日常でもよく耳にする「以心伝心」という表現ですが、その正しい意味はご存じでしょうか?
実はこの表現、数ある四字熟語の中でも、Googleで最も検索される四字熟語の第2位にランクインする、メジャーがゆえに多くの方が意味を調べ直すことになる表現と言えます。
ということで今回は、例文や類語なども参考にしながら、詳しく&分かりやすく「以心伝心」の意味を解説いたします!
以心伝心の意味
それでは早速、「以心伝心」の意味を見ていきましょう。
「以心伝心」の持つ意味とは、「お互いに言葉にせずとも、相手の気持ち・言いたいことが正しく伝わる」という意味になります。
これをもう少し別の言葉で言えば、「口に出して伝えずとも、互いの意図が理解できる」とも言い換えられますね。
つまり、本来私たちは言葉を用いてコミュニケーションをとりますが、口にせずとも双方の意思が伝わり合っている状況を指して「以心伝心」と表現できるということです。
なお、この四字熟語は、基本的に気心が知れており、信頼しあえる仲であることを表現する際に使用されることが多いですね。
したがって、特別な関係であることを強調するニュアンスになるので、どちらかと言うとポジティブな意味合いで使われるのもポイントと言えるでしょう。
ちなみに、「以心伝心」の「以」とは、「~を用いて」といった意味を持ちます。
したがって、「以心」とは「心を用いて」という意味になり、「伝心」はそのまま「心に伝える」という意味になります。
つまり、「以心伝心」の漢字の意味を紐解くと、「心を用いて、(双方ともに)心に伝える」という解釈になるという事ですね。
そういった意味では、互いに信頼し合えているから「以心伝心」が起こり、そして「以心伝心」が起こることで更に信頼関係が深まる、というポジティブなスパイラルが生まれるのかもしれません。
ちなみに余談ですが、自分が恋愛感情を抱いている相手との「以心伝心」は特に嬉しくなるものですよね。
皆さんにも、そのような相手はいませんか?
いずれにしろ、言葉の意味の理解だけではもったいないので、是非日常における様々な状況で「以心伝心」できる達人になってみてください(笑)
冗談はさておき、ここまでで「以心伝心」の意味がおおむね理解できた後は、続いてこの言葉を完全にマスターするために、その語源を見てみましょう!
実はこの四字熟語は、日本人なら非常に納得がいく、とても興味深い由来を持つ表現なのです。
以心伝心の語源
さて、「以心伝心」という四字熟語には、どのような由来があるのでしょうか?
結論から言うと、「以心伝心」という表現は、その由来が仏教にあると言われています。
皆さんご存じのように、仏教では、師匠からその弟子に様々な教えや奥義が伝承されていきます。
そして実は、仏教における数ある伝承方法のうちのひとつが、「以心伝心」という手法なのです。
具体的には、師匠と弟子とが、お互いに相手の表情・仕草などを頼りにしながら、言葉にしない方法で相手の意向を読み取ったり、逆に伝えたり、という伝承方法があり、その手法が「以心伝心」と呼ばれていたと言われています。
むしろ、仏教の真髄・禅の教えなどは、言葉や文字で伝えきれない、伝わるものではないという側面があるため、このような言葉に頼らない手法を重視していたとも言えそうですね。
ましてや、「悟りを開くこと」を目的に据え修行をしていた彼らにとっては、「以心伝心」というものはとても大切な要素だったのかもしれません。
とは言え、それ程のストイックな目的を持たない我々一般人にとっての「以心伝心」は、「それが起こると、ちょっとテンションが上がるもの」という位のスタンスで丁度良いとは思いますが(笑)
さて、ということで、語源を把握し「以心伝心」の意味が完璧に理解できたところで、続いてはこの表現がどういった時に使われるのか、例文を見ることで言葉の使い方をマスターさせましょう!
ここまでの説明を聞いた皆さんは、どのような例文が思いつきますか?
以心伝心の例文
「以心伝心」という表現は、下記例文のような形で使う事ができます。
- 例文1.彼と私は幼馴染で、苦楽をともにしてきた「以心伝心」の仲なんです。
- 例文2.あの二人が「以心伝心」なのは、コンビを組んで20年にもなるから納得だ。
- 例文3.あなた方ご夫婦はいつでも息がピッタリで、まさに「以心伝心」ですね。
- 例文4.彼女と「以心伝心」で、お互いの気持ちがすぐに伝われば楽なんだけどな。
- 例文5.君と君の飼い猫は、「以心伝心」と言える程にちゃんと分かり合えているね。
冒頭の意味の説明の際にも触れましたが、基本的に「以心伝心」とは、お互いの親密さを強調する目的で使われます。
なおかつ、例文を見ていただければ分かるように、「以心伝心」できていること自体を「すごいこと」「素敵なこと」というニュアンスで、ポジティブな意味合いで用いるケースがほとんどです。
そういった意味では、「以心伝心」をネガティブな意味で使うときは、その背景に自分以外の誰かが「以心伝心」できている事への、嫉妬心や羨ましい気持ちがあるときと言えるでしょう(笑)
さて、ということで、例文を見て具体的な使い方が分かったところで、続いては実際の会話例を通して、自分自身で「以心伝心」という言葉を使うイメージを養ってみましょう!
皆さんも、下記の会話例のパンダさんになりきり、〇〇の部分に入る言葉を考えてみてくださいね。
以心伝心の会話例
仲良しのパンダさんとヒツジさんが、飲み屋で談笑しているシーンです。
昨日パン子ちゃんに話したい事があって〇〇しようとしたら、ちょうど向こうから連絡があったんだ!
お!それはまさに「以心伝心」だね~。ラブラブで羨ましいよ。
いや、実はそれが、別れたいって話だったんだ(泣)
いかがでしょうか?〇〇にはどんな言葉が入りましたか?
この〇〇に入る言葉は、『電話』『メール』『LINE』などでしょうか。
ちなみに、別れ話をメールやLINEで済ますのはアリか?ナシか?という論争は、長きにわたり繰り返される話題ですよね(笑)
さて、ということで、パンダさん達のやり取りを見て「以心伝心」という表現を実際に使うイメージがついたところで、続いてはその類語と対義語を知ることで、この言葉の輪郭をより鮮明にしていきましょう!
皆さんも、パッと思いつく類語や対義語がありませんか?
以心伝心の類語・対義語
「以心伝心」には、下記のような類語が存在します。
- 1.「拈華微笑」(ねんげみしょう)
- 以心伝心と同じく仏教用語で、言葉を使わず心から心へ伝えること
- 2.「つうと言えばかあ」
- 「ツーカー」とも訳される、「以心伝心」の同義語
- 3.「シンクロする」
- 共鳴し同調すること
- 4.「阿吽の呼吸」(あうんのこきゅう)
- 二人以上で物事を行うときに互いの気持ちが一致すること
なお、上記のような類語がある一方で、「以心伝心」の対義語としては、「隔靴掻痒(かくかそうよう)」という四字熟語があり、これは「かゆい所に手が届かず、もどかしく思う」という意味で、相手に意図が正しく伝わらなくて歯がゆいシーンで使えます。
さて、ここまで来たら「以心伝心」の完全制覇まであと一歩です!
極めつけとして「以心伝心」の「英語訳」も知る事で、この表現のキャラを完璧に掴んでしまいましょう!
皆さんも、自分が知っている英語で思い付く表現がありませんか?
以心伝心の英語訳
英語で「以心伝心」を表現するとしたら、下記のような例が適切でしょう。
1. in tune with each other
「お互いの気持ちが分かる」という表現です
2. telepathy
「精神感応」とも訳されますが、「言語などを用いずに思っていることが他者に伝わること」という意味です
「テレパシー」という単語は、現在の日本でも普通に使われている単語ですね。
そういえば、一昔前に大人気だった沖縄の五人組バンド『オレンジレンジ』の『以心伝心』という楽曲のサビにも、「テレパシー」という単語が使われていましたね(笑)
それでは最後に「まとめ」でおさらいをし、この四字熟語を完全にマスターしましょう!
まとめ
いかがでしたか?「以心伝心」の意味はしっかり理解できたでしょうか?
最後に、ここまでの内容を簡単にまとめましょう。
【以心伝心】 | |
意味 | 言葉にせずとも意思が伝わる |
由来 | 仏教の修行方法のひとつ |
目的 | 互いの親密さを強調・賞賛 |
類語 | 拈華微笑など |
英語訳 | telepathy |
ここまでご覧いただいたように、「以心伝心」とは、お互いの信頼関係なしには起こりえない現象でした。
とはいえ、複雑な人間関係の中で生きる私たちにとっては、そこまでの深い関係性を他者と持つのは、そう簡単ではありませんよね(笑)
ということで、この記事の最後に、皆さんが周囲の方との強い信頼関係が築きやすくなる一冊をご紹介させていただきます!
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