日常会話ではあまり耳にすることの少ない「意味深長」という表現ですが、その正しい意味はご存じでしょうか?
実はこの四字熟語、この言葉が持つ異なる二つの意味や「意味深」という表現を混同して使っている人も多い、要注意の表現なんです。
ということで今回は、例文や類語なども参考にしながら、詳しく&分かりやすく「意味深長」の意味を解説いたします!
意味深長の意味
それでは早速、「意味深長」の意味を見ていきましょう。
冒頭でも触れたように、「意味深長」には混同されやすい二つの意味があります。
まず、一つ目の「意味深長」の持つ意味とは、「人の言動や文章などに、非常に深い趣・奥深さがあること」という意味になります。
これをもう少し別の言葉で言えば、「味わい深さや、趣のある面白い発言・文章表現のこと」とも言い換えられますね。
つまり、ありきたりであったり浅はかな言葉ではなく、何か惹きつけられるような魅力のある言葉を指して「意味深長」と表現するということですね。
したがって、こちらの意味で「意味深長」という言葉を用いる際は、基本的にポジティブなニュアンスで使います。
要するに、普通とは違う独特の魅力を持つ表現に対し、賞賛や感心するような心境で使われるということですね。
さて、続いて「意味深長」の持つ二つ目の意味を見てみましょう。
その二つ目の意味とは「表現の表面にあらわれた意味の他に、別の意味が含まれていること」という意味になります。
これをもう少し別の言葉で言えば、「表現に含みを感じること」や「隠されたメッセージが潜んでいる表現」とも言い換えられますね。
つまり、言葉の表には出てこない裏の意図が隠されているように感じる表現に対し、この二つ目の意味で「意味深長」という言葉を使えるということです。
なお、ここまでの話を聞いてすでにお気づきの方もいると思いますが、この二つ目の意味で「意味深長」を使うときに、省略した形で「意味深(いみしん)」と表現することもできます。
むしろ、「意味深長」を二つ目の意味で普段の日常会話で使うときは、「意味深」という略語表現の方がたくさん耳にする機会が多いという方が多いのではないでしょうか。
いずれにしろ、「意味深長」がこのような意味で用いられるときは、発言の聞き手が「一体どういうこと?」「どうも隠し事がありそうだな」「なんか引っかかる」といったような感じで、疑問や懐疑心を持つ傾向があります。
つまり、「意味深」な発言を言われた側は、主に何かしらの不安や不信感を抱くようなシーンでこの二つ目の意味は用いられるということですね。
ではここで、改めて「意味深長」の持つ二つの意味を整理しましょう。
①味わいがあり奥深い表現
⇒賞賛や感心=ポジティブ
②隠された意図や含みがある表現
⇒不安や不信感=ネガティブ
このように比較すると、一見似たような意味に思える両者が、全く違うニュアンスを持つことが一目瞭然ですね。
なお、逆に両者の共通点は「すぐには本当の意味が理解しがたい表現」という点が挙げられそうでうね。
また、一般的な日常会話においては、どちらかと言うと②の「意味深」という意味で使われることの方が多いこともポイントになります。
ちなみに、実際の会話における、この表現を使う具体的なシーンや正しい言い回しは、例文を見ると簡単に理解ができるので、後程まとめて紹介させていただきますね。
さて、ということで、ここまでで「意味深長」の意味がおおむね理解できた後は、この言葉を完全にマスターするために、続いてその語源を見てみましょう!
むしろ、この四字熟語はしっかりと語源を把握することで、より意味の理解が進むタイプの表現でもあります。
意味深長の語源
さて、「意味深長」という四字熟語には、どのような由来があるのでしょうか?
結論から言うと、「意味深長」という表現は、約11世紀~12世紀頃の明時代の中国で誕生した『論語序説』という書物に由来が存在します。
その書物において、朱子学の創始者としても知られる『朱熹(しゅき)』が、下記のような記述を残しました。
程子曰。頤自十七八讀論語。
當時已曉文義。
讀之愈久。
但覺意味深長。
このままでは全く意味が分からないので、解説させていただきますね(笑)
上記の漢文を現代語訳すると、「程子が言うには、自分は17~18才頃から論語を読んでいた。当時の私は既に文章の意味は分かっているつもりであったが、論語を読んで久しくしてから意味深長と悟った」
つまり、この文章で朱熹が言いたかったのは「若い頃から論語を読んでいるのでその内容は分かった気になっていたが、時が経ってから読む回数を重ねる程にその裏に隠された意味に気づくようになり、非常に奥が深さを感じられる」ということです。
要するに、「自分の成長と共に、以前読んだ文章から前とは違う気づきが得られる」ということを言い表しているのですね。
きっと皆さんも、似たような経験があるのではないでしょうか?
たとえば、本や小説に限らず映画でもマンガでも、一回目に見たり読んだ時より二回目三回目と触れていくにつれて以前とは違う発見や驚きがあったりしますよね。
もちろん、その背景には自分自身の成長などもありますが、その作品自体に深さや奥行きがないとそういった楽しみ方も出来ません。
つまり、そのような優れた作品から得られる知見の多さと奥深さを表す一説から、「意味深長」という言葉が生まれたのです。
いかがでしょうか?
こうして語源を聞くと、「意味深長」という言葉に、すごく「意味深長」さを感じますよね?(笑)
冗談は置いておいて、実際には「意味深長」に限らず、四字熟語というのはその語源を知ると意外な発見や面白い由来があるものが多いので、気になった四字熟語があれば是非一度ご自身でも調べてみてくださいね。
さて、ということで、語源を把握し「意味深長」の意味が完璧に理解できたところで、続いてはこの表現がどういった時に使われるのか、例文を見ることで言葉の使い方をマスターさせましょう!
ここまでの説明を聞いた皆さんは、どのような例文が思いつきますか?
意味深長の例文
「意味深長」という表現は、下記例文のような形で使う事ができます。
- 例文1.この作家の文章は「意味深長」だから、読むたびに毎回新しい学びがある。
- 例文2.子供の頃に習ったわらべ歌の歌詞の「意味深長」さに、大人になってから気づく。
- 例文3.聖書や仏教の説法などは、賢人の「意味深長」な言葉への解釈が難しいところだ。
- 例文4.彼が別れ際に見せた「意味深長」な笑みが、私をより一層不安にさせた。
- 例文5.『何も言わずにこの手紙を預かってほしい』という「意味深長」な発言に困惑する。
- 例文6.部長はやたらと「意味深長」な物言いをするが、実のところ彼は何も考えていない。
例文をご覧いただいて分かるように、例文1~3は「趣のある深い発言」という一つ目の意味で「意味深長」を使っており、例文4~6は「隠れた裏の意図を感じる発言」という二つ目の意味で使っていますね。
なお、最初の意味の説明の際にも述べた通り、こうして実際の例文を見れば、発言者がどちらの意味で用いているかの判断は難しくなさそうですね。
さて、ということで、例文を見て具体的な使い方が分かったところで、続いては実際の会話例を通して、自分自身で「意味深長」という言葉を使うイメージを養ってみましょう!
皆さんも、下記の会話例のパンダさんになりきり、〇〇の部分に入る言葉を考えてみてくださいね。
意味深長の会話例
大学同期のパンダさんとヒツジさんが、学食で談笑しています。
え!パンダさん、川沿いの『小林荘』に引っ越しすることにしたの!?
うん!だって、家賃メチャクチャ安かったんだもん。
あちゃ~。引っ越し決める前に、事前に言ってくれれば注意できたのにな~。
え?何その「意味深長」な発言…。やめてよ、何かあるなら教えてよ!
実はあそこのアパート、夜になると〇〇が出る事で有名らしいよ…。
いかがでしょうか?〇〇にはどんな言葉が入りましたか?
この〇〇に入る言葉は、『オバケ』『幽霊』などですかね(笑)
とは言え、今は事故物件が特定できるサイトもあるので、本当に便利な時代になりましたよね(笑)
さて、ということで、パンダさん達のやり取りを見て「意味深長」という表現を実際に使うイメージがついた(?)ところで、続いてはその類語と対義語を知ることで、この言葉の輪郭をより鮮明にしていきましょう!
皆さんも、パッと思いつく類語や対義語がありませんか?
意味深長の類語・対義語
「意味深長」には、下記のような類語が存在します。
- 1.「意在言外」(いざいげんがい)
はっきりものを言わずに、含みをにおわせる - 2.「意味有りげ」
重要性や意義に富んでいること
またこれら類語が存在する一方で、「意味深長」の対義語としては下記のようなものが挙げられます.
- 1.「単純明快」
複雑でなく非常に分かりやすいこと - 2.「簡単明瞭」(かんたんめいりょう)
物事や表現が易しく、はっきりと分かりやすいこと - 3.「意味浅」(いみあさ)
「意味深」の対義語として生まれたネットスラングに近い表現
このように、類語・対義語と比べることで、「意味深長」のニュアンスがよりシャープになり意味の理解が深まりますね。
さて、ここまで来たら「意味深長」の完全制覇まであと一歩です!
極めつけとして「意味深長」の「英語訳」も知る事で、この表現のキャラを完璧に掴んでしまいましょう!
皆さんも、自分が知っている英語で思い付く表現がありませんか?
意味深長の英語訳
英語で「意味深長」を表現するとしたら、下記のような例が適切でしょう。
1. deep
和訳:深い、奥行きがある2. profound
和訳:奥深い3. suggestive
和訳:思わせぶりな・示唆に富む4. meaningful
和訳:意味ありげな
おそらくそれほど難しい表現は使われていないと思うので、「意味深長」の持つキャラクターがより分かり易くなったのではないでしょうか?
それでは最後に「まとめ」でおさらいをし、この四字熟語を完全にマスターしましょう!
まとめ
いかがでしたか?「意味深長」の意味はしっかり理解できたでしょうか?
最後に、ここまでの内容を簡単にまとめましょう。
【意味深長】 | |
意味 | ①味わいがあり奥深い表現 |
②隠された意図や含みがある表現 | |
感情 | ①賞賛・関心 |
②不安・不信感 | |
由来 | 『論語序説』の朱熹の発言 |
類語 | 意在言外など |
対義語 | 単純明快など |
英語訳 | profound・meaningfulなど |
さて、ここまでご覧いただいた通り「意味深長」とは、二通りの意味を分けて使う必要がある言葉でした。
とはいえ、いずれの意味でも「すぐには理解しがたい」という意味合いで使われていましたね。
確かに、特に過去の偉人や著名人の名言などは、最初に聞くときは意味の解釈が難しかったりすることで、逆に教養として好まれるのかもしれません。
ということで、この記事の最後に、人生に役立つ世界中の名言を、素敵な写真と共にまとめた一冊をご紹介させて頂きます!
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