日常でも時々耳にする「一刀両断」という表現ですが、その正しい意味・使い方はご存じでしょうか?
実はこの四字熟語、ちゃんと意味を理解し使いこなすことができれば、普段の会話においても使えるシーンが多い意外と便利な言葉なのです。
ということで今回は、例文や類語なども参考にしながら、詳しく&分かりやすく「一刀両断」の意味を解説いたします!
一刀両断の意味
それでは早速、「一刀両断」の意味を見ていきましょう。
「一刀両断」の意味とは、「物事を思い切って処理すること」、または「物事をためらいなくきっぱり決断すること」という意味になります。
前者の意味は、言い換えれば「時間をかけずに一気に物事を片づけてしまうこと」とも言えますね。
また、後者の意味をもう少し別の言葉で言えば、「躊躇することなく即決すること」と言い換えられるでしょう。
つまり、両者の意味は一見すると似たような内容に思えますが、それぞれの異なる点は、前者は「行動をすること」に焦点が当たっている一方で、後者は「決断を下すこと」にフォーカスしている点になります。
逆に、両者の共通するポイントとしては、「潔く直ちに完了させること」と言え、これはもともと「一刀両断」という言葉が「一刀で物を真っ二つに断ち切る」という意から来ていることからも分かりますね。
つまり、「一刀両断」という言葉の持つイメージとしては、読んで字のごとく「刀を思い切り振り下ろし戦い(問題)に幕を下す・決着をつける」という様子をイメージしていただくと分かりやすいと思います。
逆に言えば、思い切った一振りができずに、刀でチョイチョイとつつくように物事に対処するような腰が引けた態度では「一刀両断」とは言えないということですね(笑)
そういった意味では、行動するにしろ決断するにしろ、その対象に対して一発でズバッと幕を下ろすようなニュアンスが、この言葉には含まれています。
そのような背景から、「一刀両断」という言葉を用いる際には「ついに終止符がうたれた!」や「一瞬で片付いてしまった!」というような意味合いで使われることが多いのもポイントと言えるでしょう。
したがって、この言葉を使う背景にある感情としては、「一刀両断」をした相手の態度に感心したり賞賛するような気持ちか、それとは逆に、「一刀両断」されて一方的に打ち負かされたことに対する落胆や諦めの心、感服したような心情があることが一般的ですね。
つまり、「一刀両断」を傍から見ている分には、気持ちがスカっとしたり心の中のモヤモヤが晴れるようなポジティブな気持ちになりますが、自分が「一刀両断」された側の場合は、文字通り心に傷を負うようなネガティブな感情がもたらされる言葉と言えるでしょう(笑)
いずれにしろ、何かしらの行動や決断によって物事を瞬時に完結させた様子に対し、「一刀両断」という表現を使えるということです。
なお、具体的な「一刀両断」をする物事や会話における言い回しは、実際の例文を参考にするととても分かりやすいので、後程まとめて紹介させていただきますね。
さて、ということで、ここまでで「一刀両断」の意味がおおむね理解できた後は、続いてはこの言葉を完全にマスターするために、その語源を見てみましょう!
むしろこの四字熟語は、その語源を把握することでより一層意味の理解が進み記憶の定着に役立つ、という側面もある表現です。
一刀両断の語源
さて、「一刀両断」という四字熟語には、どのような由来があるのでしょうか?
結論から言うと、「一刀両断」という四字熟語は中国の故事成語が由来となっています。
十二世紀の中国に存在した「朱子(しゅし)」という儒学者の言葉に、「自分の欲望を抑制するには根源からの一刀両断に限る」という内容の発言があり、これが「一刀両断」の語源となっています。
つまり、「一刀両断」のもともとの由来は、人間の欲望のコントロールの仕方に語源があったということですね。
そういった意味では、甘い誘惑や抑えきれない欲情を断ち切るための有効な手段として生まれた言葉が「一刀両断」だったのです。
なお、そのような「欲望」「誘惑」には、自分の中の弱い心や、お酒やタバコなどの嗜好品、あるいは浮気や不倫といったといったような後ろめたい人間関係など幅広いものが該当すると言えるでしょう。
そのため、実際に現代の中国においては、「一刀両断」という言葉が「古い関係を思い切って断ち切る」という意味で使われており、こと日本においてもこれと同様の意味で使われることもあります。
とはいえ、長年直すことができない癖や、悪しき習慣などを一度に断ち切るのは一筋縄ではいかないので、「一刀両断」がその潔さや勇気・覚悟を称える言葉として使われることも、多くの誘惑に悩む我々現代人とってもすんなり納得がいきますよね(笑)
さて、ということで、語源を把握し「一刀両断」の意味が完璧に理解できたところで、続いてはこの表現がどういった時に使われるのか、例文を見ることで言葉の使い方をマスターさせましょう!
ここまでの説明を聞いた皆さんは、どのような例文が思いつきますか?
一刀両断の例文
「一刀両断」という表現は、下記例文のような形で使う事ができます。
- 例文1.意見が一つにまとまらなかった社員旅行の行き先を、部長が「一刀両断」して沖縄に決めた。
- 例文2.取引先からの無茶な要望を、歯に衣着せぬことで有名な課長が「一刀両断」で断った。
- 例文3.クリスマスプレゼントにゲームが欲しいという子供の要求を、「一刀両断」に却下した。
- 例文4.約束に遅刻した友人の言い訳があまりにお粗末な内容だったので、「一刀両断」してやった。
- 例文5.自分に甘い私は、深夜にラーメンが食べたくなる誘惑を「一刀両断」することができなかった。
- 例文6.別れた恋人との関係をズルズルと引きずっていたが、お互いの為にも「一刀両断」した。
例文をご覧いただいて分かるように、「一刀両断」という言葉は主に、何かしらの提案や要求をハッキリと拒否したり却下するようなシーンで使われるケースが多いことがポイントになります。
たしかに、断りづらい要望や潔く吹っ切ることが出来ない状況を「一刀両断」する姿は、さながら強敵を一振りで倒してしまう剣豪のようにカッコいいですよね(笑)
さて、ということで、例文を見て具体的な使い方が分かったところで、続いては実際の会話例を通して、自分自身で「一刀両断」という言葉を使うイメージを養ってみましょう!
皆さんも、下記の会話例のパンダさんになりきり、〇〇の部分に入る言葉を考えてみてくださいね。
一刀両断の会話例
会社の同僚のパンダさんとヒツジさんが、ランチで定食屋に来ています。
今日は午前中の仕事頑張ったから、ランチはちょっと豪華にしちゃおうかな~♪
はあ~、ボクは今月も相変わらずジリ貧生活だから、一番安いランチセットにしようっと。
パンダさん稼いでるんだから、もっと贅沢してもいいんじゃない?
ボクだってそうしたくて奥さんに〇〇お願いしたのに、きれいに「一刀両断」されたんだよ!
いかがでしょうか?〇〇にはどんな言葉が入りましたか?
この〇〇に入る言葉は、『お小遣いアップ』などですかね(笑)
このパンダさんのような会社員は、世の中にたくさんいますよね(笑)
さて、ということで、パンダさん達のやり取りを見て「一刀両断」という表現を実際に使うイメージがついた(?)ところで、続いてはその類語・対義語を知ることで、この言葉の輪郭をより鮮明にしていきましょう!
皆さんも、パッと思いつく類語がありませんか?
一刀両断の類語・対義語
「一刀両断」には、下記のような類語が存在します。
- 1.「一剣両断」(いっけんりょうだん)
「一刀両断」の同義語 - 2.「快刀乱麻を断つ」(かいとうらんまをたつ)
複雑な事態や紛糾している課題を、ものの見事に解決すること - 3.「即断即決」(そくだんそっけつ)
間髪おかずにすぐに決断を下すこと - 4.「問答無用」(もんどうむよう)
話し合っても無意味なさま
また、このような類語が存在する一方で、「一刀両断」の対義語には下記のようなものが当てはまります。
- 1.「優柔不断」(ゆうじゅうふだん)
ぐずぐずして物事の決断がいつまでたってもできないこと - 2.「意志薄弱」(いしはくじゃく)
意志が弱く自分の意志で決断できないこと - 3.「游移不定」(ゆういふてい)
思い切りがつかず物事を決められないこと - 4.「岐路亡羊」(きろぼうよう)
複数の選択肢があることにより、どれを選ぶか迷うこと - 5.「狐疑逡巡」(こぎしゅんじゅん)
いつまでも躊躇し決心できない様子 - 6.「右顧左眄」(うこさべん)
キョロキョロと落ち着きなく辺りの情勢ばかり伺い、決断しないこと - 7.「縮手縮脚」(しゅくしゅしゅくきゃく)
周りを気にし過ぎることで、物事を遂行できないこと
これだけの「一刀両断」の対義語があるということは、それだけ潔く決断することは私たちにとって難しいのだということが分かりますね(笑)
とはいえ、このように類語・対義語と比較することで、「一刀両断」の持つニュアンスがよりシャープになったのではないでしょうか。
さて、ここまで来たら「一刀両断」の完全制覇まであと一歩です!
極めつけとして「一刀両断」の「英語訳」も知る事で、この表現のキャラを完璧に掴んでしまいましょう!
皆さんも、自分が知っている英語で思い付く表現がありませんか?
一刀両断の英語訳
英語で「一刀両断心」を表現するとしたら、下記のような例が適切でしょう。
1.making a swift decision
和訳:即断即決する2.reject
和訳:拒絶する、却下する、拒否する
ご覧いただいたように、それほど難しい単語は使われていないと思うので、「一刀両断」の持つキャラクターがより分かりやすくなったのではないでしょうか?
それでは最後に「まとめ」でおさらいをし、この四字熟語を完全にマスターしましょう!
なお、まとめの最後には、皆さんの役に立つちょっとしたオトク情報もプレゼントしてますよ♪
まとめ
いかがでしたか?「一刀両断」の意味はしっかり理解できたでしょうか?
最後に、ここまでの内容を簡単にまとめましょう。
【一刀両断】 | |
意味 | 思い切って直ちに処理・決断すること |
感情 | 賞賛・感心、もしくは落胆・感服 |
使い方 | 潔さを褒める、拒絶されたことに残念がる |
由来 | 欲望を断ち切る手段に関する朱子の記述 |
類語 | 一剣両断・快刀乱麻を断つ |
対義語 | 優柔不断・意志薄弱 |
英語訳 | making a swift decision , reject |
さて、ここまでご覧いただいた通り「一刀両断」とは、主に自分の意思をはっきりと貫く際に用いる言葉でした。
確かに、自分の意思を明確にしてすぐに決断を下せるかどうかは、仕事でもプライベートでも大切な要素ですよね。
とはいえ、周りからの様々な意見に左右されてしまう私たちは、どうしてもシンプルに考え決断することができません(笑)
ということで、この記事の最後に、自分の頭の中を整理することで皆さんがどんな事でも即決できるようになる一冊をご紹介させていただきます!
この本を読むことで、あなたもきっと、余計な考えや他人の意見に流されずに、自分の本心を堂々と貫くコツが掴めますよ!
【「一刀両断」の達人になるヒントが見つかる一冊はこちら↓↓↓】
【副業・転職・独立に興味がある方必見】
複業コンサルタントの当サイト運営者が、最新のおすすめ副業などのお得情報をLINEで無料配信中です!
詳しくはこちらのプロフィールをご覧ください!
【こちらの人気記事もおすすめ】