ほとんどの方が耳にした事がある「後の祭り」という表現ですが、その正しい意味はご存じでしょうか?
実はこの慣用句は、「祭りの後」という紛らわしい類語もあることで、その意味を誤解していたり、使う場面を間違えている方も意外と多いんです。
ということで今回は、例文や類語も参考にしつつ、すんなりと「後の祭り」の意味を理解できるように解説いたしします!
後の祭りの意味
それでは早速、「後の祭り」の意味を見ていきましょう。
「後の祭り」の意味ですが、その意味とは「物事が終わった後で後悔しても、すでに手遅れである」という意味合いで使われます。
あるいは、「物事が終わった後で騒いだ所で仕方がない」や「時間的に間に合わないこと」を指すこともあります。
つまり、もう少し噛み砕いて言うと、「時間は戻らない」「終わったことは変えられない」といったニュアンスで使われるという事ですね。
したがって、「後の祭り」のイメージ的には、「もはや手遅れ」「やり直しがきかない」といった、後悔の念や残念がる気持ちを表しています。
「あの時こうしていれば…」「あの時点で別の選択をしていれば…」という後悔は、誰もが経験ありますよね。
また、そこから転じて、諦めを諭すような場面で「後の祭り」という表現を使う事もあります。
なお、よく間違われる代表例として「祭りの後」という言葉がありますが、「後の祭り」と「祭りの後」は似ている表現ではあるものの、それぞれ違う意味合いを持つ言葉なので、注意が必要です。
「後の祭り」は、先ほどの説明の通り、「時間が間に合わず、手遅れなこと」という意味でしたが、一方で「祭りの後」は、「楽しい事が終わった後に訪れる、切なさ・寂しさ」という意味を表しています。
つまり、「祭りの後」とは、「祭りは楽しく賑やかだが、終わった後は一転して静寂である」という祭りの前後の雰囲気の違いを指しているんですね。
そういった背景も踏まえて再度整理をすると、「後の祭り」は「後悔」「残念」という気持ちで、「祭りの後」は「寂しさ」「切なさ」という感情を表現するということです。
上記のように理解しておくと、両者を間違えることは無くなりますね。
また、細かい違いですが、「後の祭り」は「祭り」と書き、「祭」とは表記しないのも大切なポイントです。
では、「祭り」と「祭」はいったい何が違うのでしょう?
実は、内閣によると、「祭り」という表記の方が「本則」に合っており、「祭」はそこから派生された表記で、あくまで「許容」される書き方なのだそうです。
というのも、日本語のルールとして、「動詞が名詞化したものは、元の動詞の送り仮名に合わせる」というものがあります。
そのルールに従えば、「祭る」という動詞が名詞化した「祭り」には「り」という送り仮名が必要になります。
そういった意味で、本来正しい表記は「祭り」ということですね。
ただし、このルールには特別ルールのようなものがあるんです。
そのルールとは、「読み間違える可能性のないものに関しては、送り仮名を省略して構わない」というもの。
つまり、「祭」と表記しても、誰もが「まつり」を読めることから、「り」という送り仮名を省略することができるということなのです。
そのような背景から、日常の中では「祭り」も「祭」も、それほど区別することなく使われているのです。
確かに、はっぴ・うちわ等のデザインとしては、「祭り」と書くよりも「祭」と漢字一字で書いてある方が、カッコいいですもんね。
ただし、今回の「後の祭り」という慣用句に関しては、元の「祭り」のみが正しい表記の仕方になるので、「後の祭」とは表記しないように注意しましょう。
仮に、大事な書類に誤って「後の祭」と書いた後でその間違いに気づいても、それこそ「後の祭り」になりかねませんからね(笑)
さて、ということで、ここまでで「後の祭り」の意味がおおむね理解できた後は、続いてはこの言葉を完全にマスターするために、その語源を見てみましょう!
むしろこの慣用句は、その語源を把握することでより一層意味の理解が進み記憶の定着に役立つ、という側面もある表現です。
後の祭りの由来
「後の祭り」という表現には、実は由来として濃厚な説が二種類あり、非常に珍しいケースになります。
ということで、今回はその両方とも、ご紹介させて頂きます。
まず、一つ目は「京都の祇園祭」にその由来があるという説です。
皆さんご存じだとは思いますが、祇園祭とは毎年七月いっぱい行われる京都の「三大祭り」の一つです。
そんな祇園際ですが、祭りの構成が、山鉾(やまぼこ)巡業が行われる「前の祭り」と、還車を送る「後の祭り」の二部で構成されているんです。
そして、前半の山鉾巡業は派手に行うのですが、後半の還車送りは地味に行われるのが祇園祭の特徴でもあります。
そういった前後の祭りの内容の違いにより、「後の祭りを見に行っても楽しくない・意味がない」という意見がある事から、「ものごとの手遅れ」を表現する現在のような慣用句に派生した、という説が生まれました。
ちなみに、祇園祭自体の由来は今から約1,100年前の平安時代にもさかのぼるので、そういった歴史の深さから見ても、この祇園祭が「後の祭り」の由来であっても納得できますよね。
では、続いて二つ目の由来ですが、こちらは「故人」にまつわる語源であるという説です。
これはどういうことかと言うと、現代社会では人が亡くなった後に「葬式」「法事」等を行いますが、「他界した後に盛大な儀式を行っても手遅れで仕方がない」という、後悔の念から派生した説ということなんです。
つまり、「この世を去った後で故人を労っても後悔するだけだ」ということが由来しているのですね。
もっとも、日本における葬儀の歴史は複雑で、日本古来の「神道」に由来を見出せば縄文時代にさかのぼるという説もありますし、一方で「仏教」にその起源を求めれば飛鳥時代にあるという説もあります。
とはいえ、「後の祭り」の由来としての「葬儀」が、どの時点までさかのぼるのかは、今のところ分かっていないようです。
しかし、どのような分野のものであれ、歴史というのは未だに謎も多く、新しい発見でそれまで信じられていた説が覆る事も珍しくないので、そういった意味では明確な起源が不明な事は、ある意味しょうがないのかもしれません。
ただ、いずれにしろ、「祇園祭」説も「故人」説も、現時点では両者とも有力視されているので、今の段階では、どちらの由来も頭の片隅に置いておく、というスタンスがベターかなと思います。
さて続いては、「後の祭り」という表現がどういった時に使われるのか、例文を見る事でこの言葉の姿をより鮮明にしましょう!
後の祭りの例文
「後の祭り」という表現は、下記の例文のような形で使う事ができます。
- 例文1.悪口を言った後で罪悪感に駆られても、「後の祭り」だよ。
- 例文2.申込締切は昨日だったのだから、今更バタバタしても「後の祭り」だ。
- 例文3.「後の祭り」だと理解していても、思い出しては自責の念に駆られる。
- 例文4.正式契約後に、破棄したいと言われても「後の祭り」なのでご注意下さい。
- 例文5.「後の祭り」にならないように、明日のしっかり準備してから寝ることにしよう。
- 例文6.テレビを買った後で、他店の方が値段が安かったのを知っても「後の祭り」でしかない。
慣用句には、ポジティブ又はネガティブのどちらか一方の意味で使うものと、どちらの意味でも使用できるものがあります。
そんな中、例文をご覧いただいて分かる様に、「後の祭り」は基本的にネガティブな意味として使われる表現になります。
よくあるケースとしては、「約束や予定に間に合わない」シーンや、「取り返しがつかない」場面や、「後悔している」場合に用いられる事が多いです。
また、例文5.のように、「後悔しないための決意表明」としても、使うことができますね。
いずれにしろ、「時間は戻らない」という前提のもとで表現される慣用句ということです。
さて、続いては実際の会話例を通して、日常で「後の祭り」という言葉を自分で使いこなすイメージを養ってみましょう!
皆さんも、下記の会話例のパンダさんになりきり、〇〇の部分に入る言葉を考えてみてくださいね。
後の祭りの会話例
ルームシェアしているパンダさんとヒツジさんの、とある日常におけるワンシーンです。
うわ!なんだこれ!洗濯物干そうとしたら、洗濯機の中が白くて細かいゴミでいっぱいだ!
なになに?どうしたのヒツジさん?…うわ~こりゃ〇〇入れたまま洗濯しちゃったんだね。
え?僕はそんなの入れた覚えないよ。
たぶん僕のズボンを一緒に洗ったからじゃないかな。鼻かんだ〇〇がポケットに入れっぱなしだったから。
もう!いつも注意してるけど、勝手に自分の洗濯物を潜り込ませるのやめてよね!完全に「後の祭り」だよ!
いかがでしょうか?どんな言葉が入りましたか?
この〇〇に入る言葉は、恐らく『ティッシュ』ですね(笑)
この「洗濯あるある」を、経験したことがある方はきっと共感しただけたのではないでしょうか(笑)
さて、続いては「後の祭り」の類語を知ることで、この慣用句の輪郭をより鮮明にしていきましょう!
後の祭りの類語
「後の祭り」には、下記のような類語が存在します。
- 1.「覆水盆に返らず」
お盆からこぼした水は元に戻らないという様子から派生した「一度起きてしまったことは二度と元には戻らない」という意味の類語ですね。 - 2.「臍を噛む」(ほぞをかむ)
自分のへそを噛もうとしても届かないにも関わらず、なおも噛もうとするほどにいらいらすることから、「すでにどうにもならなくなったことを悔やむ」という意味を持つ類語になります。 - 3.「後悔先に立たず」
すでに終わった事を後でどれだけ悔やんでも取り返しがつかない、ということを指す表現ですね。
なお、「後の祭り」の対義語としては、「失敗しないよう、万が一に備え準備しておくこと」を意味する「転ばぬ先の杖」が挙げられます。
また「備えあれば憂いなし」も、「普段から準備しておけば、何も心配はいらないこと」を意味するので、日常的な準備を促す言葉として「後の祭り」の対義語と言えるでしょう。
実際に、仕事のモットーとして「準備八割」という人もいる位ですから、後になって後悔しない為にも、事前にできる事はやり切りたいものですね。
さて、ここまできたら「後の祭り」の完全制覇までもう一歩です!
極めつけとして「後の祭り」の「英語訳」も知る事で、この表現のキャラを完璧に掴んでしまいましょう!
後の祭りの英語訳
英語で「後の祭り」を表現するとしたら、下記のような例が適切でしょう。
1.lock the barn door after the horse is out
「馬が小屋から出た後で、ドアを閉めても意味がない」という比喩表現で、「いまさら対処しても仕方がない」という意味になります。
2.amount to crying over spilled milk
「こぼれた牛乳は元に戻らない」という、先ほどの「覆水盆に返らず」に似た比喩表現で、「後の祭り」と同じ意味を持ちます。
それでは最後に「まとめ」でおさらいをし、この慣用句を完全にマスターしましょう!
なお、まとめの最後には、皆さんの役に立つちょっとしたオトク情報もプレゼントしてますよ♪
まとめ
いかがでしたか?「後の祭り」の意味はしっかり理解できたでしょうか?
私たちは日常において、人生は選択の連続であると言っても過言ではない程、毎日多くの決断を迫られるものです。
そういった意味では、その都度できるだけ良い選択をして、理想の未来を手に入れたいものですよね。
という事で最後に、皆さんが人生において「後の祭り」になることがなくなる一冊をご紹介させて頂きます!
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