありませんか?
大同小異の英語訳
英語で「大同小異」を表現するとしたら、下記のような例が適切でしょう。
1. nearly alike
2. be not much difference
3. much of a muchness
4. all much the same
いずれの表現も難しい単語は使われていませんが、英語に触れる機会が普段ない方には馴染みのない表現だったかもしれませんね。
それでは最後に「まとめ」でおさらいをし、この四字熟語を完全にマスターしましょう!
まとめ
いかがでしたか?「大同小異」の意味はしっかり理解できたでしょうか?
最後に、ここまでの内容を簡単にまとめましょう。
【大同小異】 | |
意味 | 似たり寄ったり、ほとんど同じ |
由来 | 古代中国の書物『荘子』 |
感情 | 落胆、失望、悲観的、無意味感 |
類語 | 五十歩百歩、異曲同工など |
対義語 | 大異小同、月とスッポンなど |
英語訳 | nearly alike |
さて、ここまでご覧いただいた通り「大同小異」とは主に、選ぶ楽しみがないときや、わざわざ選択する価値が感じられずガッカリするような状況で使える表現でした。
確かに、どのような物事においても、選択肢が豊富なことは自由な感じがして嬉しくなるものですよね。
そういった意味では、私たちは誰しも心のどこかで常に自由を切望しているのかもしれません。
ということで、この記事の最後に、自由な人生を生きたいと願う全ての方にオススメの一冊をご紹介させて頂きます!
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