日常でも時々耳にする「四苦八苦」という表現ですが、その正しい意味・使い方はご存じでしょうか?
実はこの四字熟語、多くの方がなんとなくの意味の理解に留まっていたり、実際の会話では使いこなせていないという、要注意の表現なんです。
ということで今回は、例文や類語なども参考にしながら、詳しく&分かりやすく「四苦八苦」の意味を解説いたします!
四苦八苦の意味
それでは早速、「四苦八苦(しくはっく)」の意味から見ていきましょう。
「四苦八苦」の意味とは、「非常に苦労すること」または、「たいへんな苦しみ」という意味になります。
これらをまとめてもう少し別の言葉で言えば、「大きな労力や苦痛をともなうこと」とも言い換えられますね。
つまり、何かしらの問題や課題、あるいは、超えるべき壁のようなものが存在し、その対処や処置において非常に苦労していたり、肉体的・精神的な苦しみを感じるような状況を指し、「四苦八苦」と表現できるということです。
イメージ的には、「四苦八苦」という状態に陥っている本人は、汗をびっしょりかいて疲弊しきっている姿や、フラフラと足元がおぼつかず限界が近づいているような様子を想像していいただくと、分かりやすいと思います。
したがって、「四苦八苦」という言葉を使う際の背景にある心情としては、「めちゃくちゃ辛いんだけど…」「ホントに大変だわ…」というような気持ちがあることが多いですね。
またその一方で、その困難の苦しさ・大変さを強調する目的で「四苦八苦」を使うことがあるのも、ポイントと言えるでしょう。
あるいは、「何とか対処しきった…」「ようやく苦しみが終わった…」というような安堵に近い気持ちから、辛い状況を乗り越えたタイミングで「四苦八苦」という言葉を用いることもできます。
いずれにしろ、「苦しい状況」を経験する中で、その最中なのかそれが終わってからなのか、どのタイミングでどういった心境から使うかによって、「四苦八苦」の持つニュアンスも微妙に変わるということです。
なお、このようなニュアンスの違いは、実際の例文を参考にすると非常に分かりやすいので、後程まとめて紹介させていただきますね。
さて、ということで、ここまでで「四苦八苦」の意味がおおむね理解できた後は、続いてはこの言葉を完全にマスターするために、その語源を見てみましょう!
この四字熟語は、日本人なら知っておくべき、とても興味深い内容でもあるんです。
四苦八苦の語源
さて、「四苦八苦」という四字熟語には、どのような由来があるのでしょうか?
結論から言うと、「四苦八苦」という言葉は、もともとは仏教用語でした。
その仏教用語としての「四苦八苦」が派生した形で、現在は四字熟語として広く使われているということです。
そのため、そもそもの仏教用語としての「四苦八苦」の意味を紐解くことで、この言葉の語源が見えてくるので簡単に紹介させていただきますね。
ご存じの方もいるかもしれませんが、仏教の開祖である釈迦は、「この世は自分の思い通りにいかない事が大半である」という真理を説いています。
そして、そのような思想の元つくられた仏教における「苦」とは、「思い通りにならない」という意味を持ちます。
そのため、仏教用語としての「四苦八苦」とは、いつの時代・どこの国でも、あらゆる人間が共通して経験することになる、自分の意志ではコントロールしきれない八つの苦しみを指し示すものでした。
この八つの苦しみとは、人間の基本的な苦しみである「四苦」と、それに付随する形で生まれる「四苦」とがあり、それらが合わさって合計「八苦」になります。
まず、人間の苦しみのベースとも言えるその最初の「四苦」は、下記になります。
- ①生苦:生まれる事に起因する苦しみ
生まれなければそもそも苦しむこともない - ②老苦:老いる事に起因する苦しみ
歳をとるにつれ体力・気力など全てが衰え自由が利かなくなる - ③病苦:病に起因する苦しみ
この世には様々な病気が存在し、その痛みや苦しみに悩まされる - ④死苦:死ぬことに起因する苦しみ
死ぬこと自体への恐怖、また死後の世界における不安など
以上の四つが、人間の根本的な「四苦」ですが、これに加え下記の「四苦」が追加されることで全体として「八苦」となります。
- ⑤愛別離苦(あいべつりく)
愛する者と別離する苦しみ - ⑥怨憎会苦(おんぞうえく)
怨み憎んでいる者に会う苦しみ - ⑦求不得苦(ぐふとくく)
求める物が得られない苦しみ - ⑧五蘊盛苦(ごうんじょうく)
五蘊(人間の肉体と精神)が望み通りにはいかない苦しみ
以上、最初に挙げた基本の「四苦」と、後述した「四苦」をあわせて「八苦」となります。
たしかに、釈迦が説いたものだけあって非常に我々の本質をついた内容であり、なおかつとても哲学的で深く考えさせられるような教えではないでしょうか。
このような納得感のある語源を見ると、現代においても「非常に苦労すること」という意味で「四苦八苦」という四字熟語が広く使われているのも頷けますよね。
さて、ということで、語源を把握し「四苦八苦」の意味が完璧に理解できたところで、続いてはこの表現がどういった時に使われるのか、例文を見ることで言葉の使い方をマスターさせましょう!
ここまでの説明を聞いた皆さんは、どのような例文が思いつきますか?
四苦八苦の例文
「四苦八苦」という表現は、下記例文のような形で使う事ができます。
- 例文1.パソコンの原因不明のトラブル対処に「四苦八苦」している。
- 例文2.社会人になってからは、学生時代の奨学金返済に「四苦八苦」している。
- 例文3.今までずっと実家暮らしをしていたので、結婚後は家事と育児に「四苦八苦」だった。
- 例文4.人見知りで自己肯定感が低い私は、人と仲良くなるのにいつも「四苦八苦」する。
- 例文5.友達が体裁を取り繕うのに「四苦八苦」するのを見ていられず、思わず手助けをした。
- 例文6.人生においては誰しも「四苦八苦」に悩まされるが、ちゃんと楽しみもあるものだ。
例文をご覧いただいて分かるように、「四苦八苦」という四字熟語は基本的に「四苦八苦する」という言い回しで使うことが多いですね。
また、具体的にどのような物事や状況に対して「四苦八苦」という言葉を使えるかも、例文を参考にする事でイメージできたかと思いますが、基本的には幅広い事柄に対して使える便利な表現と言えるでしょう。
さて、ということで、例文を見て具体的な使い方が分かったところで、続いては実際の会話例を通して、自分自身で「四苦八苦」という言葉を使うイメージを養ってみましょう!
皆さんも、下記の会話例のパンダさんになりきり、〇〇の部分に入る言葉を考えてみてくださいね。
四苦八苦の会話例
友人のパンダさんとヒツジさんが、飲み屋で談笑しています。
いや~、今回のお忍び熱海旅行も何とか無事終了できて、ひと安心だよ~。
また奥さんに〇〇がバレそうになったの?いい加減あぶない橋を渡るのやめたら?
むしろ最近はアリバイ作りに「四苦八苦」するのが、楽しみにすらなってるんだよね!
いや、それ全然自慢できることじゃないから!(笑)
いかがでしょうか?〇〇にはどんな言葉が入りましたか?
この〇〇に入る言葉は、『浮気』ですかね(笑)
このように、アタフタと言い訳するようなシーンでも、「四苦八苦」という表現はよく使われますよ(笑)
さて、ということで、パンダさん達のやり取りを見て「四苦八苦」という表現を実際に使うイメージがついた(?)ところで、続いてはその類語を知ることで、この言葉の輪郭をより鮮明にしていきましょう!
皆さんも、パッと思いつく類語がありませんか?
四苦八苦の類語
「四苦八苦」には、下記のような類語が存在します。
- 1.「七転八倒」(しちてんばっとう)
苦しみや痛みにより転げまわってもがくこと - 2.「七難八苦」(しちなんはっく)
数々の苦難が度重なること - 3.「千辛万苦」(せんしんばんく)
様々な辛いことや苦しいこと - 4.「悪戦苦闘」(あくせんくとう)
死にものぐるいの非常に苦しい戦いのこと - 5.「艱難辛苦」(かんなんしんく)
困難な物事によって苦しみ悩むこと
やはり、「苦」や「辛」という漢字が使われているものが多く、また大きい値の漢数字を使うことでその苦しみの大きさを表している類語が多いのも、ポイントと言えるでしょう。
なお、このように類語と比較することで、「四苦八苦」の持つニュアンスがよりシャープになりますね。
さて、ここまで来たら「四苦八苦」の完全制覇まであと一歩です!
極めつけとして「四苦八苦」の「英語訳」も知る事で、この表現のキャラを完璧に掴んでしまいましょう!
皆さんも、自分が知っている英語で思い付く、簡単な表現がありませんか?
四苦八苦の英語訳
英語で「四苦八苦」を表現するとしたら、下記のような例が適切でしょう。
1.be in great trouble
2.being in big trouble
ご覧いただいたように、それほど難しい単語は使われていないと思うので、「四苦八苦」の持つキャラクターがより分かりやすくなったのではないでしょうか?
それでは最後に「まとめ」でおさらいをし、この四字熟語を完全にマスターしましょう!
なお、まとめの最後には、皆さんの役に立つちょっとしたオトク情報もプレゼントしてますよ♪
まとめ
いかがでしたか?「四苦八苦」の意味はしっかり理解できたでしょうか?
最後に、ここまでの内容を簡単にまとめましょう。
【四苦八苦】 | |
意味 | 非常に苦労すること |
由来 | 仏教用語としての四苦八苦 |
使い方 | 苦しさを強調する |
類語 | 七転八倒・七難八苦など |
英語訳 | be in great troubleなど |
さて、ここまでご覧いただいた通り「四苦八苦」とは、大きな苦しみや辛い状況に直面した際に使える言葉でした。
確かに、人生は誰にとっても山あり谷ありで、何かしらの苦しいことは必ず起こりますよね。
そういった意味では、苦しい状況をいかにして乗り越えられるかが、豊かな人生を送る上で大切なのは言うまでのありません。
ということで、この記事の最後に、皆さんが困難な状況を乗り越える時に、心強く寄り添ってくれるであろう一冊をご紹介させていただきます!
この本を読むことで、あなたもきっと、苦しい時に自分を助けてくれる大切な教訓が身に付きますよ!
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