あまり聞き馴染みのない方も多い「一意専心」という表現ですが、その正しい意味・使い方はご存じでしょうか?
実はこの四字熟語、同じ意味の同義語や、似た意味を持つ類語とが混乱することで、誤用してしまっている方が意外と多い、要注意の表現なんです。
ということで今回は、例文や語源なども参考にしながら、詳しく&分かりやすく「一意専心」の意味を解説いたします!
一意専心の意味
それでは早速、「一意専心(いちいせんしん)」の意味を見ていきましょう。
「一意専心」の意味とは、「他のことに心を動かされることなく、ただひたすら一つのことに集中すること」という意味になります。
これは言い換えれば、「それ以外のことには脇目もふらずに、たった一つのことにだけ心血を注ぐこと」とも言い換えられますね。
つまり、何か一つの対象に対してのみ意識を向けているような状況を指して「一意専心」と表現できるということです。
これは逆に言えば、一つだけに絞らずに複数の物事に取り組んでいたり、取り組む物事は一つだけだとしてもその物事に対しそれほど一生懸命ではないときは「一意専心」とは言えないということですね。
むしろ、その取り組みにおいて何かしらの成果や結果を出すために、他のものには一切関与しないという強い意志が垣間見えることすらあるでしょう。
したがって、「一意専心」という表現を用いるときの背景にある心情としては、「絶対に諦めないぞ」「必ず成し遂げてみせる」といったような、これから始める取り組みに対しての並々ならない覚悟や決意といった感情があることが多いです。
そういった意味では、「一意専心」という表現を使う主な目的には、自分の中にある強い思いに関する「意思表示」や「決意表明」というような意図で用いることが多いことも大切なポイントと言えるでしょう。
ちなみに、「一意専心」で専念する取り組みの具体例としては実際の例文を見ると分かりやすいので、後程まとめて紹介させていただきますね。
また、この四字熟語は、使われている前後半の熟語のそれぞれの意味を紐解いていくと、より一層意味の理解が進む表現でもあるので、その点も簡単に触れておきたいと思います。
まず、「一意専心」の前半部分の熟語である「一意」とは、「一途に一つの事に心を注ぐこと」という意味になります。
続いて、後半部分の「専心」は、「心を一つの物事に集中すること」という意味合いを持っています。
よって、このような「一つの事柄にのみ心を注ぐ」という似たようなニュアンスを持った、「一意」と「専心」が合わさることで構成されている「一意専心」は、その意味合いをより強めた四字熟語と言えるでしょう。
なお、「一意専心」を「意(い)を一(いつ)にし、心(こころ)を専(もっぱら)にす」と訓読しても、同様の意味が浮かび上がりますね。
また、「一意専心」の「専」は「摶」とも書くことがあり、また、「一意専心」の四つの漢字の順番が代わり「専心一意(せんしんいちい)」と表現することもあるので、この事も頭の片隅に入れておくと良いと思います。
さて、ということで、ここまでで「一意専心」の意味がおおむね理解できた後は、続いてはこの言葉を完全にマスターするために、その語源を見てみましょう!
むしろこの四字熟語は、その語源を把握することでより意味の理解が進み記憶の定着に役立つ、という側面もある表現です。
一意専心の語源
さて、「一意専心」という四字熟語には、どのような由来があるのでしょうか?
結論から言うと、実は「一意専心」の由来として濃厚な説は、二つあると言われています。
その有力説のまず一つ目としては、古代中国の書物である『管子(かんし)』に、その語源が存在しているというものです。
『管子』の中には、「身体が健康で尚かつ血流も安定しているときは、耳や目といった器官の感覚が乱れることがなくなることで、遠くの物がとても近くに見える」という内容が記載されています。
これは「一つの物事に集中することで、感覚が非常に鋭くなる」という事を言い表した文章であり、これはすなわち「一意専心」と同じ意味を表す文脈だと解釈することができますね。
そのような背景から、『管子』に存在するこの部分の記述が、「一意専心」の由来ではないかと言われています。
さて、続いて「一意専心」の語源として有力な二つ目の説を見てみましょう。
その二つ目の説とは、「囲碁」の世界にまつわるある逸話に、その由来が眠っているというものになります。
ある所に、同じ名人から囲碁を学ぼうとする二人の弟子がいました。
しかし、その二人の弟子の囲碁に対する態度には、天地の差があります。
というのも、弟子のうちの一人は、対戦相手の動きの分析などを通してもっと上達したいと懸命に努力する一方で、もう一方の弟子はと言うと、窓越しを外の景色を眺めているばかりで努力するそぶりは皆無でした。
その結果、前者の弟子は囲碁の腕前をどんどん上げていくのですが、後者の弟子は当然ながら一切成長することはありませんでした。
このような逸話から、一つの物事に集中することの大切さを説く言葉として、「一意専心」という四字熟語が生まれたのではないかという説が、二つ目の有力候補になります。
いかがでしょうか?
これら『管子説』と『囲碁説』の両者の由来を聞いた皆さんは、どちらの方が信憑性があると思いますか?
とは言え、ここで大切なのは、どちらの説が正しいかではなく、「この四字熟語の持つ意味を、より一層記憶に定着してくれるのはどちらか?」という視点だと言えるでしょう。
そういった意味では、両方の説のうち印象に残った方を、自分の頭の片隅に置いておいていただければと思います。
むしろ、両方の由来に気が散ることで目的が果たせなければ、それこそ「一意専心」とは言えなくなってしまいますからね(笑)
さて、ということで、語源を把握し「一意専心」の意味が完璧に理解できたところで、続いてはこの表現がどういった時に使われるのか、例文を見ることで言葉の使い方をマスターさせましょう!
ここまでの説明を聞いた皆さんは、どのような例文が思いつきますか?
一意専心の例文
「一意専心」という表現は、下記例文のような形で使う事ができます。
- 例文1.今回の仕事は、「一意専心」の気持ちが無ければ目標達成することは難しい。
- 例文2.最高の作品を完成させるためには、「一意専心」を忘れないことが最も大切だ。
- 例文3.余計な事に振り回されない重要さを説いた「一意専心」は、今の私には座右の銘だ。
- 例文4.念願だった飲食店経営することになったので、「一意専心」で仕事に邁進したい。
- 例文5.難関国立大を一次志望にしたからには、「一意専心」にひたむきに勉強に取り組む。
- 例文6.今回の選挙に当選した暁には、「一意専心」の所存で市民の皆様の為に貢献します。
ご覧いただいたように、「一意専心」という四字熟語は、これから超えるべき壁のようなものに対する姿勢を言い表した表現と言えますね。
具体的なシーンとしては、例文にもあるように、これからの取り組みに対して「気を引き締める」ような目的で使ったり、自分の覚悟をアピールする・再確認するような目的で使うことが多いでしょう。
さて、ということで、例文を見て具体的な使い方が分かったところで、続いては実際の会話例を通して、自分自身で「一意専心」という言葉を使うイメージを養ってみましょう!
皆さんも、下記の会話例のヒツジさんになりきり、〇〇の部分に入る言葉を考えてみてくださいね。
一意専心の会話例
会社の同僚のパンダさんとヒツジさんが、仕事終わりに飲み屋で談笑しています。
パンダさん、今朝から元気ないけど、何かあったの?
実は昨日、今の仕事に「一意専心」したいから、しばらく距離を置きたいって彼女に言われたんだ。
あちゃ~。言いたくないけど、それ絶対、最終的に〇〇しちゃうパターンだよ。
だよね。むしろ、仕事以外の理由が本当はあるんじゃないかと思っちゃうよ…。
いかがでしょうか?〇〇にはどんな言葉が入りましたか?
この〇〇に入る言葉は、『自然消滅』『心離れ』などですかね(笑)
こういう話って割と耳にしますが、このようなカップルが復縁する確率はかなり低いですよね(笑)
さて、ということで、パンダさん達のやり取りを見て「一意専心」という表現を実際に使うイメージがついた(?)ところで、続いてはその同義語・類語・対義語を知ることで、この言葉の輪郭をより鮮明にしていきましょう!
皆さんも、パッと思いつく同義語などがありませんか?
一意専心の同義語・類語・対義語
「一意専心」には、全く同じ意味を持つ下記のような同義語が存在します。
- 1.「一意繋心」(いちいけいしん)
- 2.「一心一意」(いっしんいちい)
- 3.「一心不乱」(いっしんふらん)
- 4.「専心一意」(せんしんいちい)
ご覧いただいたように、「一」「心」「意」という漢字が使われる同義語が圧倒的に多いですね。
また、このような同義語が存在する一方で「一意専心」と似た意味を持つ類語は、下記に挙げるようなものが当てはまります。
- 1.「一意攻苦」(いちいこうく)
一途に心身を苦しめてまで努力すること - 2.「遮二無二」(しゃにむに)
あれこれ考えずその事だけを強引に進める様子(=がむしゃらに) - 3.「無二無三」(むにむさん)
ただそれ一つだけで他にはないこと、脇目もふらずひたすらな様子 - 4.「無我夢中」(むがむちゅう)
心を奪われ無意識でひたすら行動すること - 5.「猪突猛進」(ちょとつもうしん)
目標に対して向こう見ずに突き進むこと
ご覧いただいたように、これらの類語はそれぞれ「一意専心」とは微妙にニュアンスが異なっているのがポイントですね。
また、これらのような類語がある一方で、「一意専心」には下記のような対義語があります。
- 1.「注意散漫」(ちゅういさんまん)
注意が定まらず気が散り、集中力を欠いていること - 2.「狐疑逡巡」(こぎしゅんじゅん)
いつまでも躊躇し決心できない様子 - 3.「右顧左眄」(うこさべん)
キョロキョロと落ち着きなく辺りの情勢ばかり伺い、決断しないこと
このように、同義語・類語・対義語と比較することで、「一意専心」の持つニュアンスがよりシャープになりますね。
さて、ここまで来たら「一意専心」の完全制覇まであと一歩です!
極めつけとして「一意専心」の「英語訳」も知る事で、この表現のキャラを完璧に掴んでしまいましょう!
皆さんも、自分が知っている英語で思い付く表現がありませんか?
一意専心の英語訳
英語で「一意専心」を表現するとしたら、下記のような例が適切でしょう。
1.with a single eye
2.with single mind
3.with one’s whole heart
ご覧いただいたように、それほど難しい単語は使われていないと思うので、「一意専心」の持つキャラクターがより捉えやすくなったのではないでしょうか?
それでは最後に「まとめ」でおさらいをし、この四字熟語を完全にマスターしましょう!
なお、まとめの最後には、皆さんの役に立つちょっとしたオトク情報もプレゼントしてます♪
まとめ
いかがでしたか?「一意専心」の意味はしっかり理解できたでしょうか?
最後に、ここまでの内容を簡単にまとめましょう。
【一意専心】 | |
意味 | 一つのことだけに集中する |
由来 | 『菅子説』または『囲碁説』 |
心情 | 強い覚悟・決心 |
目的 | 気を引き締める・覚悟を伝える |
同義語 | 一意繋心・一心不乱など |
類語 | 一意攻苦・遮二無二など |
対義語 | 注意散漫・狐疑逡巡など |
英語 | with a single eyeなど |
さて、ここまでご覧いただいた通り「一意専心」とは、ひとつの取り組みへの専念を誓う決意表明として主に使う言葉でした。
逆に言えば、それだけの意気込みで物事に専念することの大切さを教えてくれる言葉とも言えるかもしれません。
とは言え、徹底的に突き詰めたいと思える程の「やりたいこと」って、中々見つかりませんよね…(笑)
ということで、この記事の最後に、皆さんが「一意専心」で熱中したくなるほどの「やりたいこと」が見つけられる一冊をご紹介させていただきます!
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